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王子様の後悔


私はエレノアを傷つけてしまった。

エレノアが最後に私に「さようなら」と告げた時……どんな顔をしていたんだろうか……


私が愚かだったんだ。

あの時、私は自分を守ることを優先してしまった。

エレノアの気持ちよりも自分を……

今更後悔してももう遅い。


言えなかった……エレノアに私は……


ーーコンコン、、


まさか……またエドモンドか……


「アレクシス、私よ」


母上……!?


「どうぞお入り下さい」


ーーガチャッ、、


朗らかな表情をした母上が私の部屋に入る。


「どうなされたのですか? 母上が私の部屋に訪ねて来るなんて珍しいですね」


「そうねぇ…… アレクシスがなんとなく浮かない顔をしているように見えてねっ」


「…… いえ、そんなことはありませんよ。大丈夫です、母上」


「ウッフフフ、母には嘘をついても無駄よ!! エレノアちゃんと何があったかは知らないけれど…… アレクシスはエレノアちゃんと一緒にいる時はとても生き生きしているわ。今までのあなたはどこか投げやりで、心に憂いを秘めている感じだったけど…… きっとエレノアちゃんに出会って、あなたの中の何かが変わったのね」


ーー母上には全てお見通しだったんだな……


私も自分の中で何かが変わったと思った。

エレノアに出会って。

だが私はエレノアを傷つけた。


「アレクシスは覚えているかしら? あなたが小さかった頃。後にも先にもあの時だけは母に心の内を話してくれたわよね?」


「…… はい、覚えています。あれは私が九つの時でした…… 私のことをめぐってご令嬢の数人が喧嘩をし、怪我をしてしまった。誰が私の婚約者になるかで。まだ子供である彼女達が私が次期国王というだけで、私のことで必死になって喧嘩をし、怪我までしてしまう。その事実が怖かった……。 自分はこんなふうにしか見られないのかと……」


ーーそう……私はあの時から……


「それでアレクシスは私に聞いたのよね? 女の子と会うのがどうしても嫌な時はどうすれば良いですか母上…… っと」


「…… はい」


「だからあなたに言ったの。億劫に思う人と会う時はその人の顔をカボチャに思えばいいと……。そんなことしかあなたに言ってやれなかったわ。なんの解決にもならないようなことしか。あの時のアレクシスの悲しそうな顔が、今でも脳裏に焼き付いて離れないわ。とても胸が痛んだの…… 子供らしく過ごすことができず、好奇の目で見られ続けて息苦しさを感じて生きていることに……」


「母上……」


「ずっと心ここに在らずだった息子が、ウェンスティール国から帰って来て、別人のように生き生きとしていて嬉しかったわ……」


ーー母上は私がエレノアに出会って、閉ざしていた心を開いたことに気づいておられたのですね。


「だからね…… そうねぇ、母が何が言いたいかと言うと…… 言葉では何も言うことはないの。アレクシスはもうわかっているでしょうから。ただ息子の背中をほんの少し押しに来ただけよっ!!」


そうして仰り、母上が私の背を優しくパンッと叩いた。


「母上…… ありがとうございます!!」


「いいえ、私の息子には幸せになって欲しいですもの。ウッフフ♡」


そうだッ!!!!

後悔だけは二度としたくない!!

たとえ傷つく結果になったとしてもいい!!


後悔だけはしたくないんだ……


ーーエレノア……











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