プロローグ、いつしか我は
シリアスなのは最初だけ
ーーー頭に響く声、歯を食いしばる俺…
「てめぇ、みたいなブタ、生きる価値ないだろ、」
笑いながら奴が言う。奴曰く、俺は居なくて良い存在らしい、
笑える、何が友達だ。ちょっとした事でこんな風に裏切れるんだから、
「あはは!豚は豚らしくブーブー鳴きなさいよ!!オラっ……!!」
蹴り付けられ、踏みつけられ、蹴っても蹴っても終わらない、
「ぐっ……」
痛い?痛いのか…?もう何も分からなくない……
痛覚がおかしくなってるのか?いや、そもそも、なんで蹴られてるんだっけ?
ふいに、頭に過ぎる疑問、もはや、その答えはあやふやな灯火みたいに、形が無い物だった。彼奴らにとって、もう、きっと俺を殴る理由さえあれば良いのだろう。
「あはははははは!!見たかよ、こいつ泣いてるぜ?」
泣いてるか……、教師も俺が蹴り飛ばされているのを傍観しているだけ、周りもそれに便乗して笑ってる、これを、泣くなって言う方が困難だろうが。
立ち上がろうとする度に体を蹴られた。殴られた。踏まれた。パターンは同じ、また蹴って殴って踏む、蹴って殴って踏む、蹴って殴って踏む、
「…………ゔ…ぁ、……」
声が出ない、痛みなんてのは無い、苦しいだけだ、口の中が鉄の匂いが充満する。
我慢だ我慢、今はそれしか出来ないんだから、俺は歯を食いしばる。
そしてまた、蹴りが飛んできた。
☆☆☆☆☆
ーー"自らの手で世界は、どんなに残酷にも端麗にもなれる。お前は…私の可能性の形だ。"
親父はいつもそう言っていた。
重かった。親父の大きな手は俺の手を包む様に握りしめる。きっとその手には願いが詰まっているのだろう。こうであれ、こうであれ、………勝手だよ。
俺に意見なんてない。俺に詰める思いなんてない。俺は何も望まない、欲さない無い、何にも飢えない。俺に自我はない。
何も無い。
何も無い。
感情はいつだって上っ面だけだ。他人に付いていくただのカカシ、
そんなの必要がない。俺が必要としない。
いらない、いらない、いらない、いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない………!!
ただ、黒い世界が俺を襲う。
☆☆☆☆☆☆☆☆
きっと正しい事なんかない。
夢は夢のまま、
涼しげに聞く音声は、いつしか夢になった。
夢は影に、
心は沈む
おゝ、それはまさにケモノ、幻獣の如く我は鳴く。
意味が分からないって?
うーん今に分かる気がする。それは我の国語力次第