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月下の一群

彼岸花

作者: 濱野乱

君の毛細血管いつ売るの。秋真っ盛りだからって。

君はいつもひとりで泣いてる。たまには僕らに微笑んで、見せとくれ。

笑った笑ったこら泣いた。


鉛で化粧をするもんだから、ヒビ割れ身割れ卒倒もの。大往生したじい様の手向けになることだろう。


毛細血管から真鍮の血が流れる。

地に涙溜め、血の池にモグラかどわかす秋の夕暮れ。牡丹岩。


蛆 屍 大僧正。君の知り合いはこれだけだ。


泣いても泣いても岸は遠のくばかりと君は言う。


金切り聲を枕にし、今夜も毛細血管、僕らのために露零す。


春が来るまで一緒に泣いてあげようと寄り添う優しい花なのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言]  葵枝燕と申します。  『彼岸花』、拝読しました。  最初の「君の毛細血管いつ売るの。」が衝撃的でした。
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