僕の飼い猫マリアンヌは今日も可愛いがすぎる
こちらは猫じゃらし様主宰「獣人春の恋祭り」参加作品です。
猫を獣人化させました。
「おい下郎。膝枕をせい」
今日も今日とて飼い猫のマリアンヌが言ってきた。
もちろん僕の妄想ではない。
実際にそう言っているのだ。
マリアンヌはもともとカオマニーという白い猫だったのだけど、ある日突然なぜか人の形になって人語をしゃべるようになった。
はじめはものすごく混乱したものの、今となっては愛着が湧いている。
なぜならマリアンヌはものすごく美人な上、頭からは猫耳が、お尻からは尻尾が生えているからだ。
愛着が湧かないわけがない。
「はいはい、どうぞ」
僕は座りながら膝を向けると、マリアンヌはごろんと横になって頭を膝の上に乗せた。
「うむ、苦しゅうない」
そう言って幸せそうに笑う。
言動は偉そうだけど、僕は知っている。
マリアンヌは絵に描いたようなツンデレで、僕が「よしよし」と頭を撫でてやると「何をする」と言いながら嬉しそうに顔を綻ばせるのだ。
もうまさに天使。
この前なんか、僕が買ってきた玩具のねこじゃらしを「こんなもので喜ぶわらわでないわ」と言いながら、めっちゃ楽しそうにじゃれていた。
興奮しすぎてゴロンゴロン転がっていた。
なんなら「ふんす! ふんす!」言っていた。
今でも思い出すだけで笑えてくる。
「ふふふ」
声を出して笑っていると、マリアンヌは膝の上で僕を見上げながら「なんぞ?」と怪訝な表情を見せた。
「ううん、なんでもない」
「なんでもないことはなかろう。いきなり笑い出すなど」
「本当になんでもないんだ。単純にマリアンヌは可愛いなーと思っただけで」
「……………は?」
「君は本当に可愛いね」
「!!!!!」
その瞬間、マリアンヌは膝から飛び起きて「ぶぶぶ、無礼者!」と叫んだ。
「げげげ、下郎の分際で何を言うか! わ、わら、わらわが、か、可愛いなどと! わりゃわがきゃわいいなどと!」
あーあ、照れすぎて噛みまくっている。
余計可愛いなー。
「こう見えてわらわは高貴な身分なのだぞ!」
「そうだねー」
言いながら僕はマリアンヌの大好きなキャットフードを器によそった。
「それよりもほら、ご飯だよ」
「ふん。そうやって誤魔化そうとしても無駄じゃ。わらわをそんなもので釣ろうなどと……」
「はい、あーん」
「あーん」
僕の差し出したスプーンからキャットフードを口に含むと、おいしそうにモキュモキュ食べるマリアンヌ。
可愛いが過ぎる。
「どう? おいしい?」
「うむ、今日の飯は合格点じゃ」
「それはよかった」
いつもと同じキャットフードなんだけどな、と思いながら僕はさらにスプーンを差し出すのだった。
そんな彼女が猫界では本当に有名な女王様で、この僕がその婿候補に選ばれるのはもう少し先の話。
お読みいただきありがとうございました。
短い文字数で猫のワガママさと可愛さを追求しました♡