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ダイアリーズ -daily is die early-  作者: ヨシオカ タツキ
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3-3 百万喰らい・・・ワニ

 わたしの食欲はとどまるところを知らないようでした。三歳になるときには、白ご飯は一食一升、総菜は親族の食事からお手伝いさんのまかないに至るまでのものを全て足しあわせたくらいの量を食べていました。これが三食続くのであれば我が家は一気に衰退してしまいます、そうならないのはいかんせん、わたしの口が小鳥のくちばしほどに小さく食べるのに時間がかかるからなのです。目の前の大量の食材を一切休み無く(実際その通りでしたが)口に運んだとしても、食事の速さはわたしがびりでした。お手伝いさんなんて男の人を置き去りにして一番に食べきって部屋を出て行ってしまうのに。このときのわたしはこの一食を食べきってしまうのに二時間くらいかかっていて、さらに一度食事をしてしまえば二日は何も食わずともお腹は空きませんでした。それでも食べようと思えば食べれたのですよ。でもわたしが大食らいになってから急にお手伝いさんに暇を出すことが増えたのです。しかもわたしがだいすきだった、人一倍ドジで仕事はへたっぴだけど、色白で目が優しすぎるくらい細いお手伝いさんがいなくなってしまって、あれはショックでした。そのおかげで次の食事のときに食べる量が減ったのですが、誰も気がついていません。というか、最近ではママ以外あまりわたしにかまってくれなくなりました。そのママですらわたしと工作をして遊んでいる最中に上の空で部屋の隅の暗いところを眺めたり、予告無く長く目をつむってしまうときがあります。「見てて」って何度も言ってるのに。わたしを産んだこと、ママは後悔しているのかな?

 わたし、ほんとはごはんなんて食べたくない。

 パパとママが喜んでくれたから。

 もうやめにしちゃいたいのに。

 でも、おなかがが熱くてたまらないよぅ…

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