新たな日
ファビオはアラン達と一緒にレールムへと戻った。
レールムに戻ると兵士達が急いでファビオの下へ寄ってきた。
「陛下……!ご無事ですか……?お怪我はございませんか……?」
ファビオは兵士達が怯えているのが分かり、それを止めさせるために気にしていない素振りをした。
「良い……!別に気にするでない……!」
すると兵士の1人が怯えながら返事をした。
「そ、そうですか……。」
すると他の兵士がファビオの周りにいるアラン達が気になったのかファビオに聞いた。
「……あの……陛下……その周りにいる方達は一体誰なんでしょうか……?」
するとファビオが兵士達に言った。
「あぁ……。……この方々には先程助けて頂いたのだ……。私が本当に危ないところを助けてくれた私の命の恩人だ。最高のもてなしをして差し上げろ!」
ファビオのその言葉に兵士達は勢いよく返事をした。
「ははっ!かしこまりました!それでは城の中にご案内致します!」
アラン達は兵士達に連れられて城の中に行こうとしていた。
その時ファビオがアラン達を呼び止めて言った。
「明日、王宮の方まで来てくれないか……?話がある……もちろん君達との約束は必ず守る……。ただ今日は本当に疲れた……少しゆっくりさせてくれ……。また明日会おう……本当にありがとう……。」
アラン達はファビオに返事をしようとしたが兵士達がこちらを見ているので話す事が出来ず、小さくうなずいてファビオと一緒に城の中に入って行った。
次の日ファビオはアラン達を王宮で待っていた。
ファビオアラン達が望んでいる事を聞くとその望みを全て叶えた。
アランは財宝が欲しいというのでそれを渡した。
ジャックは財宝と住む場所が欲しいと言うので、財宝を渡しレールムの城の中に住まわせる事にした。
レイシアにも聞いたがレイシアは何も望まなかった。
レイシアが小さな声でまた謝るとファビオは首を横に振ってレイシアの事を許した。
そしてアラン達の願いを全て聞き入れるとファビオはロックに王位を譲ると皆に告げた。
それから5年の月日が流れた。
レイシアはジュリアに入れ替えられた人達を元に戻すために旅をしていたが、レイシアももう年なので代わりの人物がレイシアに代わって旅をしていた。
「おい、ジャック!早く来いよ!ここからもう少し先に行った所に休憩出来る町があるからさ!」
「おい、待てって……てゆーか何で俺が行かなきゃいけないんだよ……?」
「グダグダ言うなよ!王様の命令なんだろ⁉︎早くしろよ!」
「……まぁそうだけどよ……チッ。おい、さっさと次の町に行って休憩しようぜ!おい、行くぞ!アラン!」
「あぁ……おい、ちょっと待てよ!ジャック!おい、ちょっと待てってば!」
レイシアが作ってしまった魔術書は色々な人の運命を変えてしまったのかもしれない。
彼女の何かと入れ替わってみたいという考えが多くの人々の幸せを奪ってしまった事は変えようのない事実かもしれない。
人は時には自分の事がイヤになるかもしれないし逃げ出したくなる時だってある。
それでも自分の本当に望んでいる答えを知っているのは自分だし、それは他の誰かに求めても手に入れる事は出来ないのかもしれない。
それは自分自身の人生を生きる事で初めて分かる事なのかもしれない。
他の誰かの事を気にして生きる事ではなくあなたの人生を生きる事で、あなただけに用意された事があなたの事を迎えに来てくれるのかもしれない。




