八五
レオポルドの口から白い息が吐き出された。白く染まった吐息は見る間にその色を失い、跡形もなく消えてしまう。
冬ともなれば雪も降るし、積もる帝都に住んでいれば、珍しいことでもない。
そう思っているのはレオポルドとフィオリア、帝都まで行ったことがあるキスカ、レンターケットだけのようだ。
同道している他の人々は帝国人もムールド人も、慣れぬ寒さに震えながらも、しきりと息を吐いては白く染まった息を見て、興味深そうにしている。
「旦那様。旦那様。何故、寒い所では息が白くなるのですか」
寒いからという理由でレオポルドの傍にぴったり寄り添っているアイラが灰色の大きな瞳を輝かせながら尋ねる。
「えーっとだな。確か、吐く息に含まれる水蒸気が冷やされて、一瞬で水の粒になるからだ」
「水蒸気と、その水の粒は違うのですか」
「うむ。そもそも、物体は固体、液体、気体といった形に変化するものであり、水蒸気は水が気体になった状態のものでこれは無色で見えないものだ。水の粒は液体の状態のものだ。いわば、水滴だな」
レオポルドは読書家で、近年興隆しつつある自然科学にも興味があった。
一昔前まで自然科学は妖しげな錬金術やら如何わしい魔術やらと一緒くたにされていて、教会には悪魔の使いやら反正教であると糾弾され、良識ある人々から白い目で見られていたものだ。
しかし、当時の有力な大貴族であったフューラー公が科学者たちを庇護した為、急速に理解が進み、各地の大学では聖職者や神学者と衝突を繰り返しつつも、新たな実験や研究が行われ、論文の発表が相次いでいた。
帝都にいた頃のレオポルドはそういった自然科学の知識を学ぶのが好きで、その手の本を読んだり、学者の話を聞きに行ったりしたものだ。金のかかる趣味である為、フィオリアは良い顔をしなかったが。
「旦那様は物知りでいらっしゃるんですね」
説明を聞いたアイラは花のような笑みを浮かべて言い、レオポルドは照れ笑いをしながら頭を掻いたりしていた。
「レオポルド様。そろそろ、出立のお時間です」
背後でキスカが無感情な声で言うと、彼は途端に笑みを凍らせた。
「わ、わかった。じゃあ、行こうか。まだ先は長いからな。気を引き締めていかんとな」
レオポルドはそう言いながら、彼らの馬を繋いでいる箇所へと向かった。
周囲では兵や人夫たちが天幕を畳んで馬車の荷台や驢馬の背に乗せる作業を手早く行っていた。同時に馬丁たちは馬秣を食べさせた馬を士官たちの許へ引いていく。
四半刻も経たぬうちに出立の準備は整った。
騎兵二〇騎、マスケット銃を携えた歩兵五〇名。荷を引く馬車が五台に驢馬が二〇頭。人夫と馬丁、料理人などがおよそ五〇名。その他にレオポルド、キスカ、アイラ、フィオリア、ソフィーネ、レオポルド室の事務長レンターケット、事務掛のリゼに書記のリズクといったレオポルドに近しい人間が揃っている。
レオポルド、キスカ、レンターケットは馬に乗り、他の者は馬車に乗り込んだ。
先頭を行くのはカール・アウグスト・ジルドレッド将軍の長男であるカール・ジギスムント・ジルドレッド大尉が率いる騎兵二〇騎。レオポルドらは騎兵に守られるような形で続く。その次は荷馬車と驢馬の列で後衛はカール・アウグスト・ジルドレッド将軍の弟であるパウロス・アウグスト・ジルドレッド大佐の子息フェルディナント・パウロス・ジルドレッド大尉が率いる五〇名の歩兵が務める。
隊列は山道を進み始めた。三日前から上り始めたプログテン山脈の峠越えはまだ終わっていない。少なくとも、あと一日は坂を上らなければ峠は越えられない。人馬の行き来が盛んな道であるから、道幅はそれほど狭くはなく、概ね平らに均されていて、歩いて行くのにそれほど不便はない。
ただ、だいぶ高い地を進むので、気温はかなり低い。吐息は白く染まり、路肩には土に汚れた雪の塊が転がり、水たまりには氷が張っている。
一行はしっかりと毛皮の外套を着込んで防寒対策をしていたが、一年を通して温暖な地に住む南部の人々は寒さが身に堪えるようであった。彼らの多くは雪を見るのも、氷を見るのも、吐息が白くなるのを見るのも初めてなのだ。
昨夜などは野営の為に天幕を張った頃合に雪が降り出し、大の大人が揃いも揃って大はしゃぎしたもので、雪が珍しくもないレオポルドやフィオリア、レンターケットは苦笑いするしかなかった。
「しかし、思ったよりも峠に雪が少ないのは助かりましたな。これならば、今月中にはカルガーノに着きそうですな」
レンターケットが白い息を吐きながら言った。
カルガーノは帝国南部西岸にある。ムールドを含むサーザンエンドからは西に進み、南部の西に南北に走るプログテン山脈を越えていかねばならない。
プログテン山脈は非常に高く険しい山々が連なる山脈であり、中腹以上には雪が降り積もる。酷いときには雪で道が埋まり、峠を越えることが非常に難しくなるが、今年の雪の量は少ないようであった。
プログテン山脈の西側の東西に狭く南北に長い地域はイスカンリア地方と呼ばれる。イスカンリア大司教領の他、二つの伯領、三つの帝国自由都市、数十もの帝国子爵、男爵、騎士領、教会領、修道院領が点在する。
カルガーノは帝国自由都市の一つであり、イスカンリアでは最も栄えた港町である。カルガーノからは帝国中心部の港湾都市アルヴィナと結ぶ航路があり、しきりと船が往来している。多くの場合、南部から帝都へ、或いはその逆を旅するときはこの海路の旅を行くことが多い。ただし、船は定期便などが出ているわけではないので、高い運賃を払って商船に便乗させてもらうか、或いは船を借りるしかない。
当初、レオポルドが帝都から南部へ向かうときも、一時、海路を取るべきか悩んだことがある。その時は旅費の問題などを考えて、遠回りでも安価な陸路を選んだのだ。
しかし、今回、レオポルドたちはその海路を選んだ。
第一に陸路では敵対関係にあるブレド男爵が支配するサーザンエンド中部を通らなければならないからである。海路を行くルートならばファディから西へ進み、プログテン山脈に沿っていくらか北上してから、峠を越えることができ、サーザンエンド中部を迂回することができる。
また、現在のレオポルドには船を一隻借り受けて運航させることができるほどの資金があるのだ。
彼が行ったのは税制の整備である。
勿論、税制についてはサーザンエンド辺境伯も定めていた。関税、土地税、人頭税、塩税、酒税、煙草税、紙税、羊皮紙税、蝋燭税、油税などなど。その他にも粉挽き所、水車、共同のパン焼き窯、放牧地、共同林などの使用料。軽犯罪に対する罰金等。
しかしながら、サーザンエンド辺境伯の支配はムールドには及んでいなかった為、ほとんど有名無実と化していたのだ。
これをレオポルドは実態あるものと変えると共に、簡素化合理化を図った。
全てを一気に改正するのは非常に困難であり、時間も労力もかかる為、できるところから手を付けることにした。
彼が最初に手を付けたのが関税である。
というのも、交易の中継地であるムールドは多くの物品が行き交う為、税を課せば、高い収益が見込めた。
領内からは塩や琥珀の他、羊毛などを産し、帝国本土や南部でも北の地域から小麦や野菜、果実、ガラス製品やビーズ、毛織物、銀細工などが輸入され、これらは東方大陸や南洋諸島に向けて輸出される。
東方大陸からは絹、陶磁器、茶。南洋諸島からは香辛料が輸入され、北の地域や帝国本土に向けて輸出される。
レオポルドはこれらの領内を通過する商品に税を課すこととしたのだ。関税を支払った者には徴税証明が発行され、これがない場合はムールドを通過させることができないとした。
この徴税事務の為、一〇〇名もの徴税役人から成る徴税部門が組織され、ファディやハジといった交易の中継点に配置された。
徴税部門の長である上級徴税監督官にアイラの伯父サイドが任じられ、徴税監督官にはサルザン族の族長の従兄アルマドが任命された。現地に住む民であるムールド人によって徴収させることにより、税を負担するムールド人たちの不満を逸らそうという思惑である。
砂漠を渡る隊商はファディやハジなどの中継地点で補給をしなければ砂漠を越えることは非常に難しい。その為、多くの隊商は止む無く徴税に応じるしかないだろう。
とはいえ、関税を忌避して他の交易路を選ぶ商人が出て、結果的にムールドを通過する隊商が減少し、ムールドの衰退を招くことも予想される。
とはいえ、関税は他の地域でも同じように徴収されるものだ。町を通る度、港に入る度、税は取られる。今まで無税で通り放題だったムールドの方がおかしいのだ。
しかも、正確には以前のムールドもタダで通り放題というわけではなかった。今まで関税は支払われていなかったが、部族に対する通行料は支払われていた。各地を支配する諸部族がそれぞれの土地を通る隊商に通行料を課していたのだ。
レオポルドはこれを廃し、関税を支払った隊商の安全はレオポルド及びムールド諸部族の名において保障されるとした。これによって隊商の負担は以前とさほど変わらないものとなるだろう。
勿論、諸部族からは反発の声が上がったが、彼らはレオポルドに対し降伏・恭順した身であり、軍事力でも優位に立つ彼に刃向える者はいなかった。
レオポルドは代償として、ムールド諸部族に対し、土地税、人頭税、家畜税など財産税の免税特権を与えた。今まで課されていなかったものを免除すると言われても、ありがたみはないが、ムールド諸部族は渋々とその条件を呑んで、通行料の廃止を受け入れた。
なお、レオポルドがムールド諸部族の財産税免税をあっさりと決めたのは財産税を徴収してもそれほど税収を見込めないという思惑があった。
定住生活に転換しているムールド人はともかくとして、遊牧を続けるムールド人には私有地という概念がなく、移動生活を営んでいる為、人口や家畜の数を把握するのが非常に困難である。公正・正確に徴税する為にはかなりの数の徴税役人が必要になり、調査、徴税の費用は馬鹿にならない額となることが予想された。
面倒な事務を背負い込んで、それほどの額にはならない税を課すよりも、いっそのこと免税にして、恩を売った方が得策と判断した。
他の税制はまだ手つかずであったが、レオポルドは別の収入源を手にしていた。
ムールドの征服の過程で、彼は「塩の町」を支配するサルザン族から岩塩の一部を優先的に割安に買い取る契約を結んでいた。
そして、「翡翠の谷」のナグララ族からは翡翠の専買権を手にしていた。
岩塩の特権的な購入権はともかくとして、翡翠の独占専買権はムールド諸部族の強い反発を招いた。
翡翠は東方に輸出される非常に重要な貿易品であり、ムールド諸部族はこれの売買によって非常に大きな収入を得ていたのだ。部族によっては貿易収入の大半を翡翠の販売益が占めていた。
レオポルド及びレオポルド室の面々とムールド諸部族の代表は喧々諤々の論争の後、レオポルドが「翡翠の谷」で産出された翡翠の三割を買い取り、五割はムールド諸部族に優先的に買い取られ、残りの二割はナグララ族が自由に処分できるという取り決めが成立した。
ある程度予想されていた反発を乗り越えて、レオポルドは晴れて重要な商品を割安に手に入れるルートを確保することに成功した。
ただし、販売ルートは未だ形成されていない為、レイクフューラー辺境伯と繋がりの深い商会やムールドでも手広く商売をしているナジカの商人に売ることにした。
しかしながら、これらの政策は手を付けたばかりで、未だ実際に収入を得る段階にはなっていなかった。税は取り立て始めたばかりだし、岩塩や翡翠はまだ実際には手許に届いていない。
それでも、資金を手にする方法はある。
この徴税機構と専買権を担保として、ナジカの商人から現金を借りることにしたのだ。
レオポルドがムールドの支配権を手にしたことは、ムールドのすぐ北にあるナジカには速やかに伝わっていた。商売に目敏い彼らとしてはレオポルドには是非とも接近したいところであり、徴税機能と重要な商品の専買権があれば、返済能力は文句なしだ。かなり有利な利率で資金を借りることに成功したのだ。
レオポルドはこの資金を元手に帝都に向かおうとしていた。
その目的はムールドの支配権のお墨付きを貰うことである。
昨年の夏から冬にかけて行われた一連の戦いによって、ムールド全域はほぼレオポルドの支配下に入った。未だにクラトゥン族の一部、特にムールドの王を名乗っていた族長レイナルはムールドの荒野に姿を晦まし、レオポルドに服従することを拒んでいるが、大勢は既に決したも同然である。
一方、ムールド以外のサーザンエンドには手を出せない状況が続いていた。辺境伯位継承などまだまだ先の話である。
そこで問題となるのが、レオポルドがムールドを支配する法的根拠である。戦いが続く情勢とはいえ、帝国は法によって支配される国である。何の法的根拠もなく、ムールド支配を続けるのは問題である。というのも、ブレド男爵らレオポルドに敵対する者が帝国議会や帝国高等法院にレオポルドを帝国の領土を不当に占拠する者、皇帝に楯突く反乱者と訴えかねないからである。
ムールドはサーザンエンドに含まれる為、サーザンエンド辺境伯位が手に入っていれば、何の問題もないのだが、今のレオポルドは一介の帝国騎士に過ぎないのである。ムールド諸部族が支配者として認めていたとしても、それは原住異民族の都合に過ぎず、帝国法には何ら根拠はないのだ。
レオポルドは早急にムールドの不法占拠状態を終わらせ、帝国政府に支配権を認めてもらう必要があった。
その為の帝都詣でである。画策したのは例によってレンターケットであり、裏で糸を引いているのはレイクフューラー辺境伯であることは言うまでもない。
レイクフューラー辺境伯が画策し、レンターケットを通じて知らせてきた方策にレオポルドは同意した。方策とはムールドの支配権を皇帝陛下と帝国政府に認めてもらおうという単純明快なものである。
しかし、問題がある。ムールドの支配権は帝国の法ではサーザンエンド辺境伯にある。何故ならば、ムールドはサーザンエンドに含まれるからである。
この障害を乗り越える為に、レイクフューラー辺境伯は言い訳を考え出した。
曰く、歴代のサーザンエンド辺境伯はムールドを実質的には統治しておらず、その支配権は及んでいなかった。いわば、帝国の法では無主の地であったのだ。
その帝国の支配が及ばぬ未知の地に赴き、血と汗を流して支配権を確立し、野蛮な異教徒異民族を従え、彼らに皇帝と帝国の威信を知らしめて、臣従させ、西方教会の教えを広めたのは、皇帝陛下の忠実なる僕であるところの帝国騎士レオポルド・フェルゲンハイム・クロスである。皇帝と帝国はその働きと忠誠に報うべきではないか。
勿論、実際にはレオポルドは皇帝や帝国、西方教会なんかの為にムールドくんだりまで出かけて行って、戦いをやったわけではない。
とはいえ、方便でこう言えば、心証は極めて宜しくなるし、皇帝と帝国政府はレオポルドのムールドにおける支配権を認めざるを得なくなるだろう。そこで、ムールド伯という称号を創設し、レオポルドに与えられるように取り計らうというのが、最終的な目標である。
サーザンエンド辺境伯に叙任してもらうのは、様々な諸問題(サーザンエンドを実際に支配していない。反対者が多数いる等)から、非常に難しいが、ムールド伯ならば問題は少ない。レオポルドは実際にムールドを支配しているし、ムールドに住む人々(ムールド諸部族)もその支配権を認めている。
ついでにレオポルドが実際に皇帝と面会し、東方から来た商人から手に入れた帝国本土でも非常に高級な絹織物、陶磁器、香辛料を皇帝への贈り物として献上すれば、まず、確実にムールド伯叙任を得られるだろう。というのが、レイクフューラー辺境伯の目論見であるそうだ。
帝国南部から遥々帝都に行くのは容易いことではない。海路を使えばまだ早いとはいえ、時間にして一ヶ月以上かかる。その間、レオポルドはムールドを留守にすることになる。
帝都に代理人を送って解決するわけにはいかないのだ。ムールド伯叙任という一事を軽く見ていると皇帝や帝国に見做される危険性がある。
よって、不在の間に政変や事変が起きても対応できるよう、レオポルドは万全に体制を整えていくことにした。
基本的には今までの帝国貴族、軍人、諸部族の代表が参加する合同会議で物事を決めることとし、票数は帝国人とムールド人で半々とした。
政治関係はレッケンバルム卿がレオポルドの代理人となり、シュレーダー卿が補佐する。
軍事関係はジルドレッド将軍が指揮権を持ち、バレッドール准将が補佐する。
レッケンバルム卿とジルドレッド将軍は何か決定を行うときは補佐役の同意を得なければならず、事前に合同会議の了承を得る必要がある。緊急の場合は補佐役の同意があれば行われ、事後に合同会議の了承を得なければならない。
その決定は速やかにレオポルドに向けて通報されなければならない。レオポルドから指示があればそれに従うこと。
連隊の指揮権は基本的には今までと変わらないが、第一ムールド人歩兵連隊の指揮官は将軍の弟であるジルドレッド大佐が就き、今まで連隊長代理だったケッペン中佐は新たに編成されるファディ守備隊の隊長に就任する。
サーザンエンド・フュージリア連隊、第二ムールド人歩兵連隊、サーザンエンド騎兵連隊はファディ郊外に設けられた兵営に駐屯し、ブレド男爵軍の動きに備える。
第一ムールド人歩兵連隊、ムールド人軽騎兵連隊はムールド南部で闘争を続けるクラトゥン族族長レイナルの捜索及び残党の掃討を担当する。
近衛隊は護衛としてレオポルドに同道することになる。
レオポルドは不安であったが、時間の都合等もあることであるから、年を跨ぐなり、ファディを出立した。
まずは進路を西に取って進むとプログテン山脈に突き当たる。山脈に沿った地域はやや高地となっていて、温暖乾燥した南部一帯とは打って変わって冬ともなれば冷涼な気候となる。雨もムールドに比べれば多い。
アイラから花嫁衣裳に刺繍された百合の花の話を聞いたとき、プログテン山脈付近は暑さがまだマシで水気もあるのではないか。とレオポルドは思っていたが、実際に目にすると思った通りであった。
この環境ならば農耕できる植物もありそうだ。狭い地域なので輸出して商売にするほどの生産はできそうにないが、食糧の増産は非常に重要な問題である。
ムールドの地が非常に広大な割に人口が少ないのは、食糧事情によるものとレオポルドは考えていた。遊牧やオアシス農業では微々たる食糧しか生産することができず、食糧は他の地域からの輸入に頼ることになる。当然、人口は抑制されるだろう。
この地域を農業地域として開発し、ムールドの食料事情を改善し、人口増加を図ることは極めて重要である。
帝都に着いたら、農業に詳しい者を呼び寄せ、開発と農業指導をさせようとレオポルドは考えていた。
また、同時に鉱山技術、道路整備、税制・財政に詳しい者も招聘したい。
レオポルドの帝都詣では色々な予定や希望が詰まっていた。




