第24話 おっさん、VS乱入者
果たして、興を削ぐ邪魔者とは……
「貴様ら〜、アチキを置いて逃げるんじゃ無いある。何の為に高い金を出して雇ってると思ってるか〜」
突然の珍入者はヴァルムート・フォン・スネア率いる(られてる?)『ヴァルムート精鋭団』だったのだ。
「アホかー、この忙しいのに何してくれてんだよ、後ろのそれは何だー」
血相変えて、この部屋に入って来た『ヴァルムート精鋭団』の背後にはとんでも無い数のモンスターをトレインしている。
「くくく、なかなか頼れる援軍来たりて、では無いですか、アーハッハッハ、これは私がお相手しなくても良くなりましたか?」
モンスターをトレインして珍入して来たヴァルムートに、仮面の紳士も思わず、笑ってしまう。
「くそ、仮面野郎に笑われたじゃ無いか、ヴァルムート、絶対許さん!!、帰ったら蜂の巣にしてやるからな、覚悟しとけよ!」
「ん、其処にいるのはヨシダでは無いか、アチキを今すぐ助けなさい、さすれば栄光の我が『ヴァルムート精鋭団』への入団、させてやらんでもないぞ」
「それがモンスターに追われて助けを求める態度かー、良いからこっち来てバリアの中へ入れ!」
全く要らん手間をかけさせてくれる。お貴族様ってのは、自分の命が掛かってても、プライドが優先するのかね?
「良くやったあるヨシダ、褒めてやる。して、此処からの逆転の策は有るのだろうな?」
「ヴァルムートさまさ、正面のアイツ、見える?」
「なんであるか?、正面……あの、仮面をした奇妙奇天烈な格好の輩の事であるか?」
自分のド派手な装備は棚に上げて、他人の格好を批判してるが分かっているのかね? 自分が最悪のシーンへ自ら飛び込んで来たってのを、しかも大量のお供を連れて。
「あの仮面野郎は、今回のスタンピードの黒幕だ、しかもハルクのオッサンより、多分……強い」
「な、ななな、なにぃ? 彼奴が今回の事件の首謀者で、ギルマスよりも、強いであるか?」
「そーだ、アンタも間が悪いな、最悪の時にこんな所に来るんだから。このバリアの中なら安全だ、くれぐれも勝手な事はするなよ?」
「わ、わわ、分かった、アイツとモンスターの相手はヨシダ、貴様に命じる、速やかに排除するである」
ヴァルムートのやり取りの間にも、コイツらがトレインして来たモンスター達は防御障壁の周りに群がり、青緑だったフィールドは現在緑色に変わっている。
「不味いな、更に一段階耐久値が下がったか……」
其処でふと、気が付く……赤いカプセルが一つ、他にもチラホラだが赤く光モンスターが数体見える。
「はは、地獄に仏とはこの事か? 良くやったヴァルムートさま、アンタ最高の時に来てくれた」
「な、何が如何なったか分からんが、そうだろ、そうだろ、ヨシダ、アチキに感謝するのだぞ」
ああ、感謝してやるさ、防御障壁が切れる前に、この大群を始末できたらな。
「兎に角、パワーアップカプセル取得だ」
俺は赤く煌めくカプセルを取得して叫ぶ!
「機動力強化!」
スピードアップのスキルを一段取得する、たちまち俺の動作速度、反射速度、思考速度が1.2倍される。
「オラオラオラオラオラオラー」
防御障壁に群がる敵の大群をノーマルショットで蹴散らしまくる。防御障壁の色はすでに黄緑色だ、残り三段階……間に合うか?
いや、間に合わせるんだ、コイツらを全て片付けなきゃ『GAMR OVER』だ、瑠奈はフレアと鬼灯は回復中だし、キャトリーヌは瑠奈の護衛に付いてる、フレアと鬼灯は未だ前線に立つには程遠い……俺は更にパワーアップカプセルを取得して叫ぶ!
「機動力強化!」
スピードアップ二段階、更に動作速度が1.2倍され、都合1.44倍の速度に達する。
「オラオラオラオラオラオラー」
群がるモンスター共に連射で畳み掛ける、防御障壁の色は既に黄色だ、残り二段階……更に連射で全方位にノーマルショットをばら撒き続ける。
「機動力強化!」
「機動力強化!」
連続でスピードアップし続ける、スタンピードの時みたいに、フルパワーアップは望めない、だったら、とことんスピードアップして、圧倒的な速さで迎え撃ってやる。
「機動力強化!」
スピードアップ五段階、俺の動作速度は2.48倍まで高まる。だがそれと同時に防御障壁が赤色に変わる。耐久値は残り一段、間に合うか?
「機動力強化!」
更にパワーアップカプセルを取得して叫ぶ!スピードアップ六段階、動作速度は2.98倍に達する。
「アタタタタタタタタタタタタタタター」
「此れが、俺のSTG究極奥義『ラピッドファイヤー・アルティメット・マックス』だっ!!」
スピードアップ六段階から繰り出す、16連射xツーフィンガーx2.98倍=秒間95連射の全てを蹂躙する圧倒的な弾幕で、射線上のあらゆる物を破壊する、シューティングゲームの原点にして頂点、それがSTG究極奥義『ラピッドファイヤー・アルティメット・マックス』。その連射の前に破壊できない物など存在しない……




