【ミニマムムーン】 日奈とデート
ミニマムムーンということで、今回は書かせていただきました。
このお話は、おまけ的なものです。
最近、更新できてなくてすみませんでした。
「ひ~くん、今日は、地球から一番月が遠い位置にあるんだって。」
自分の席で、本を読んでいると、日奈がそう話しかけてきた。なずなさんは、トイレに行ったのか、教室内に、見当たらない。
「ねえ、ひ~くん。今日、一緒に河原でお月見をしない?」
日奈はそう聞いてくる。
……夜、河原でお月見。
「……えっと。それは、二人っきりで?」
「もちろん。」
……なんか面白そう。それに、夜の河原で二人っきりでお月見とか、めちゃくちゃロマンチックじゃん‼ ……日奈は、彼女とかじゃなくて、ただの親友……大切な親友だけど、友達同士でそう言うのって、なんかいいよね。月を見ながら感謝を伝えたりさ。
……日頃、日奈にはお世話になってるし、こういう時に、感謝を伝えるのもいいよね。
そう思った俺は、
「そっか……。それじゃあ今夜、二人っきりでお月見しよっか。」
と、日奈に向かって言うのだった。
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「ひ~くん、お待たせ~‼」
そう言って、私服姿の日奈が、姿を現した。
「ひ~ちゃん。……私服、すっごくかわいいね。」
今まで、俺は、日奈の私腹を見たことがなかった。朝、家に来るときも制服だったし、休日に、日奈と遊んだこともない。だから、日奈の私服は初めてなのだ。
「ありがとう。……この服、私のお気に入りなんだ~。」
なんかもう、日奈の性格そのものが、服に出ているって言うか。優しさとか、可愛さが、前面に押し出されている、そんな服だった。
「……それじゃあひ~くん。あそこに座って、一緒にお月さま見よっか。」
日奈の指の先には、ちょうど二人座れそうなくらいの大きさの石があった。
……なんて都合がいいんだろう。
「そうだね。あそこで一緒に見よっか。」
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「月、ちっちゃいね。」
俺たちは、風に揺られるススキの音を聞きながら、二人で月を見上げていた。
目の前には川、後ろにススキ。そんな状態で、石の椅子に座った俺たちは月を見ていた。
「月、すっごくちっちゃいな。……それに、今日の月は、いつもよりすごくきれいな気がするよ。」
「それは、わたしと二人っきりで見ているからかな?」
いたずらっぽい笑みを浮かべながら日奈がそう言う。
いつもの、真面目で、優しくてかわいい。そんな日奈も素敵だけど、今日みたいな日奈も素敵だ。……きっと、今こんなに月をきれいに見れているのは、この環境を作ってくれている日奈のおかげなのだろう。いつも元気ななずなさんや、優奈では、こんな風に、ススキの音を聞きながら、月を見るなんてこと、出来なかっただろう。
「そうだな。こんなにきれいな月を見れたのは、日奈のおかげだよ。……いつも、ありがとうな。(友達として、)日奈のことが、大好きだよ。」
まっすぐに、日奈のきれいな目を見て俺はそう言う。
すると、日奈はかおを赤くして、
「ありがとう、ひ~くん。私も、広葵のことが、大好きです。」