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③ー⑩ 本日最後の仕事②

「俺の名前は観音寺 広葵。誕生日は2月2日です。」


……。うん、なんか変な感じになっちゃったね。最初は『です、ます』使ってないのに、最後は『です、ます』を使っているっていう。

小学生だったら、怒られてたね。うん。

あれ?みんなの頭の中に、『?』が出ちゃってる?

ほら、あったじゃん。小学生のころ、先生に、

『[です、ます]を使うか、[だ、である]を使うか、統一しなさい‼』

とか、言われなかった?


「ひろきって、誕生日、2月なんだ。……なんか夏っぽいイメージがあった。」


……。あれ?俺ってそんな、夏っぽいイメージあるの?色も白いし、スポーツをするのが好きってわけでもないし。……サッカーとか野球を、見るのは好きだけど。


「えっと~、俺もゲームをしたりするのが好きで、『スマシス』とかが好きかな。……細かい操作とかは苦手だから、あまりうまくできないけれど、あの、敵を倒すときの爽快感が大好きで。」


「ああ、『スマイルシスターズ』ね‼あれ、結構人気だよね。……私、まだやったことがなくて。」


『スマイルシスターズ』このゲームもまた、世界で人気なゲームの一つだ。自分の好きなキャラクターを操作して、敵と戦う。説明するのはとっても簡単なゲームだ。……プレイするのは大変だけど。


「雪城さん、『スマシス』やったことがないなら、今度俺の家に来た時、一緒にやる?俺、あまりうまくないから、教えることはできないかもしれないけれど、雪城さんと、いい勝負ならできるかも。」


「え⁉いいの⁉実は私、結構あのゲーム、気になっていたんだよね。……でも、お金が足りなくて。……あの、その、ひろき。もしよかったら、定期的に私、ひろきの家に行ってもいいかな?」


両手の手のひらをこすり合わせながら口元に当て、上目づかいでそう言ってくる。雪城さんは、勉強はできるタイプ(と言われている)だが、恋に関しては疎いらしい。だからきっと、この行動も、自然としてしまっているのだろう。

……そう考えると、雪城さんって、めっちゃ可愛くない?

作られた可愛さも、自分のために作ってくれているわけだから、嬉しいけれど、こういう飾られてない素の可愛さも、最高だと思う。

そんな俺の気持ちをあつ~く、心の中で、語っていると、


「ひろきの好きな教科は何なの?」


そう、雪城さんが聞いてきた。


「俺の好きな教科は……世界史です。」


そう、なんとなんと、俺は雪城さんと同じ、世界史が好きなのだ。……本当に、びっくりだよね。


「えへへ~、私、ひろきと同じ教科が好きなんだ。……なんかすっごくうれしいな~。」


そう言って雪城さんが見せた笑顔は、可愛くて。赤い夕日に照らされて。とっても、綺麗だった。

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