④ー⑧ みんなで登校①
「「「「行ってきま~す」」」」
四人で声を合わせて、母さんに向かってそういった。
「は~い、いってらっしゃ~い。」
いつも通り、母さんはソファーに寝っ転がったままそう言った。
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「ひ~くん、今日のごはん、どうだった~?」
歩いていると、うっすら笑顔を浮かべた日奈が、そう聞いてきた。
「今日のごはん、すっごくおいしかったよ‼……もしかして、ひ~ちゃんが作ってくれたの?」
「うん‼」
そう言って、ひ~ちゃんは、向日葵のような明るい笑顔を浮かべながらうなずいた。
……やばい、すっごくかわいい。かわいすぎて、もう、あたまがやばいことに……。
「これからね、わたしとなずなちゃん。そして優奈ちゃんの三人で、交代交代で、朝食を作ることになったんだ‼……えへへ~、それにしても、ひ~くんからほめてもらえるなんて。……すっごく、すっごくうれしいな~。」
顔を赤くしながら、満面の笑みを浮かべるひ~ちゃん。すっごくかわいい。もう、何ていうの?見ているこっちまで、幸せになれるって言うか……。
「ひろくん、明日は私の番だから、楽しみにしててね?」
ひ~ちゃんに見とれている俺に、なずなさんのその言葉など、入ってこなかった。
「……ねえねえ、ひ~くん、私の作った朝ご飯、何が一番おいしかった?」
「う~ん、なんだろう……。やっぱり、卵焼きかな~。俺の一番好きな味だったし。」
周りの雑音が聞こえてきていないのは、俺だけでなく、ひ~ちゃんも同じだったようで……もうなんか、二人の世界に入り込んじゃったというか……。
優奈さん、なずなさん。なんか、すみませんでした。
「た、卵焼きって……。」