面白くないですよね
夕食をどうしようか考えながら1階に降りると、二ノ宮がカレーの皿を持って歩いていた。カレーからは湯気とスパイスの香りが立ち上っている。
「こんばんは、サクラさん」
「おっ、遥〜。体調どう?」
誰から聞いたんだろうか。そして、何故カレーの皿を持っているんだろうか。
「はい、もうすっかり良くなりました。」
「そっか、良かった。これから夕飯?」
「はい。まだ何にするかは考え中ですけど」
「遥毎日自分で作ってるの?偉〜い!」
「……?」
「えっ、言い忘れてた?ごめ〜ん。ここ、日替わりでできたやつ配給してるのよ。今日は朝がベーコンエッグとカップサラダとトースト、お昼が焼き魚定食、夜がカレーね。実は頼んだら他のも作ってもらえるみたいだけど、アタシはちょっと勇気が出ないわね。あっ、じゃあカレー冷めちゃうからまたね〜」
確かにサンドイッチや生の食材を置けるなら、出来合いの惣菜を置いていてもおかしくはない。購買に並んでカレーを頼んでみると、さっき見たばかりのカレーの皿が出てきた。まだアツアツで、スパイスの香りが食欲をそそる。部屋に戻って1口食べてみる。
「……普通だ」
特に飛び抜けて美味しい訳ではないが、ごく普通のお店で食べるカレーと変わらない。
『遥チャン、良い香りだね』
キャラクターカウンセラーには香りも分かるのか、カレーだから良い香りがすると判断したのか。あるいは、購買で配っているメニューについてはデータが入っているのかも知れない。
「ここって凄いね。何でも手に入っちゃう」
『恐いの?』
「……そうだね。紅野さんも言ってたけど、ここに寄生してるみたいになりそうで」
『でも、恐いと思っているなら大丈夫なのです。遥チャンはきっと平気なのです』
風呂から上がると、青山から着信が入っていた。もう8時を過ぎているが、急用だろうか。
「もしもし、青……嗣彦さん、」
『遥さん、こんばんは。体調はどう?』
「もうすっかり良くなりました。2日も休んでしまってすみません。」
『ううん、まだ入ったばかりだから、いろいろあるよね。僕たちも気を付けるよ。』
「お気遣い、痛み入ります。」
『明日からまた活動に参加してもらおうと思うんだけど……平気かな?』
「はい、嬉しいです。」
『良かった。ところでは』
『遥っちゃ〜〜ん元気〜〜?』
相変わらず脇田のイントネーションは独特すぎて、今に至っては歌っているみたいだ。青山が「返して」と騒いでいるのが聞こえる。
『今僕たち青ちんの部屋で呑んでるの〜〜来ない〜〜?あ、もっちろ〜〜んソフトドリンクもあ〜〜るよ〜〜青ちん禁酒中だっか〜〜らね〜〜』
後ろで白瀬らしき男性が笑っている。……インターホンが鳴った。
「すみません和泉さん、お客さんが」
『浅葉が着いたんだね〜〜このまま出てみて〜〜』
ドアを開けると、紅野が「よっ」と片手を上げた。紅野は電話を奪うと、
「今から任意同行するからな」
と言って切った。
「ってことで、断っても良いからな」
「えっ、良いんですか?」
この言い方では断りたいみたいだ。狼狽えていると、紅野は頭をポンポンと優しく叩いてくれた。
「任意同行っつったろ?青山さんって意外と体育会系なんだよなー、強制飲み会なんか止めりゃあ良いのにさ、これでテメーは禁酒中とかつくづくだよな。本当は初日に呼ばれるんだが、お前の体調が戻ってからにしろって白っさんと俺で止めたんだ。脇田さんも酔うとあんなだし、今日は白っさんがやけに呑まされてさ、恐らく反対出来なく……いやまあ、良いや。とにかく、来るか来ないかはお前が決めれば良い。」
紅野は心なしかいつもより早口で、まくし立てるような話し方だ。少し酒が入っているんだろうか。
「……もしかして、風呂上がりか?」
「えっ、あ……はい」
髪は乾かしている。化粧はいつもしっかりはしていないし、服も普通のルームウェアだ。何故分かったんだろうか。
「じゃあ……悪かったな。あいつらには断られたっつっとくわ。第一、もう9時近いしな。いくらマンション内っつったって女一人で出歩く時間じゃねぇから」
「いえ、折角お誘いいただいたので」
「いや、折角ってことはねぇよ。お前うわっ!」
紅野に誰かが飛びかかり、紅野は廊下に大きな音を立てて倒れた。
「ってーなー、何しやがる」
「おっそ〜〜いんだもの〜〜遥っちゃ〜〜んすぐ着替えられる〜〜?」
「あっ、はい」
「おい脇ぐはっ、」
「い〜〜ずみ君だよ〜〜」
「わーったよ……和泉さんさ、流石に時間が」
「うちの中なんだっか〜〜ら良いんじゃないの〜〜?乾杯だけでも〜〜」
「そういう問題じゃねぇだろ……」
「だ〜〜って遥っちゃ〜〜んも18歳な訳だし〜〜夜出歩いてても補導されないよね〜〜」
「あの……私、着替えて来ますね」
「待って〜〜るよ〜〜」
着替えて戻ると、紅野が脇田に手を繋がれて、がっくりと肩を落としていた。
「遥っちゃ〜〜ん行こ〜〜」
青山の部屋は最上階の角部屋だ。エレベーターを降りると、白瀬が立っていた。顔が真っ赤だ。
「白っさん出歩いて平気かよ?」
「平気ら、……神谷、……来たのか……遅かったな、」
話し方がおかしい。足元もふらついているし、酔っている、なんてレベルではなさそうだ。
「ったく……神谷、乾杯だけしてすぐ帰れよ」
「や〜〜だな〜〜浅葉、いたいだけいれば良〜〜いじゃない」
青山の部屋に行くと、机や床にお菓子の袋とお酒の缶が散らばっていた。寝転がっていた橙乃が起き上がり、私を睨んでまた寝転がった。
「改めまして、ようこそ、遥さん。散らかってるけど、適当に座ってね。」
「失礼します」
脇田からグラスを渡され、ジュースを注がれた。
「和泉さん、酒は混ぜてねぇよな」
「法律は〜〜ぜった〜〜い!瑞希君お〜〜き〜〜て〜〜」
一応香りを嗅いでみたが、ただのジュースのようだ。
「てこ〜〜と〜〜で〜〜、皆さんグラス持った〜〜?」
全員がグラスを持ち、白瀬が大笑いした。
「じゃあ、遥っちゃ〜〜ん、ようこそ『Our Justice』へ〜〜。かんぱ〜〜い!」
橙乃がグラスを一気に空にして、また床に寝転がった。それを見て、白瀬が手を叩いて笑っている。
「おい、青山さ……青山殿、橙乃と白っさんは部屋に帰した方が良くねぇか?」
「え?良いよ、この部屋で寝かせれば。あ、遥さんおつまみ適当に食べてね。」
「ありがとうございます。」
周囲にお酒を呑む人はいなかったが、これを見ると恐いものに思えてならない。
「神谷……遠慮は、いららいぞ……。フハハハハッ」
「あんまり酒に悪いイメージつけんなよ……。神谷、本来酒は量を守って楽しく呑むもんだからな。こんな状態になるまで呑むなよ。そして呑ませるなよ」
「良〜〜いじゃな〜〜い、下にお医者さんもいるんだし〜〜」
「そうなんですか?」
「ここには住んでいないんだけど、僕の知り合いの竹原さんっていう医師に時々来てもらっているんです。遥さんも、何かあったら遠慮無く相談してみてね。」
「医者がいても駄目だ。それを言えば、警察がいるから犯罪しても良いっつーことになるだろ」
「犯罪駄目〜〜ぜった〜〜い」
「あーおーやーまーくーん、もーいっぱーい」
「瑞希君、もうやめておきなよ。……ごめんね遥さん、瑞希君と白瀬を寝かせて来るよ。浅葉、手伝って」
「あいよ」
紅野が白瀬を担ぎ上げ、青山が橙乃を引きずって隣の部屋に消えた。
「遥ちゃんさ、」
脇田の話し方が元に戻っている。
「今まで宴会とか参加したこと無い系?なんか超ビビってるっぽいけど」
「はい、周りにそういう友人や大人の方は殆どいなかったので」
「どーお?初宴会」
「……正直、ちょっと恐いです」
「浅葉も言ってたけど本来お酒は楽しく呑むものだからねー。今度まともな宴会に連れてってあーげるっ」
「ありがとうございます。」
「さて、」
脇田が距離を一気に詰めてきた。
「恐いついでにー、ちょっと冒険?ランデブー?してみない?」
しまった。油断したら捕って喰われるんだった。
「ちゅ〜〜くらいしたことあるでしょ?」
「……無いです」
「えーっ、天然記念物発見?」
脇田の息が耳にかかる。酒の香りはするが、脇田は酔っている感じはせず、いつも通りに恐い。
「してみない?大丈夫、ちゅ〜〜だけだから」
「絶対それじゃ済まねぇだろうが酔っ払い色魔。」
紅野が脇田を払いのけた。
「神谷も気を付けねぇと捕って喰われるっつったろ。……まあ、2人にして悪かったな」
「い、いえ、すみません」
「遥さんのせいじゃないよ。和泉、酔っているならあっちで寝てくる?」
「嫌だわ嗣彦様った〜〜らアタクシ結構強いんですわよ〜〜うふん」
「はいはい。……改めまして、ごめんね、遥さん」
「どういたしまして……」
隣の部屋から白瀬の笑い声と橙乃の「うるさい」という声が聞こえてくる。
「あの……ついてなくて大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。それより遥さん、おつまみ如何ですか?」
「あ、はい。いただいてます」
「あーおーやーまーくーん、僕部屋にかーえーるー」
「フハハハハッ」
「うーるーさーいー、ねーあーおーやーまーくーん」
「青山殿、行ってやれよ。脇田おふっ……和泉さんは俺が見てるからさ。何だこれ……缶か」
「そう?じゃあ……すぐ戻るから」
青山は橙乃に肩を貸して、部屋から出ていった。
「おい、和泉さんさ……今中身入ってる缶投げただろ」
「えーっ、ごめーん気がつかなかったー」
「絶対気がついてただろ……どうすっかな、」
紅野の服は胸から腹にかけてぐっしょり濡れている。
「着替えないと風邪引くよー浅葉食欲旺盛なくせに細菌とかウイルスとかに弱いじゃん?」
「悪かったな」
流石に、この状況で「私は大丈夫なので着替えてきてください」とは言えない。かといって、このままにしておくと本当に風邪を引いてしまいそうだし、青山が戻ってくるのに自分の部屋に帰る訳にもいかない。
「あー……神谷、ちょっと後ろ向いてるか」
「あっ、はい」
後ろで衣擦れの音が聞こえた。
「しっかしキンキンに冷やしてんな。おしぼりは……」
「べーつーにー、男の子なんだから良くない?遥ちゃん回れー右!」
「えっ、えっ?」
脇田に肩を持って回される。服を着た状態でもわかる程締まった体つきだったが、服を脱ぐと美術の授業で見た彫刻のようだ。耳が脈打って、顔が熱くなる。
「あっ、……えっと、ごめんなさい」
「お前のせいじゃねぇよ。仕方無ぇから青山さんが来るまで我慢してくれ」
「我慢だなんて、そんな……」
「あっ、遥ちゃん浅葉のこと好きになったんだー」
「えっ?いえ、そんな……えっ?」
「ハハ、神谷テンパり過ぎだろ。大丈夫だって」
青山が戻ってきた。シャツの襟が皺だらけになっている。
「浅葉、どうしたの?服が濡れて……和泉、また何かしたんでしょ。」
「えー何で分かったのー?」
「何でって……浅葉、着替えて来る?」
「ああ、悪いな。戻ったら白っさん連れて帰るよ」
紅野が出ていき、青山がシャツの襟を直した。
「改めまして遥さん、本当にごめんね、こんな感じで。びっくりした?」
「えっ?あ、いえ、……えっと」
「遥ちゃんったら浅葉のカラ」
「うわあああ、いやいやいや、違います、そんなっ、ことは」
「和泉、あんまりからかうものじゃないよ。遥さん、仕切り直しに一杯どうぞ」
「あ、すみません」
冷たいジュースを飲んで、顔の火照りが少し落ち着いた。
「さて遥さん、改めて、自警団に入った理由を訊いても良い?」
「出たー青ちん説法モード」
「もう、和泉ったら。毎回言っているけど、勿論僕の考えも聞いてもらいたいし、その為に遥さんの話も聞きたいんだ。話せる範囲で構わないから、出来たら物理的な理由じゃなくて、哲学というか、正義についてを」
突然そんなことを言われても、簡単には出てこない。
「自警団でやりたいこととか、自警団じゃなくても、正義とはこうだとか、世界がこんな風になったら良いなとか」
「……物理的な理由にもなっちゃいますけど、私は周囲の人たちを羨みながら今までを過ごしてきて……世界には、こんな私でも羨ましいって言う人もいるんですよね。」
「つまり、平等を求めているのかな?」
「そうですね。世界中の全員が本当に平等な世界っていまいち想像出来ないですけど、現代って何か……しなくて良いことをさせられる人と、するべきことをしないで済む人がはっきりし過ぎてるっていうか」
うまく纏まらない私の話を、青山は時々頷きながら、笑顔で聞いてくれた。
「すみません。面白くないですよね」
「ううん。僕、とても嬉しいんですよ。悩むことは哲学の第一歩ですから」
「遥ちゃんさあ、本は読まないの?」
「今まではそんな時間もありませんでしたし、今からは何を読めば良いのか分からなくて」
「そういう時は面白そうなものから読めば良いんだよー。表紙が綺麗とかー、タイトルが絶妙とか?恋に恋する乙女なららぶらぶな携帯小説からでも良いし、お化け屋敷が好きならホラーで良いし」
「そんな感じで良いんですか?」
「僕も和泉の意見に賛成です。まずは文章を読むことに慣れるのが一番だし、慣れてきたら意外と難しい本も読めたりしますから。」
「ちなみになんですけど、オススメとかありますか?」
「うーん、好みは人それぞれだからなぁ。十人いたら十通りの趣味嗜好があって当然ですから、自分の好きな傾向が分かるまでは何でも読んでみた方が良いと思います。その上で僕の好みを言うなら、ベンサムかな。」
「青ちんこないだフランシス・ベーコン読んでたよねー。ベーコンはシェイクスピアと同一人物っていう都市伝説があるんだよー。あくまで都市伝説だけどねー」
「へぇ……シェイクスピアは聞いたことありますけど、」
「じゃあシェイクスピアから読んでみればー?ぜーったい図書館に置いてるし」
「ありがとうございます。探してみます」
「そんな遥ちゃんに先輩からありがたいお言葉をプレゼーンツ。人間が作ったものなら必ず何か『こうしたい』っていう意図とか、『こうしてやる』っていう欲望とかが混ざってるからさ、簡単に染まっちゃ駄目ね。否定ばっかりは良くないけど、自己防衛としてリテラシーはしっかり身につけるべし」
ドアが開いて、紅野が戻ってきた。いかにも予備の、くたびれたTシャツを着ている。
「これしか無かった……。白っさん連れて帰るよ。青山殿、説法は程々にしてやれよ」
「浅葉までそんなこと言うんだから。白瀬のこと、よろしくね。」
「あいよ」
紅野が白瀬を叩き起こすと、白瀬はふらつきながら立ち上がった。
「白っさん、無理すんなよ」
「いや……一人れ、帰れる……世話に……なったな……」
紅野が千鳥足の白瀬を支えながら部屋を出ていった。
「……さて、遥さん、少しだけ僕の話を聞いて欲しいんですが」
「よっ、説法モード」
「茶化さないでよ。僕ね、正義は抽象的な方が良いと思ってるんです。」
ぱっと聞いただけでは、反対の方が良いような気もするが。
「青ちんのは抽象的っていうか普遍的目指してるよねー」
「普通、皆は具体的な方が分かりやすいって思うみたいなんだよね。『こんな場合はどうするんですか?』って訊かれた時に困るから、とか。けど、そんなに細かく定めなきゃ秩序が守れない状態ってどうなのかな。それより、抽象的で普遍的な正義を作り、全員が同じ方向を向いて一人一人に正義を徹底してもらう方が簡単だと僕は考えているんだ。」
「けど、全員が同じ方向を向くって難しそうですね。」
「ここ最近出てきた『カリスマ』って呼ばれる人たちは、印象的で抽象的、普遍的なフレーズを繰り返して幅広い層から支持を集めています。どんなに良いことを言っていても、長々と話してしまうと印象的でなくなってしまうし、具体的にすればするほど自分には関係無いと思う人が出てくる。人を動かすには、印象的で、抽象的で、普遍的で、誰にでも分かるものが必要です」
「青山さんの正義って、どういうものですか?……あ、勿論参考までにです。自分なりに考えてみようとは思ってます」
「僕の正義は今のところ、『なるべく多くの人が気持ち良く過ごせるように努力する』です。学校のスローガンみたいだけど、結局こういう言葉が一番有効なんじゃないかな」
確かに、具体的に善悪を定義するものではなさそうだ。
「この正義は、具体的に行動の規範をつくるものとは少し違います。でも、だからこそ普遍的に、誰に対しても、何に対しても有効に働くのではないかと思っています。この正義を踏まえた上でなら、例えば宗教が違う人同士みたいな、意見が違う人たちが共存出来るんじゃないかな」
私の話とのレベルの違いに圧倒される。この人は本当に、世界平和とか、そんな大きなものを考えているんだ。
「遥ちゃん、リテラシー、リテラシー」
脇田の声で我に帰る。
「僕には僕の善があります。皆にも僕の善が浸透するならそれに越したことは無い。けど、そうじゃない人は消えろっていうのはただの独裁です。どの神が正しいか、なんて考え方はもう古いと思うんです。なるべく多くの人が、どの神を信じていても同じ場所にいられて、笑いあえる。そんな平等が、僕の理想です」
「あの、こんな風に言うの、なんですけど……紅野さんは、嗣彦さんが周りに意見を押し付けがちみたいな」
「ええ、それに関しては何度も話し合いをしています。多分浅葉は僕の個人的な善悪の考え方に反発していて、それは正義とは別の話だってことを分かってくれてないんじゃないかな。浅葉とは善悪の意見がかなり対立していて、時々は僕が『こうあって欲しい』って言ったりするんですが、それを『善を押し付けている』と解釈しているのかも知れませんね。」
頭がぼーっと熱くなってきた。
「何か、知恵熱が出そうです……」
「青ちんそろそろお開きにしない?」
「そうですね、日付も変わったし。遥さん、続きはまた今度にしましょう。次は、僕の個人的な善悪の考え方についても聞いてもらいたいので」
「はい、よろしくお願いします。」
部屋に帰って、取りあえず青山の正義をメモしておいた。理解を深めなければ。




