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クロスチェンジ  作者: 緑ラン
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ジュリアがいなくなった日

ジュリアとおじいさんを乗せた船は1日程漕ぎ続けてようやく大陸が見えるところまで来た。

大陸が見えてくるとおじいさんは改めてジュリアに釘をさす様に言った。

「いいかジュリア?本当にワシのそばから離れちゃいかんからな。もしいなくなって何かあったとしてもワシは知らんからな。」

船は大陸の端にある港町の付近まで来た。

おじいさんは港に船を着ける為に準備に入った。

船を港に着けるとおじいさんがジュリアに言った。

「さぁ、陸に上がろう。いいか?本当にワシのそばから離れちゃいかんぞ!分かっとるな?」

するとジュリアが笑顔で言った。

「大丈夫!離れないよ!さぁ早く上がろうよ。」

話が終わるとジュリアとおじいさんは船を降りて陸に上がった。

陸に上がるとまずおじいさんの用事の靴の材料を買い付ける為の店に向かった。

店の前に着くとおじいさんはドアを開けてジュリアに言った。

「お前も入れ。1人で外を歩き回らせる訳にはいかんからな。」

ジュリアは外を見てみたかったがここでおじいさんの言う事を聞かないと面倒なので、大人しく言う事を聞く事にした。

「分かったわ。入りましょう、じゃあ……。」

ジュリア達が店に入ると店の店主がこちらを見て話しかけてきた。

「いらっしゃい!……やあ!しばらくじゃないか!どうしたんだい今日は?」

するとおじいさんが店の店主に言った。

「ああ……今日はいつもの材料を買い付けに来たんだけどね。いいかい?」

「ああ…ちょっと待っていてくれよ。今持って来るから。」

そう言うと店主は材料を探しに店の奥の方へと入って行った。

店主が材料を探して戻って来るとおじいさんに聞いた。

「今日はどれ位必要なんだい?」

「ああ……いつももらってる量と同じで大丈夫だ。」

「そうかい。分かった。ちょっと待っていてくれよ。」

店主は材料を袋の中に詰め出し、その作業の最中におじいさんに言った。

「かわいい子だねー。お孫さんかい?」

するとおじいさんは苦笑いを浮かべながら首を横に振り言った。

「いやいや違う違う、ちょっと近所の子が付いてきたいと言って聞かないんでな……仕方なく連れてきただけの事だよ。」

「あー……そうなんだね。」

そうこう話しているうちに店主は材料を袋に詰め終わっておじいさんに渡した。

「はい、これ。ちゃんとあるか確かめておくれよ。」

おじいさんは袋の中を確かめると財布からお金を取り出して店主に渡した。

「ちゃんとあるよ。じゃあお代だ。」

お金を確かめると店主が笑顔で言った。

「はい、毎度あり!またよろしく頼むよ!」

「ああ、ありがとう。また来るよ。」

店から出るとおじいさんはジュリアの方を見て言った。

「さてと……今から船に乗ってもすぐ夜がきてしまうな。今日は町の宿屋に泊まって明日の朝早くに出発しよう。それまでにどこか行きたい場所に行っておくといい。行きたい場所はないのか?」

おじいさんに突然聞かれたのでジュリアは困った顔をしながら言った。

「突然言われても……どこかに行きたいって決めて来た訳じゃないから……どうしようかな……?」

「そうか……まぁいい。とりあえず宿を取る事にしよう。その後ゆっくりと考えればいいさ。」

おじいさんはそう言うと宿屋に向かい、ジュリアは黙って付いていった。

宿屋に着くと受付で美人の女将が出迎えてくれた。

「はい、いらっしゃいませ!お2人様ですか?」

するとおじいさんが女将に言った。

「ああ、2人だ。部屋を取ってもらえるか?」

「かしこまりました。お2人一緒の部屋でよろしいですか?」

するとおじいさんがジュリアの方を見て言った。

「どうする?別々の部屋がいいか?」

ジュリアは首を横に振って少し笑みを浮かべて言った。

「別に気にしないよ。一緒でいいよ。」

するとおじいさんは女将に言った。

「そうか。じゃあ同じ部屋でいい。案内してくれ。」

「かしこまりました。それではお部屋にご案内いたします。」

ジュリア達は女将の案内で部屋に向かった。

「お部屋の方こちらでございます。何かありましたらフロントの方までお申し付け下さいませ。」

案内された部屋に入ると、おじいさんがジュリアに言った。

「さぁお前は少し外で遊んでくるといい。ワシは夕飯の時間まで少し休む。この近くまでだったら行ってきていいぞ。あまり遠くに行かんようにな。」

するとジュリアが嬉しそうに言った。

「本当に⁉︎じゃあ行ってきてもいい?」

「あぁ……あまり遠くへは行かんようにな。遅くなるんじゃないぞ。」

「分かった!じゃあ行ってきます!」

そう言うとジュリアは嬉しそうに部屋を出て行った。

おじいさんは微笑ましい顔でそれを見ていた。

それから夕食の時間になってもジュリアが戻らなかったので、おじいさんは町の中を探し歩いたがジュリアが戻って来る事はなかった。

おじいさんは次の日もジュリアを探し回ったが流石に何日も町に居続ける事は出来ないと思い、一旦フサンダールに戻って仲間に知らせる事にした。

フサンダールの仲間はその港町に行くとジュリアの事を聞いて回ったが、結局ジュリアが見つかる事はなかった。

そしてジュリアがいなくなった時から20年の月日が流れた。

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