第24話 決意の数々
天災編も盛り上がってきましたね。本当に書くのが楽しいです!これからも頑張って書いていきますので最後まで読んで下さると嬉しいです!
「神獣討伐をしてもらいます!」
そんなルノアの言葉にその場にいた全員が恐怖した。
もちろん、ティアと夜も例外じゃなかった。
とは言ってもまだこの2人は恐怖はしても冷静だった。
(さて、神獣退治ときたか……正直に言って今回のは流石にやばい。俺は絶対に駆り出されるだろう。もちろんパーティーのティアもだ。それだ、それだけは避けたい。俺はどうなってもいいがティアだけは行かせたくない。もしその願いが叶わないのなら命懸けで誰の命よりも優先的に守るしかない。)
夜が恐怖していたのは自分の死ではなくティアの死だった。
いくら夜が強いからと言って天災級の化物と戦うのだ。
この場にいる全員を守り通せる訳では無い。
なら自分の命より周りの命より自分の好きな人の命を優先させるべきと夜は考えていた。
だがそれでも夜の命一つで助けられるかと言われたら決してそうではない
ならその可能性を一つでも潰そうと参加させたくないのだ。
一方ティアの気持ちも同じであった。
(………神獣の討伐。無理、勝てない。なら夜だけは死なせない。私が守る。)
そう夜だけではなかった。
ティアも考えていることは同じだった。
自分の好きな人を死なせるなら自分が身を呈して守る。
それは2人の中で決定事項だった。
ティアの場合は夜が参加無効という事は出来ないと分かりきっていることで身をもって守ることだけを考えていた。
お互いがお互いをどう思っているか知らず考え込む2人。
2人が考え込んでいる時に一人の冒険者が叫ぶ。
「お、おかしくねぇか!?この王国の冒険者だけで行くのか!?騎士団は、騎士団共は行かないのか!?」
「そ、そうよ!こんな人数で相手に出来る魔物じゃないでしょ!」
「そうだそうだ!」
「なぜ俺達だけなんだ!」
冒険者達が恐怖のあまり文句をつけだした。
だがその通りなのだ。
確かに魔物を狩ることを仕事している冒険者達が魔物狩りをするために駆り出されるのはごく普通のこと、当たり前のことだった。
だが今回は王国の危機ということもあり、王国を守るための騎士たちが出てきてもおかしくないのだ。
それに神獣相手に王国がいくら冒険者が多くてもそんな数だけで足りる相手ではないのだ。
(確かにおかしいな。王国側はどうして騎士団を出さない?いや、俺ならわかることだな。多分兵力を減らしたくないからだな。あれのために温存か?だが、逆にデメリットになるのでは?まぁ、そんな事はいい。セカンドが来たことで送る必要がないと判断したか?はっ、まぁどっちみち今度お仕置きする予定だからな。今度がいつかはわからんが……いや、そんな日はもうこないかもしれないな。笑えない冗談だ…)
あれとは王国の裏の話である。
それは王国の一部で行われている可愛く言えばいたずら、悪巧みである。
本当にイタズラなんかではぬるい、ぬる過ぎるぐらい酷いものだが今の段階では夜も動きようがなかった。
夜は王国政府との関わりは面倒だからと避けようとしていたが、ティアと自分の障害が少しでもあるなら取り除きたく思い、時期が来たら動こうとしていた。
今の夜はこの状況に不思議だと思われることがたくさん出てきていた。
夜が冒険者達の抗議を気にせず考え込んでいるとルノアが口を開く。
「君たちの言っていることはご最もだわ。でも、私が抗議しても何も対応してくれなかったの……」
「………」
「そ、そんな…」
ルノアールの言葉に皆が絶望した。
この場にいる人たちだけで戦えと言われて、死を覚悟しない方がおかしなことだった。
夜は負けることなど考えていない。なんて言えば嘘になるがそれでも夜の今回の戦いはティアの護衛だと決めているのだ。
夜が負けることは許されない状況にあった。
(俺は少なくとも死んではダメだろうな。ティアの事もそうだがセカンドが死ぬのは皆の戦意に関わってくる。俺が死んだとあれば皆の精神がやばい。勝つ為ではなく負けない為に行く戦いだな。絶対負けない!)
夜はそう決意心の内で決意しているとルノアが弱々しい声で口を開く。
「もう仕方ない事なのです。これがいかに理不尽かわかっているわ。かつて一体で国一つを簡単に滅ぼした神獣。そんなのを相手にしなくてはならないの。だから……」
「だからそんな弱気でいるな。」
「「!?!?」」
ルノアの言葉の途中で急に割り込んできた一人の少年に一同驚く。
そんな少年の正体は夜だった。
夜はそのまま続けて語る。
「俺は神獣なんて相手にしたことは無い。国一つを滅ぼせるほどの奴相手に勝てるとも保証できない。戦う日が命日になりえるのかもしれない。」
「………」
「俺は今回の戦い。負けるつもりはない!」
「「「!!!!!!」」」
「お前達には大切な人はいないのか?いるだろう1人ぐらい。俺はそんな人のために戦う。大切な人を守るために負けるわけにはいかない!別に勝てとか討伐しろとか言ってるわけじゃない!!負けるなと言っているんだ!!!」
「「「!!!!!!」」」
夜の言葉に今ここにいる全員の心が揺れる。
夜もわかっていた。
大切な人のために命を張れる人など極一部。
他の人からしたら綺麗事を並べているようにしか聞こえないのだ。
それでも国を命懸けで守れと言われるよりも大切な人を命懸けで守れと言われた方がそれは死ぬ価値があることを示しているのだ。
要はどっちが重要度が高いかという話だった。
騎士ならともかく冒険者が国のためにと命を張れる訳がなく、それをもっと別のものにしてやればいいという考えで自分の大切なものと夜は指定したのだ。
(………悪いなみんな。人の心を利用するようなことをして、でもな、そうでもしないと動けないだろ?動かないんじゃない、動けないだろ?仕方が無いかもうちょっと押してやればいい。これはティアには心に来るかもしれないが仕方がない。)
そう考えてティアの頭に手を置く。
その行動にティアは不思議そうな顔をする。
そんな顔を見ながら髪をくしゃくしゃにせず大事そうに頭を撫で口を開く。
「ティア、先に謝っておく、ごめんな」
「……??」
その言葉に益々混乱するティア。
だがティアは次の言葉に衝撃を受けることになる。
「俺はお前達の希望になろう。このセカンドの夜がお前達の命を出来る限り守ってやろう!!!」
「「!!!!」」
「……ヨ、ヨル!!」
「ヨルさん!?」
夜の発言にティアだけでなくミルも叫ぶ。
そう、この発言が意味することは
(こうしてみんなの希望に俺は変わる。そうして、できる限りとは付け加えたがこの発言が意味するところは俺が最前線でお前らを守りながら戦ってやる、死んでやると言うことになる。我ながら偽善者を気取りすぎていると思うよ。俺がみんなを体を張って守るとかどこの主人公だよ全く……)
夜は内心で自分に呆れた。
だが夜としてはこうすることしか出来なかった。
自分がずっと苦しんできた暴力を受け続けていた時にいつしか助けを求めたことがあった。
誰しもが苦しんでいる時は希望を、光を求めるものなのだ。
(どっちみち光が欲しかったところだ。それが自分になっただけで、これ以上の選択肢はない。)
夜は心の中で自分にも言い聞かせるように語る。
だが夜が納得してもティアは納得しなかった。
自分が守ろうとしている者が自殺を志願しているようなものなのだ。
ティアとしてはそれが良い選択肢だったとしても、どうしても納得出来なかった。
(………ヨルがそんな役目する必要は無い。でもセカンドの夜が一番効き目があるのはわかってる……でも、私は納得出来ない。)
ティアがそんなことを考えていると夜がそれを察して話しかける。
「ティア、発言の取り消しはできない。それに今の最善はこれしかない。」
「……でも!」
「ティア……」
「……!」
夜のたった一言の呼び掛けでティアは察した。
(……軽い気持ちで言っているわけじゃない、自分の命をかける覚悟で言っているだね。だからそんな悲しそうな顔をするんだね)
夜は意識はしていなかったがティアに反論されそうになった時に猛烈な悲しみが夜を遅い、必死に振り絞って出した一言がティアからしたら悲しい顔に見えたのだ。
見えたというよりも実際は悲痛な顔をしていたのは確かだった。
だからティアは決意する。
「……なら、私も最前線でみんなを守る」
その言葉に夜は驚愕する。
すると夜がティアに向かって威圧をかけた。
「ティア、それはダメだ。俺が許さない」
夜がティアを威圧するなど絶対にないことなのだ。
だが今の夜は威圧をかけてそれはダメだとティアに言っている。
それだけで夜がどれだけ本気なのかが良くわかる。
その場にいる人たち全員、とまではいかないが半数以上が夜の本気さがわかった。
だがティアの医師は硬かった。
「…………威圧してもダメ。ヨルだけ寂しい思いはさせない。貴方が私を考えるように私も貴方のことを考えているの。ヨル1人だけに背負わせることは出来ない。」
「ティア……その言葉だけで十分だ。ティアをわざわざ危険な目に合わせるわけには行かない。俺はさっきみんなに言った通り、大切なものを失いたくないから戦うんだ。……大切なものが何かはわかるだろ?」
「……それなら私も同じ。大切なものが目の前で一人最前線で戦うところを黙って見てることは出来ない。なら、私も一緒に傷つき戦う。」
「強情なやつだ。傷つけることが嫌だからダメだと言っているんだ。」
「………今のヨルは私に一方的に意見を押し付けている。さっき言ったはず、私も同じだと。私もヨルが傷つくのが嫌だってわからない?」
「!!!」
ティアの言葉に夜はやっと気づく。
(そうか、ティアも俺と思うことは同じか。ちゃんと相手のことを考えていなかったのは俺の方か……)
夜は一方的にティアに意見を押し付けていて相手の気持ちなどこれポッチも考えていなかったのだ。
それをティアに言われてやっと気づく夜。
だがティアを前線に出させるのは反対なのは変わらない。
だがこれ以上何を言っても意味がないと夜はわかっていた。
だからこそ、こう答えた。
「ティア、俺の負けだ……」
夜とティアの決意の数々が見られる話でしたね。いい話にしたいな!
夜)………
ティア)………
作者)(コーナーができる雰囲気じゃないな)




