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クロスチェンジ  作者: 緑ラン
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ポールの不安

ジュリアが亡くなってから3カ月の時が過ぎようとしていた。

ポールはあれだけ干渉してきたジュリアが突然いなくなったので不安に感じ、何か起きるのじゃないかと毎日落ち着かない日々を過ごしていた。

ポールはジュリアの住んでいる場所も教えられておらず探そうにも探しようがなく、いくら待っても現れないジュリアの事を考えると不安で頭がおかしくなりそうだった。

ポールがずっとジュリアの事を考えていると、ある時ジュリアと昔一緒に行ったフサンダールという場所の事を思い出した。

(……あそこだ。もうあの場所しか確かめようがない……。とにかくあいつにバレないようにあの場所を確かめさせないと……。)

ポールはフサンダールを探す事を決めた。

ジュリアの話でフサンダールはそこに住む者以外誰も場所を知らないと聞いていたので、ポール自身が部下を連れてフサンダールまでジュリアの所在を確かめに行く事にした。


次の日ポールは城の者に自分の信頼出来る部下を30人程連れて王国の外を探索に行くと告げた。

城の者達はポールの突然の言葉に当然驚いて、王国の外に出る事に反対したがポールは聞こうとはしなかった。

レイラもポールが城から出る事を不安に思って反対したが、ポールはそれすらまともに取り合おうとはしなかった。

「あなた、どうしてなんですか……?そのような事は城の者に任せればいいではありませんか……?わざわざあなたが行く必要なんて本当にあるんですか?どうしてなんですか……?」

レイラがそう言うとポールは取りつくろうようにして言った。

「いや、今回の件どうしても自分の目で確かめたくてな……。お前にも迷惑かけるが留守の間よろしく頼むぞ。」

するとレイラは心配そうな顔をしてポールに聞いた。

「あなたが本当に行かなきゃいけない事なんですか……?私にも言えない事なんですか……?」

ポールは早く話を終わらせようとしてレイラになだめるように言った。

「ああ……済まない……。どうしても自分の目で確かめたいんだ。何、心配いらんさ。すぐに帰って来るよ。」

ポールのその言葉を聞いたレイラは辛そうな表情を浮かべて無理矢理笑顔を作った後、最後は訳ありげに言った。

「……そうですか……分かりました……。そこまで言うんだったら私達にはどうする事も出来ません……でも決して無理はなさらないで下さいね。あなたに何かあったら私達が困るんですから……。私もジョージも……それにロックも。」

ポールはこんな時にロックの話をするレイラに怒りを覚えたがレイラとの仲を考えると怒りを収めるしかないと思ったのか、出来るだけ感情的にならないように普通の態度で接した。

「ああ……そうだな。まあすぐに戻るさ。」

レイラはポールな態度があまりにそっけなく、ロックに対してまた取り合おうとしない事に相変わらず不信感を感じていたが、この場はこれ以上追求しても無駄だと思いそれ以上話す事はなかった。

ポールとレイラの話が終わったのを確認した大臣が物凄い勢いでポールに迫った。

「陛下!何故なんですか⁉︎何故陛下自ら危険にさらされる事をしなければならないのてすか⁉︎探索ならば兵に任せておけばよろしいではありませんか⁉︎それを……どうして陛下自らがそのような事をせねばならぬのですか⁉︎陛下!何卒……何卒考え直してくだされ……!」

ポールは面倒だったが騒ぎを大きくしないように大臣にも取りつくろいながら言った。

「ああ……そなたにも迷惑かけるな。だが今回の一件は私が自ら行くと決めたのだ。他言は無用だ。そなたには私が留守の間をよろしく頼むぞ。」

「陛下!私にも言えない事なのですか……⁉︎どうしてなのですか……?」

「ああ……何、心配はいらん。少し確かめたらすぐに帰って来るさ。その間よろしく頼んだぞ。」

「陛下……分かりました。私では陛下のお役に立てそうにありませんか……ならば陛下がいない間せめて城の事はお任せ下さい。陛下は無事目的を果たした後無事に戻って来て下され。」

「ああ……分かった。では後の事はよろしく頼んだぞ。」

「ははっ!分かりました。ではお気をつけて行って来て下さい。」

ポールは大臣に城の事を任せた後、自分は城の兵士を連れてフサンダールへと向かった。

ポールと兵士達はフサンダールへ向かう船に乗り込んでレールムから出発しようとしていた。

「陛下、この船はどちらに向かえばよろしいのでしょうか?」

「ああ……私が案内する。とりあえず出発してくれ。」

「はっ!かしこまりました!」

ポール達を乗せた船はレールムの港を出てフサンダールへと出航した。

うろ覚えではあったもののポールは昔の記憶を頼りに兵士に指示を出しながらフサンダールを目指していた。

途中記憶が合っているか不安になる事もあったが、ポールの記憶の通りに向かっていると、やがてフサンダールの島が見えてきた。

(あったぞ……!あの島だ!あの島にいなければおそらくもうあいつの手がかりはない……とにかくあの島をしらみつぶしに探すしかないな……。)

ポールはフサンダールが近づいてくると上陸する準備を始めた。

船はそれから間もなくしてフサンダールに到着した。


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