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④-⑭ 作戦会議②

「新奈ちゃん、今日話そうと思ったのは、雪城さんのあの行動に対して、どう対処するかってことなんだけど……。」


なずなちゃんは、申し訳なさそうな顔で新奈ちゃんに向かってそういう。

おそらく、『いきなり、離せそうにない話題でごめんね』的な気持ちで言っているのだろう。

……多分、わたしだってそうするし。なずなちゃん、すっごく優しいし。


「雪城さん、ですか……。」


……この感じ、やっぱり話せそうにないのかな。そう思っていると、


「私、あの子なんか変だなとは思ってたんですよ。……なんか、私が広葵先輩といると、すっごく見てきますし、楽しそうに話していると、かなりの確率で、『ひろき、仕事があるから。』とか言って連れて行くのに、何も仕事をさせていなかったり……。」


と、新奈ちゃんは言い出した。


「……新奈ちゃんに対してもなんだ。」


私が考えていたことを、なずなちゃんは口にする。


「はい。なんかあの人、広葵先輩が、他のだれかといることを許さないというか、なんと言うか……自分が広葵先輩のことをコントロールしたいって感じだと思うんですよね。……その、独り占めしたいとか、そういうのじゃなくて。」


独り占めしたいわけではないのに、ひ~くんをコントロールしたい……か。


「それって、ひ~くんのことが心配だからとか、そういう理由でなのかな。」


私は、新奈ちゃんにそう聞く。……だって、それ以外に思いつかない。


「まだあまり、よくわからないんですが、そんな感じかと……。でも、理由がわからないんですよね。今日一日、広葵先輩といる機会が多かったですけど、心配になるような部分は、全くありませんでしたし。」


そう、私がなぜ、自分の考えに自信を持てなかったか。それは、新奈ちゃんの言う通り、ひ~くんと一緒にいて、ひ~くんのことが心配になることなんて、一度もないのだ。


「私は、雪城先輩がひろに抱いている愛情は、恋愛対象としてのそれではなく、もっと別の感情が入っているのではないのかなと思いました。……もちろん、全く恋愛感情を抱いていないとは言いませんが。」


恋愛対象としての愛情でない何か……ねぇ。


「敬愛とか友愛、家族愛ってことだよね。」


「はい。でも、ひろと雪城先輩は、家族ではないので、家族愛は、違うと思います。」


「ひ~くんと雪城さんが仲良く話しているところは見たことがないし、友愛もなんか、違うような……。」


「そうすると、雪城先輩が広葵先輩に対して抱いている愛情は、敬愛が強いってことになるんですかね……。」


「う~ん……。」


なずなちゃんは、どうやら私たちの話に、ついてこれていないらしく、先ほどから、難しい表情をしている。

……あとで、わかりやすく説明してあげよ‼

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