④ー⑩ 優奈の友達
「こ~んに~ちは~」
日奈と話していると、そんな声が聞こえてきた。
「ちょ、ちょっと新奈ちゃん、そんなに大声を出したら……。」
そう言って、大声を出した女の子を慌てて止める優奈さん。
……どうやら、彼女が、優奈の言っていた友達のようだ。
「優奈、さっきぶり。」
「ゆ、優奈ちゃん‼」
俺たちはそう、優奈に向かって言いながら、優奈と、新奈さん(?)のもとへ向かった。
「ちょ、ちょっと二人とも、わたしも置いていかないでよ~‼」
そう言って、なずなさんも、あとから俺たちのことを追ってきた。
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「は、はははははははは初めまして。なななななななななな夏凪なつなぎ 新奈にいなです。せ、せせせせせせせせ先輩方、よ、よよよよよよよよよろしくお願いします。」
俺たちを前にして、緊張してしまったのか、先ほどまでの元気はどこへやら。動揺してしまった新奈さんの話し方は、大変なことになってしまっていた。
「初めまして、新奈ちゃん。私の名前は陽川 日奈。……これからよろしくお願いします。」
「初めまして。私は躑躅 なぎさです。新奈ちゃん、これからよろしくね。」
二人は、緊張している新奈さんに向かって、そう自己紹介をした。
「……。優奈ちゃん。私もう死んじゃうのかな。こんなにかわいい先輩方に、仲良くしてもらえるなんて。」
「……その、なずな先輩、日奈先輩、ひろ、場所を変えて、お話しませんか?」
もちろん‼
そう、二つ返事で了承したいところなのだけれど……。
優奈さん、さすがに後輩の前では、『先輩』つけて呼んでくれないかな?