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③ー⑨ 本日、最後の仕事①

「それじゃあ私から、自己紹介をするね。」


雪城さんはそう言うと、俺の目を、まっすぐと見ながら、自己紹介を始めた。

……なんか、こうやって見つめられると、すっごく緊張するね。


「私の名前は雪城 奈由奈。誕生日は、4月26日。誕生花は……やっぱり、この話はやめておくね。」


雪城さんの誕生日って、4月だったんだ。……あと少しじゃん。


「えっと~、好きなことは、ゲームをすること。私、レースゲームの『ワルオカート』が大好きなの。」


『ワルオカート』きっとこの世界に、このゲームのことを知らない人はいないだろう。

そう言えるくらいに有名な、レースゲームだ。


「雪城さん、『ワルオカート』が好きなの⁉……実は、俺も大好きで。……よかったら、今度俺の家で一緒にやらない?」


学級委員という、クラスにおいて一番重要な役割を任されたのに、仲が悪かったせいでクラスの運営がうまくいかなかったなんてこと、起きてはいけない。

そう思った俺は、雪城さんにそう、提案した。


「え⁉いいの⁉……昔は家族と一緒にやってたんだけど、最近色々あって、家族がやってくれなくて。私なんかでよければ、やってほしいな。」


「もちろん、いいよ。……『ワルオカート』って、コンピューターとやるより、友達とやった方が、絶対楽しいし。……だから、雪城さんとやってみたいな~って。」


「私も、私もひろきと一緒にやりたい。……いや、やらせてください‼」


「じゃあ、あとで連絡先を交換して、それから日にちとか時間とか決めようか。」


「うん。それじゃあ、自己紹介の続きをするね。」


……そういえば、忘れていたけど、今、自己紹介の途中だったんだ。


「えっと~、私の好きな教科は世界史‼……う~ん、あとは~。」


雪城さんって、世界史が好きだったんだ。……今までは、理系って感じのイメージだったけど、実は世界史が好きだったなんて。人を見ためで判断したらいけないんだな。


「そうだ、好きな人‼好きな人は……」


え⁉ちょっと待って、それはまずいって‼いや、だってここで俺が聞いちゃったら、俺も答えないといけなくなっちゃうじゃん‼

それでもし、『それじゃあ、手伝ってあげるよ』とか言われたらどうするの⁉

俺、振られたばっかなんだよ⁉すっごく、気まずくなっちゃうよ⁉

そう思ったので、


「雪城さん。その話は、今は大丈夫だよ。」


そう、俺は雪城さんに言った。


「そ、そうだよね。……急に好きな人なんて、言っちゃったらまずいよね。」


どうやら、雪城さんもわかってくれたようだ。

……ふぅ。よかった~。


「それじゃあ次は、俺が自己紹介をするね。」


そう言って、俺は自己紹介を始めた。

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