④ー⑦ みんなで朝食
「へぇ~広葵がそんなことを言うなんて……すご~く意外だね~。」
四人で朝食を食べていると、ソファーに寝っ転がっている母さんがそう言ってきた。
「そうですか?私の中でのひ~くん……広葵くんのイメージは、ずっとそういう感じなんですが。」
母さんのそんな言葉に対して、日奈はそう言う。
……あ、これ絶対、まずい展開になるやつだ。
「私の、ひろくん……広葵くんのイメージはそんな感じです。」
「……先輩方、ひろ……広葵先輩は普段、全然そんな感じじゃありませんよ‼」
……。
うん。やっぱりこうなるよね。
「朝の寝坊は当たり前、家事は全くできません。」
「それに加えて毎日ゲーム三昧……。家では全くそんなそぶりは見せていないのよ~。……あと、三人とも、普段の呼び方でいいわよ~。慣れてる方が、呼びやすいだろうし。」
……。
ここまで全部、予想はしてたよ?……でも、実際言われると何と言いますか。
はい。結構心に来るんですね。
……。
「……そうだったの⁉ひ~くんがゲーム好きなのは知ってたけど、そんなにたくさんやっていたなんて。」
「……私なんて、ひろくんがゲーム好きだってことすら知らなかった。」
……せっかくなずなさんと、次の関係に進めたと思ったのに、これじゃあ、後退しちゃうかもしれないじゃん。
「……二人とも、失望したよね。」
思わず、心の声が漏れてしまった。
「ううん、そんなことないよ‼……最初は、びっくりしちゃったけれど、それでも、ひ~くんのこと、もっと知れてうれしかった。失望なんてしてないよ。私のイメージと、実際のひ~くんが違っても。……だって、今までひ~くんが私にしてきてくれたことは、何があっても変わらないでしょ?」
……日奈~。すっごく、すっごくうれしい。
日奈にそう言ってもらえて。一番の友達に、一番の親友にそう言ってもらえて。
「私も、ひろくんのことをもっと知れてうれしかった。……今まで私が抱いていたイメージは、私の勝手な妄想だし、それと違っただけで、別に失望なんかしないよ。」
なずなさんもそう言ってくれた。
「広葵、いい友達ができたね~。……大事にしなさい。」
珍しく、母さんが起き上がってそう言ってきた。
……そんなこと、わかってるよ。二人が、かけがえのない存在だってことぐらい。