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クロスチェンジ  作者: 緑ラン
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レイシアの後悔

次の日の朝アランが起きてリビングに行くと父はすでに仕事に出かけていて姿はなく、エミーが台所で朝食の準備をしていた。

アランがリビングに入って来たのを見つけるとエミーがアランの方を見て言った。

「起きたわねアラン。ちょっと待って、今朝ご飯の準備をするから。」

そう言うとエミーはすでに出来上がっている物を皿に盛り付け出した。

エミーは手際よく朝食の準備をしてテーブルに運んだ。

アランはテーブルの上に料理が並ぶと朝食をとりだした。

アランが朝食をとっているとエミーがアランに話しかけてきた。

「ねぇアラン、今日はおじいちゃんの所でいつもの仕事よ。早く食べないと遅れちゃうから今日は早く支度しなさいよ。いいわね?」

「ああ、分かってるよ。今日はちゃんと遅れずに行くよ。」

アランは少しだけ急いで朝食を食べていた。

エミーは仕事に行く前の準備を済ませた後、アランが朝食を食べ終えるのを待っていた。

アランは朝食を済ませた後準備が終わるとエミーの所まで行った。

「準備出来たよ。早く行こう。」

「今日は遅れずに済んだわね。偉い偉い。さぁ行きましょうか?」

「何だよ……いつまでも子供扱いするなよな。」

「あら、それじゃあちゃんと自分の事は自分で出来るようにならなきゃね。朝自分で起きれるようになるとかね。ほら、のんびりしてたら今日も遅刻しちゃうわよ。早く行きましょう。」

エミーに急かされて家を出た後アラン達は少し急いで牧場に向かった。

アランは昨日ジャックから聞いた話がまだ気になっていた。

アランがまだ小さかった頃レールムの話になった時にレイシアが少し動揺していたからだ。

アランにとってレイシアはいつも落ち着いていて慌てたところをあまり見た事がなかったので、少し驚いてしまってレールムという名前がやけに印象に残っていた。

アランは仕事が始まる前にレイシアの所へ行って昨日の話をしようと思っていた。

アラン達が牧場に着くと、アランはレイシアに会いに行こうと思いその事をエミーに言った。

「母さん、ちょっとおばあちゃんの所へ行ってくるよ。ちょっと会って話したい事があるんだ。」

「おばあちゃん?ええ……いいけど。何なの?話したい事って?」

「うん、まぁちょっとね……おばあちゃんどこにいるのかな?」

「そうね……まだ家の中にいるんじゃないの?でも何なのよアラン?おばあちゃんに話したい事って?」

「……何だよ……別にいいだろ?」

「もうこの子は……いいわ。じゃあ母さんもおばあちゃんの所まで一緒に行くから。ほら、行くわよ。」

アランはエミーと一緒におじいさんの家に入った。

家の中に入るとエミーが大きな声でレイシアの事を呼んでいた。

「母さーん!ねぇ母さーん!どこにいるのー?アランが母さんに話したい事があるんだってー!」

その言葉が聞こえたレイシアがリビングからアラン達がいる玄関の方へとやってきた。

「どうしたの一体?アラン、何かあったの?」

するとアランが気まずそうに言った。

「ああ、ちょっとね……ここじゃちょっと話しづらいかな……。ねぇ、おばあちゃん。大事な話なんだ。2人で話せない?」

「2人で?ええ、いいわよ別に。それじゃあ外に出て話しましょうか?」

「うん、分かった。じゃあ行こう。」

アランとレイシアがその場から離れて行こうとするとエミーがアランに言った。

「アラン!お小遣いが欲しいとかは無しだからね!今もらってる分でちゃんと我慢しなさいよ。分かった?」

「違うよ!別の話だよ!」

「本当かしら……まぁいいわ。じゃあ母さんおじいちゃんの所に行ってるからね。終わったらちゃんと仕事場まで来なさいよ。お母さん、アランの事よろしくね。」

「ええ、分かったわ。あなたはお父さんの所へ行ってなさい。」

「はいはい、じゃあ私は行くわよ。アラン、ちゃんと話が終わったら仕事場に来なさいよ。」

「分かってるよ!終わったらすぐ行くよ。」

エミーがおじいさんの所に向かうとレイシアがアランに言った。

「じゃあアラン、行きましょうか?」

レイシアはアランを連れて家の外に出た。

そしてエミー達に聞こえないように家から離れた場所まで来るとアランに聞いた。

「ここなら聞こえないから大丈夫よ。それで?アラン、話って何なの?」

アランは聞きづらかったのかしばらく黙っていたが、少し経つと思いきって聞いた。

「あのさ、俺昨日父さんの手伝いで隣町まで行ったんだけど……。」

「ええ、おじいちゃんから聞いてるわよ。それで?何かあったの?」

アランはやはり聞きづらいと思ったのかまた少し黙ってしまったが、少し間を置いて思いきって聞いた。

「あのさ……昨日橋の下でずっと川を眺めているおじいさんがいてさ……それでそのおじいさんの事を昔レールムの王子だったとか入れ替わったみたいな事を言うやつがいてさ……。で、まぁそれは嘘だとは思ったんだけど。何かおばあちゃん昔レールムの話をしてる時いつもと違う時があったでしょ?それで、まぁ何か知らないかなぁって思って……。」

「……!」

レイシアはアランの言った事を聞いてある事を思い出し、言葉が出なかった。

(……レールム……まさか⁉︎……確かジュリアはあの時王子を入れ替えて裏から操るみたいな事を言ってた……。それじゃあその人は本当の王子だった人……?ああ何て事……私はあの魔術書でまた不幸な人を作ってしまっていたの……?)

レイシアが黙って考え事をしているとアランが話しかけた。

「……おばあちゃん?どうしたの?」

するとレイシアはアランの言葉で我に返ったのか気を取り直して言った。

「ああ……何でもないのよ、別に。それで?そのレールムだったっていう人がどうかしたの?」

アランはいつもと違うレイシアの態度が気になったが、この場はこれ以上追求しない方がいいと思ったのか話を逸らす事にした。

「いや、別に……。ただ昨日偶然見かけたからさ、そういう人。だからおばあちゃんなら何か知ってるんじゃないかと思って聞いてみただけだよ。」

「……そう……分かったわ。教えてくれてありがとね。でもおばあちゃんは何も関係ないのよ。ごめんなさいね……。」

「……そうなんだ。分かった!じゃあいいよ、もう。ごめんね、急に変な事聞いて。」

「ううん……大丈夫よ、別に。」

アランはこの場にいる事が気まずかったのか他の所に視線を移しながらレイシアに言った。

「おばあちゃん、俺そろそろ戻るよ。もう仕事も始まるかもしれないしさ。」

「ええ、分かったわ。今日も1日頑張りなさい、アラン。」

「あぁ、分かったよ。じゃあ行くね、もう。」

そう言うとアランはエミー達がいる所へと向かった。

レイシアはあの魔術書を作ってしまった事をずっと後悔していた。そしてもし被害にあった人間がいたら償いたいと思っていた。

レイシアはアランが言っていた老人に会いに行く事を決めた。アラン達が仕事を始めるのを待って誰にも気付かれないように行く事にした。

そしてアラン達が仕事を始めて近くからいなくなると厩舎から馬を一頭連れてきた。

レイシアは誰かに見られていない事を確認した後、レールムの王子に会いにラグダナへ向かった。


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