60話
翔進明。
俺の親父と同じく町を守るガーディアンに所属しており、俺にとっては伯父にあたる存在。
ガーディアンというと犯罪者を捕らえる役割を持つだけあって、かなり厳つい雰囲気を持っている人物が多いが、この人は正反対。どこの誰でも自然に懐に入ってこれる柔らかさを持っている。ただし親父曰く、ガーディアンとしては少し頼りないらしいが。
とはいってもこれまで何度か会ったことがある程度の関係だが、俺に会いに来たらしい。
「えっと、明さんはなんでここに?」
「羅黒くんに相談があってね。引き続きで申し訳ないんだけどちょっとだけ時間くれないかな?」
「俺は別に構わないですが……」
俺より年上の人に頭を下げられるもんだから、断れるはずもなかった。とはいっても、明さんの様子から割と重要な話なのだろう。外で話すのも違うはずだ。
俺のそんな考えを読んだのか、明さんはなにか探すように見渡すがお目当てのモノがなかったのか俺の方に向き直る。
「よかったら羅黒くんの家にお邪魔させてもらえないかな?」
「お邪魔します」
その後、俺は明さんを連れて家へと帰宅した。
家に着くと、なんだかやたら明さんが真剣な顔をしていた。いったい何を?
まさか俺が犯罪組織を皆殺しにしているのを親父から聞いたのか。話し合いとは俺にそのことについて聞くために?
俺の心が身構えると同時に明さんは神妙に口を開く
「羅黒くん……」
「……なんですか?」
「…………お手洗い貸してもらえないかな?」
「あ、はい」
俺は明さんがトイレへと爆速していくのを確認すると、俺は琴音を探しに行った。
普段はリビングでゲーム三昧なはずなのだが、今は見かけない。家中を探し回ると、なぜか琴音は自分の部屋で段ボールの中に隠れていた。
「……お前何やってんの?」
「あにーじゃ、今家の中に未確認生命体が」
「明さんな。そんなところに隠れてないでお前も挨拶ぐらい俺とするぞ」
「い、いやだ~~~~~~~~~~~!」
どれだけ琴音を部屋から引きずり出そうとしても必死に抵抗する。明さんに会いたくないのも特別な理由があるんじゃなくてただの人見知りだろう。どんだけこいつはこじらせているんだ
「いいから出てこい~~~~~~~~~~~~!」
「にゃああああああああああああああああああ!」
結局、俺が先に折れることになり琴音は部屋に引きこもった。俺があきらめたときのあいつの安心しきった顔を俺は忘れることはないだろう。
諸事情で二、三週間ほど更新できないです。私情で申し訳ございません




