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④ー⑫ やっぱり……

「ひろき、ちょっと仕事があるんだけど……今、教室に戻れるかな?」


私とひ~くん、なずなちゃんに新奈ちゃん、優奈ちゃんの五人で仲良く話していると、雪城さんがそう言って屋上に入ってきた。


「ゆ、雪城さん⁉ ……わかった。今すぐ行く。」


ひ~くんはそう雪城さんに向かって言うと、


「ごめん、みんな。俺、仕事ができちゃったみたいだから、ちょっと行ってくるね。……また後で、話てくれるかな?」


と、わたしたちに向かって謝ってきた。

『また後で、話してくれるかな?』

その問いに対しての私たちの答えは決まっている。


「もちろんです。広葵先輩‼ 」


そう、新奈ちゃんはひ~くんに向かって言った。


「ほら~、はやくはやく~‼ 」


……どうやら、わたしたち三人が恐れていた事態が、起こってしまったようだ。

……もちろん、一度だけで判断するのは早すぎるかもしれないが。


「ごめん。今すぐいく~‼ 」


__________________________________


「あの、先輩方と、優奈ちゃんに聞きたいことがあるんですけど、聞いても大丈夫ですか?」


ひ~くんが雪城さんに連れていかれてしまったあと、最初に口を開いたのは、新奈ちゃんだった。


「うん。いいけど……。」


わたしは新奈ちゃんの問いに、そう答えた。

……新奈ちゃんの質問、すっごく気になるしね。


「あの、三人って、広葵先輩のこと、大好きですよね?……本人は、気づいてなさそうですけど。」


そう、新奈ちゃんは聞いてきた。


________________________________


「……。」


「……。」


「……。た、確かに私たちは、ひろくんのことが好きだけど、その、どこで気づいたのかな?」


最近は、周りの目とかを考えず、ひ~くんにアピールしているから気づかれる可能性はあるとは思ってたけど、まさかこんなに早く、気づかれるなんて。


「……広葵先輩のことを見る目です。三人が、広葵先輩を見ている目を見て、そう思いました。」


「『目』ねえ……。」


……私たちが、雪城さんの目から、あの短時間で何かを感じ取った以上、わたしたちの目からひ~くんへの想いを悟られる可能性がある。その可能性を考えられないなんて……。

私、この、ひ~くんとのことになると、自分の恋に関係することになると、冷静になれないっていう癖、直さないとな。


「……その、ひ~くんは私たちの想いに、気づいていないと思う?」


私は、一番気になることを、質問してみた。


「……あくまで、私の予測になりますけども、多分、気づいていないと思います。」


新奈ちゃんは、そう言った。


「まだ、広葵先輩と、長い時間を過ごしたわけではないので、よくわからないんですけど、広葵先輩って、鈍感な人だと思うんです。」


……そうだよね。ひ~くんって、すっごく鈍感だよね。


「だって普通の男の子なら、あんな風に呼ばれたら、好意に気づきますよ⁉……でも、広葵先輩に気づいている感じはない。……なので、三人で勝負とかをしているのなら、どんどんアピールをした方がいいと思います。……いつか、私が広葵先輩のことを好きにならないとも言えませんし。……だって、こんなにかわいい女の子たちが、好きになっちゃうほど、魅力的な男の子なんでしょ?」


……。

そっか、新奈ちゃんも、ひ~くんのことを好きになっちゃう可能性もあるのか。

……新奈ちゃん、絶対に強敵になりそうだし、早めに勝負、つけておきたいな。

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