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これが俺の『非』日常  作者: マウンテンライスフィールド
第一章 10000平方キロメートルの人口島
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第一話 『いつも』の朝

俺、獅子緒龍ししおりゅうの朝は早い。どれくらい早いかというと五時起きするくらい早い。何故そんなに早く起きるのか? それにはキチンと訳がある。


「………フッ! ハア! セイッ!」


朝の人気の無い公園で木刀を振り回す男…まあ、俺なんだけど。


「ふう…これくらいで終わりにしておこう」


カンのいいヤツならばもうこの時点で気付くかもしれないけど、一応説明するとやっていたのは素振りだ。木刀の。俺の一族は代々様々な研究と試行錯誤を重ねて多種多様な戦闘術を開発してきたらしい。そして、俺が今やっていた練習は剣術の類で、臨期尢篇リンキオウヘン戦法・ツルギとかいう糞小難しい名前の戦法だ。『臨』はいついかなる時でも、『期』は期を選ばずに、『尢』は文字通り曲がりくねるように柔軟な、『篇』はそれら全てを括る締めの言葉で特に深い意味は無いらしい。(曰わく、篇は例外)一文字一文字が深い意味を持っていると昔おやじとじいちゃんに説かれた事がある。最後に来る語はそのまま何の武器の戦法であるかを示し、この場合は剣術であることを示唆する。

何故に『日本』と言う世界レベルで見てもトップクラスの治安の良い国で、『普通』の男子高校生が、今時そんな『闘う』為の知識や技量を身に付けなきゃならんのだ、なんて思うだろう。

しかしながら、俺の置かれてる状況はやや…いや、かなり変わっているのでそんな疑問は数年前に捨てた。


「ただいま~。…ま、誰も居ないけど」


自分のセリフに自分で突っ込むという不毛な行為を無駄に思いつつ脱衣所へ。服を脱いで洗濯カゴに放り込み、シャワーを浴びる。

10分程浴びた所でシャワーを止めて、自室に戻り体を拭いて制服に着替えてリビングに戻り朝食を作る。(トースト焼いて、ベーコンエッグとインスタントのコーンスープ程度だが)


「いただきます」


まずはコーンスープを一口すする…ああ、あったかい。


「今日は始業式だったな」


ボードに貼り付けてある予定表に目配せして確認し1人ゴチる。昨日まで春休みだったが今日からはまた学校だな…

そんな事を考えつつ、トーストをかじりながらテレビの電源をつける。


『それでは今朝のニュースです…大人気アイドルユニット「Rogitto」の癒やし系担当、夏目アルトさんが、プライベートであの大人気現役高校生女優、西園寺アリサさんに交際を申し込んだとの事です。現在アリサさんは「そんな事実は無い」と否定しており…』


またゴシップかよ…朝に放送することなのかそれ?

チャンネルを一般の放送局から『この島(・・・)』専用のチャンネルに切り替える。

『速報です。先程7時24分にこの所日本エリアを中心に出没していた猟奇的殺人犯「能力者喰らい(スキルイーター)」が逮捕されました。管理局(アドミニストレータ)によりますと、その人物は男で取り調べでは「俺は何もしてない。何も思い出せない。」などと供述しており…』


へえ…あの殺人鬼捕まったのか…しかもついさっきじゃん…ってあれ? 俺の目に異常が無ければ時計の長針が50分を指しているような…あ、51分になった…って!


「ヤバい! 始業式に遅れる!」


残りのベーコンエッグをトーストに乗っけてコーンスープを飲み干す。皿は…帰って来てからでいいや! 時間無いし!


「行って来ます!」


これまた誰にも聞こえない言葉を叫び、トーストを口にくわえて弾丸のように室内を飛び出す。ここから通っている学校まで走って25分位あるので始業式が始まる8時30分までには間に合うかどうかギリギリだ。しかし新学期早々遅刻なんてできまい。


「うおぉぉぉ!!! 燃えろ! 俺の黄金でも何でもない普通の両脚!」


俺の体よ…今だけ羽より軽くなれ…!

そんなことを考えつつ俺は目的地に向かって全力疾走するのだった。


…今思えばだ。この日が今までの俺の人生の中で一番大きなターニングポイントだったのかもしれない。しかし、全力疾走という有酸素運動を命令する事で精一杯の俺の脳が、そんな事を考える訳がなかった事を、後々俺は後悔する事になる。

色々と気になるワードを入れてみた私です。

ああ、興味を引くだけの目的じゃありませんよ?現に今必死に設定を練り上げてる途中ですし(汗)

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