レッスン!!
三日目ですー
初めてモデルのお仕事をしてから早くも初レッスンの日になった。移動は月島さんが迎えに来てくれ、レッスン教室に行く。
なぜ忙しいはずの月島さんが来てくれるのか聞いてみると「私がるなちゃんのマネージャー業をするからよ」と言っていた。社長なのに事務所は大丈夫なのだろうかと思ったが、私が考えることでも無いと思い気にしないことにした。
レッスン教室につくとジャージを着ている女の人が待っていた。
「るなちゃん、この人がダンスのレッスンを指導してくれる小野先生よ、それとまた別でボイストレーニングのレッスン時間も取っているからまたその時別の人は紹介するわね」
「ダンスのレッスンを任されている小野遙香よ、よろしくね」
小野先生が自己紹介をしてくれたので私も簡単に自己紹介する。
「それじゃあ後はお願いしますね遙香さん。るなちゃんレッスンが終わった頃にまた迎えに来るわね」
そう言って月島さんは出て行った。
「それじゃあ早速始めようかしらと思ったんだけど、るなちゃんは運動とか結構するかしら?」
「いえ、全くといっていいほどしません」
運動は全然しないので即答しておく。
「まあそうよね、アルビノだと簡単にはしたくてもできないかぁ。うん、決めた!まずは少しずつ体力作りから始めましょうか」
そう言ってレッスン初日は無理のないように筋トレやダンスの基礎を教えてもらい練習した。
次の日にはボイストレーニングあり、そこでも私の担当をしてくれる先生を紹介され、基礎の練習などを重点的にした。ちなみにボイトレの先生は斉藤楓さんという女の方だった。
そうして週2回ずつの四日間でレッスンをして、家でも出来る体力作りや発声練習を教えてもらい、私が家でもやっていたら、そらも一緒にやると言って家ではそらと一緒にやる日々をおくるようになった。
そんな毎日を送っていると私は月島さんに「レッスンが終わったら少し話があるから待っていてね」と言われた。
どうしたんだろうと思いレッスンが終わった後レッスン着から着替えて休憩室で座っていると月島さんが少し急ぎ足で来た。
「お待たせ、今日はいいお知らせがあるわよ!」
「いいお知らせ、ですか?」
何のことかわからず首をかしげてしまう。
「えぇ、今度の日曜にショッピングモールのステージに出させてもらえるようになったわ!」
その話を聞いて私は驚いてしまう。
まさかこんなに早くステージに立つことになるなんて思ってもみなかったからだ。
しかもそのステージは私がひかりちゃんと歌った事があるあのステージである。
「でもるなちゃんの持ち歌はまだないから歌ってもらうのはカバー曲となるわ。衣装の方は用意しているから心配しないでね」
私は頷いて返事をする。初めてのステージなんだから頑張らないと、と気合いを入れ遙香さんと楓さんにステージように練習を組んでもらえるようにしてもらおうと思う。
「それと翌週の月曜日はモデルの仕事と、来月にはるなちゃんの新曲が出来上がる予定だから期待していてね!」
月島さんはウインクしながら何気なく私の歌が出来ると言ってきた。
そちらもびっくりはしたが今はそれよりも日曜日のステージがあると心を落ち着け、月島さんに送ってもらい帰宅した。
家に帰り夕ご飯の席で家族に日曜日にショッピングモールで初ライブをすると伝えた。
「お姉ちゃんそれほんと!!」
「えぇ、この前歌った場所でまた歌うなんてちょっとびっくりだわ」
「観に行かなくちゃねー」
「そうだな、るなをしっかり撮れるようにカメラを用意しないと」
お母さんはいつもどおりだがお父さんはなぜか私より張り切っており、そらなんてすでに部活を休む算段を横で考えている。
「お姉ちゃん頑張ってね!!ファン一号の私がしっかり応援してるからね!」
「あら、それじゃあ私は2番かしら」
「な!?それなら父さんは3番だ!」
そんな賑やかな家族と一緒に楽しく楽しく過ごしご飯を食べ終わりお風呂に入る。
お湯につかりながら夕食を食べているときのことを思い出す。
あの後もお父さんはお母さんと一緒に録画するためのカメラのことについて話したり、しっかりデータを残すためにパソコンまで買おうとしていた。
そらはそらで食事中に携帯を触りだし日曜に部活を休むと友達にすでに連絡を入れていた。
それを思い出すとふふっと自然に笑ってしまっていた。
初のステージだけど失敗できないなぁと思う。けどそのおかげで少し気が楽になった気がするし練習もこれまで以上に頑張らないとな、と思い気がついた。
(なんだ、私いつのまにか真剣になってたんだ。そっかぁいつの間にか私アイドルがすきになっていたんだなぁ)
それからのレッスンはいつもよりさらに真剣に取り組むようになり、ダンスや歌だったりと本番に向けて本格的に練習しているうちにあっという間に日曜日の本番の日になった。
月島さんに案内してもらいながら控え室に案内してもらい、梓さんにメイクを施してもらい、芽衣さんに衣装を用意してもらい着替え控え室に行く。
控え室には他にも今日ステージに上がる人たちが15人くらいいた。
私は控え室の中に入り、他の人に見られながらも出番が来るまで椅子に座って待ちながら思う。
(やっぱり私の容姿だと他の人より目立っちゃうのかなぁ)
それから30分ほど待つと私の出番が来たのか、ルナさんお願いしますと呼ばれステージ裏に行く。ステージ裏で私の前の人だと思われる人の出番が終わるのを待つ。
「ルナ緊張しないで大丈夫よ、今まで練習してきたあなたを出してきなさい!」
そう言って月島さんは私を送り出してくれた
そして私の出番になりステージに上がると私が思っていたよりたくさんの人がいて気後れしてしまう。
「どうしたんだ?」
「あの子すっごい可愛くない!?」
「なんか停止しちゃってるけど大丈夫か?」
そんなお客さんの声が聞こえてくるがこんなにたくさんの人に見られたことがなくフリーズしてしまっていると、
「お姉ちゃん頑張れー」
「ルナー、応援してるぞー」
とそらとお父さんの声が聞こえてきてそちらを向くと、お父さんたちが応援してくれていた。その横ではお母さんが笑顔で手を振ってくれているのを見て緊張がほどけたような気がした。
(そうだよね、せっかくお父さんたちが来てくれてるんだ、しっかり成功させよう。今までやってきたことを出したらきっと大丈夫、頑張れルナ!来てくれたお客さんにも笑顔で楽しんでもらうんだから!)
そして私の本当の初ライブが始まった。
ルナちゃん呼びは意図して変えています。
アイドルとして活動するときはルナ、日常ではるなになります!
そしてついにルナちゃんの初ライブ!次回にこうご期待です!!