第4話 冒険者ギルド
前回、後書きにギルドマスターと話すと書きましたがそこまで行きませんでした。すみません。今回は受付嬢とのやり取りです。
夜は周囲から変な目で見られながらもギルドの前へと来ていた。
ギルドとは、ちょっとした暴れん坊が多い魔物を討伐することを専門としている機関のことだ。
人によっては野蛮だと思っている人もいる。
それもそのはず魔物だとしても生命を奪う事を厭わない金のためならいくらでも殺すそういった考え方もできるのだ。
だからと言って金がない人がちゃんとした職に付けず困っているのにお金を稼ぐなという方がおかしい。
だから害のある魔物を討伐して人々を助ける、職がない人は冒険者で稼げてという感じで創られたのがギルドだ。
夜はとりあえずは入ってみることにした。中に入るとギルドは意外と広く至る所に椅子や机が並べてあり、そこで冒険者たちが腰に剣をぶら下げ酒と思わしき物を飲みながらバカ騒ぎしていた。
そんな中を通って奥にある受付へと足を運んだ。
話しかける前に自分が話していても警戒できる範囲の受付に近い長椅子に少女をそっと寝かせると、3人の受付嬢が奥におり夜は真ん中の受付嬢へと話しかけた。
「すまない、ギルドへの登録をしたいのだが今持ち合わせがない。討伐した魔物の素材を換金したいのだがいいか?」
たんたんと夜が言うと受付嬢がにっこり笑って丁寧な口調で話し始めた。
「こんにちは!私はここの受付嬢をしております。ミルと言います!よろしくお願いします。さて、先ほどの質問ですが可能です。換金したい素材をこちらにお願いします。」
そう言うと、ミルと名乗る受付嬢はカウンターの下から少し大きめの箱を取り出して中に入れるよう促してきた。
だが、夜が換金するのはワイバーンの尻尾しかない。よっていくら大きな箱でも流石に入らなかった。
「悪いんだが、これじゃあ入らない。かなり大きいのだがどうすればいい?」
と聞くとミルが不思議そうな顔をして
「ですが、そのような物はお持ちでないようですが?」
と疑問を口にした。そこで夜は何が言いたいかを察し答えた。
「なるほど、まぁ珍しいから見たことがないかもな。素材はここに入ってるんだ。」
そう言って腰に巻いているポーチを指さした。それでもミルは納得いっていない様子だったので夜が答えをいうことにした。
「えっとだな。これは、アイテムボックスなんだよ。」
「え?アイテムボックスですか?」
アイテムボックスは一生に一度見れるか見れないかの代物でそんな物が目の前にあることにミルは半信半疑だった。
夜は試しにアイテムボックスから刀を取り出してみる。
「え!?まさか本当に!?」
「嘘をつく必要は無いからな。本当だぞ。」
「申し訳ございません!疑ってしまい!」
「いや、気にするな。誰だってアイテムボックスがここにあるなんて言われたって信じるわけがないからな。謝る必要は無い。」
夜がそう言うとホッとした様子で冷静な態度に戻り
「本当に失礼しました!それでは素材というのは、どういったものでしょうか?」
やっと本題に入ることができた。そしてその問に夜は
「これなんだが、どこに置けばいい?」
と言いつつアイテムボックスからワイバーンの尻尾を取り出すとミルは驚き
「へ?ワイバーンですか?」
と気が抜けた言葉が帰ってきた。
「あぁ、そうだが?何かおかしいか?」
「あ、いえ、先日ワイバーンが1体「魔の森」にて確認されていたのでビックリしてしまって」
「なるほどな、それならこれだが?」
「魔の森」で確認されたワイバーンとは間違いなく今手元にある尻尾のことだ
「え!?じゃ、じゃあ!「魔の森」を凍らせたのは貴方なの!?」
「え?あ、あぁ、あれはやり過ぎてしまったけれどな。あそこまでやる予定はなかった。」
突然迫ってきたミルに夜は驚き動揺しつつも答える。すると、物凄い勢いで
「すみません!ここで待っていてもらえません!すぐに戻りますので!」
と言いカウンターから出て2階に上がっていってしまった。
残った夜だがまたもや居心地が悪くなっていた。
どうやら先ほどの会話を聞いていたらしい冒険者たちが好奇な目でこちらを見て、色々と噂をしていた。
とりあえずはミルが帰ってくるまで、気絶している少女の元へと行き空いているスペースに腰をかける。
そして冒険者たちの噂話に耳を傾けた。
「おい、あいつ「魔の森」凍らせた奴だってよ」
「馬鹿言え、あんな坊主が出来るわけないだろ。しかも、氷の魔法なんて誰が信じるかよ」
「でも、こんな遠くでも物凄い魔力を感知した人だって沢山いるんだぞ?その後に「魔の森」が凍ったんだからやっぱり何らかな魔法じゃないか?」
そんな事を男達の中では噂されていた。
夜は物凄くビックリしていた。
(そんなに魔力出したか?こんな遠くまで魔力を感知できるほどの魔力って相当だよな?)
と考えビックリしている。他にも情報が入手できると思い、女の冒険者内の方へと耳を傾けると
「あの子、すごい美少年じゃない!?」
「確かに可愛いわね」
「強くてかっこいいなんて、憧れるよね〜」
「ねぇ、あの横で寝てる女の子彼女さんかな?」
「あんなにボロボロでどうしたんだろ?」
などと変な話をしていた。流石に美少年と言われて悪い気はしないが照れくさくなった。
それに一目惚れした少女と付き合っていると思われて内心すごく嬉しがっている夜だった。
そんな会話を聞いていると2階からミルが物凄い勢いでおりてきた。
「すみません、えぇ〜と」
「夜だ」
「ごめんなさい!ヨルさんには2階に行き、ギルドマスターに会ってもらいます」
といきなり強制されることになった。
何故会わないといけないのか疑問に思った夜は聞いてみることにした。
「何故、ギルドマスターとやらに合わないと行けないんだ?」
「すみません、事が事なのでこの場では詳しくは話せません」
と言い返され、真剣そのものの顔をしている彼女に負け、断れずにオーケーすることにした。
「はぁ〜、わかった。ただ彼女も部屋に行っても大丈夫か?寝ているので、よっぽど聞かれることはないと思うが?」
と少女を心配してミルに聞くとにっこり笑って
「えぇ、大丈夫です。それでは早速行きましょう」
ミルに案内されながら2階へと上がっていった。
読んでいただきありがとうございます。今回は受付嬢とのやり取りだけでしたが次はギルドマスターとギルドの説明になります。
少女)……いつまで眠ればいいの?
作者)……ごめんなさい、もうちょいお願いします。