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おとぎばなし 聖剣伝説

作者: 藍上おかき

聖剣伝説 シリーズ 第三段です。

地上よりも遥か彼方、悠久に広がる青空よりも高く、さらにさらに、 さらにさらに。

人々が未だ到達しきれない場所。 雲一つない青空のもとに顔を表す白い惑星。

 夜の帳がおり、一寸先には広がる闇の世界。


 だが、そんな闇の世界を照らすように存在する天上から差し込むのは黄金色に輝く月だ。

 人々は、各々が、松明を燃やし明かりを確保して闇夜の世界をあるくのだが、松明の明かりだけでは全く心許ない。

 そんなときに、照らされるのが天上の月だ。

 闇夜を歩くものにとっての唯一の心の支えであり、希望である。


 だが、人々にとって言わせれば、この希望の月も、毎日のように形が変わることに不満を抱いていた。


 月の世界の住人にとっては、それは自然の摂理だから仕方ないよ。 とおしえてあげたいのだが、月の世界から地上までの距離は果てしなく遠く、月の世界からの声はついぞ、届くことはなかった。


 




 地上では、日々、早朝からの深夜明け方まにわたり、絶えず光を届けてください。 と願いを込め、歌や踊りを儀式として祈祷をつづけていたが、それも叶わず、ついには、その祈りも月の住人には届くことはなかった。


 当然だが、そんな無駄な行いを続けていた人々はその行為が無駄と知り、月へ対する祈りをあきらめていたその頃でしょうか?


 地上には有象無象のもののけや怪物が蔓延り、ついには、怪人も現れ、人々をさらったり殺したりしていました。


 


一方、地上から遥か遠くの月の世界では、何故か地上の様子がわかり、この先になにがおきるのかをよどうしていました。


 『聖剣はまだできないのですか?』


 月の世界の女神であるツクヨミは言いました。


 『ヘイ、あともうすこしです。おまちくだせい』


 答えたのはウサギの着ぐるみを着込んでた筋肉モリモリの男。

 ごうごうと燃え盛る炎の中で、着込んでいるウサギの着ぐるみを何度ももやしながら大槌をふるっているのです。


 どガーン! ドガーン! ドガーン!

 

まるで、打ち上げ花火が夜空に咲くような騒音をあげています。

 


 『女神様、聖水をおねがいします。』


 そういって、ウサギの着ぐるみを来た男が言うと。


 『ボクノデイイの?』


月のやりくり女神と呼ばれていた彼女は、ウサギの着ぐるみ男に言い返しました。


 『ぁぁ、そうでした。女神様は男の子だったんでしたね。』 

 そういいながら、肩を落とすウサギの着ぐるみ男は長い耳を折らしてがっくりしましたが、次ぎの瞬間、折れていた耳をシャキーンと立たせて気付きました。




 ーーーーー失言!



 どう、これは失言なのです。 月の女神に対するタブー。


 もちろん、それのことを忘れていたウサギの着ぐるみ男は、次ぎの瞬間、氷浸けにされてしまいました。





 一方、地上では、怪人やもののけの王、鬼が現れ、地上を蹂躙しはじめたのです。

 阿鼻叫喚の地獄絵図が、つづきます。

 


 月の世界では、もちろんそのことを察知して、鬼を退治するための聖剣がうまれようとしていたのですが、

 困ったことに、聖剣伝を作るウサギの着ぐるみを着た大男は、凍り漬け。

 さらには、聖水を出さなければならない女神も実は男であったという事実。

 聖剣伝なんて作れるはずがありません。


 ぢかし、月の女神である、つくよみは、『ボクも一応神様ぞくせいだからいいかー』となげやりになり、

 ウサギの着ぐるみ尾が作っていた聖剣伝に自分の聖水を撒き散らしたのです。


 するとどうでしょう?試作途中の聖剣が、まるで命を得たかのように、とびだし、地球へと飛んで行ったのでした。

 ウサギの着ぐるみ男は、凍り漬けにされた中でいいました。


 『まぁ、純粋な聖水じゃなくても、あれは、まごうことなき聖水だからアリだな』 と。


 


 地上に降りた聖剣は、そのまま、人類の勇者の手にわたり、蔓延るもののけや怪人を倒して、さらには鬼をも倒しましたとさ。


 月の世界のウサギの着ぐるみ男はいいました。

『それで、いいのかよ! 』

 言うというよりも全身全霊のツッコミでした。


 『うんうん、めでたしめでたし』


 月の女神は言いました。とさ。


 

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