間 第五章での主要な登場人物
・レオポルド・フェルゲンハイム・クロス
濃灰色の髪に切れ長の目に赤い瞳。背は高く痩せ形。
帝国騎士クロス家の若き当主である青年。
サーザンエンド辺境伯位の継承権を有し、辺境伯位を狙う。ムールド諸部族をまとめて、ムールドの支配権を握る。ファディに拠点を置き、サーザンエンド中部を狙う。
・キスカ・ナイフ・アリ
銀色の短い髪に漆黒の瞳。褐色の肌で背が高い。
ムールド人ネルサイ族の前族長の娘。
レオポルドをサーザンエンドへと誘った張本人。レオポルドと婚礼を挙げて、正式な妻となるも、表向きは相変わらず忠実無比な副官として振る舞っている。
・フィオリア
明るい赤茶色の髪に吊り気味の大きな緑色の瞳。大変な小柄。
アルベルトに拾われ、レオポルドと共に育ったフェリス人の少女。
レオポルドの義理の姉的な立ち位置でレオのことは唯一の家族と思っている。レイクフューラー辺境伯家の女中をしていたが、義弟の企みを知って半ば強引に旅に同行する。
・ソフィーネ
長い黒髪に吊り目の真紅の瞳。女性にしては長身で肌は新雪の如く白い。
剣の修道院の修道女。十字剣という重量級の剣を操る優れた女剣士。
悪魔の色と忌み嫌われる黒い髪を持つが、幼い頃に修道院に拾われ、匿われてきた。厄介事を起こして修道院を出ることになり、レオポルドたちの旅に同行する羽目になる。
・アイラ・オスライ・オンドル
栗色の長い髪に灰色の大きな瞳。褐色の肌で背が高く、女性らしい体つき。
ムールド人カルマン族の族長の孫娘。
レオポルドに恭順したカルマン族の族長が、レオポルドの第二夫人にと差し出した美女。ファディでレオポルドと婚礼を挙げる。
・エリーザベト・ウォーゼンフィールド
長く美しいブロンドに蒼い瞳。肌はミルクのように白く小柄。まだ幼い顔立ち。
ウォーゼンフィールド男爵の二女。
ブレド男爵との政略結婚が嫌で、城を抜け出し、クロス卿派に保護を求める。
・アルトゥール・フェルゲンハイム
短めの赤い髪に短めの顎鬚。彫りが深く精悍な顔立ちの背の高い若者。
フェルゲンハイム家の非嫡出子ロバート卿の子息。
ブレド男爵に臣従する父に反発して、ハヴィナを脱出。クロス卿派に加わる。サーザンエンド騎兵連隊の指揮官を務める。
・ゲオルグ・フライヘア・レッケンバルム卿
辺境伯宮廷の侍従長。宮廷の有力者。帝国人貴族の中では代表格。老獪な策士で、レオポルドを支持しているが、彼との関係は些か微妙。
・マクシミリアン・ゲオルグ・レッケンバルム大佐
元辺境伯軍第四連隊長。侍従長レッケンバルム卿の息子。極めて寡黙。サーザンエンド・フュージリア連隊の指揮官。
・カール・アウグスト・ジルドレッド卿
元辺境伯軍司令官。宮廷の帝国人貴族。ジルドレッド家の当主。聖オットーの戦いでは総司令官を務め、中央を率いる。レオポルドを支持している。レオポルド軍の司令官。
・パウロス・アウグスト・ジルドレッド卿
元辺境伯軍近衛連隊長。カール・アウグスト・ジルドレッド卿の弟。
・アルバート・バレッドール准将
辺境伯軍の指揮官。聖オットーの戦いでは左翼を率いた。慎重で手堅い指揮を執る。レオポルドを支持する。レオポルドに好意的。
・オーラフ・ルゲイラ兵站監
辺境伯軍兵站監。レオポルドを支持する。レオポルドに好意的。少数民族の文化・風習に精通している。第二ムールド人歩兵連隊の指揮官。
・エリーゼ・エティー大尉
レッケンバルム大佐の副官。口煩くやかましい女性士官。考古学に造詣が深い。
・ヘンリック・ケッペン中佐
元辺境伯軍第四連隊の古参士官。歩兵連隊副長を務めた後、第一ムールド人歩兵連隊の連隊長代理。
・レイナル
ムールド最大の部族クラトゥン族の族長。ムールドの王を名乗り、他の諸部族を攻めて、一時、ムールド南部を支配するが「地獄の入り口」の戦い、モニス解囲戦でレオポルド軍に敗れ、南部奥地に敗走する。
・ラハリ
ムールド北東部「塩の町」を支配するサルザン族族長。ムールド人軽騎兵連隊の指揮官。
・アウグスト・ウォーゼンフィールド男爵
中部に領土を持ち、辺境伯家と縁戚にある帝国人領主。辺境伯傘下の中小領主の中では筆頭の家柄だが、事態の静観を決め込んでいたが、ブレド男爵と結ぶ。家内は自立を目指し、ブレド男爵に接近する独立派とフェルゲンハイム家に忠実な保守派が対立している。
・ブレド男爵
中部に領土を持つテイバリ人領主。辺境伯位を狙い、ウォーゼンフィールド男爵と結び、ハヴィナを含むサーザンエンド中部を支配している。その後、北部の動向に気を取られている隙にレオポルドのムールド制覇とファディ奪還を許す羽目になる。
・ガナトス男爵
北部に領土を持つアーウェン人領主。アーウェン諸侯の支援を受け、辺境伯位を狙う。ドルベルン男爵派と小競り合いを繰り返していたが和解。
・ドルベルン男爵
北部に領土を持つ帝国人領主。事態を静観している。ガナトス男爵派と小競り合いを繰り返していたが和解。