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サーザンエンド辺境伯戦記  作者: 雑草生産者
第二章 南都ハヴィナ
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一六

 サーザンエンドに入って一週間が経った日の夕方。レオポルド一行はようやくサーザンエンド北部の都市コレステルケに入った。

 コレステルケはサーザンエンドに三つある主要な都市のうちの一つであり、南部の中では数少ない帝国人の多く居住する地域である。

 南部では数少ない河川であるヴィデル川に面した都市で周辺には麦畑が広がっていた。麦の他に見慣れた果実や野菜の畑もあったが、レオポルドやフィオリアが見たこともないような木々も多い。キスカ曰くには南部では多く栽培されており、その果実は主要な食品の一つであるという。そのまま食べたり、干して食べたりもするし、シロップにして砂糖や蜂蜜の代用としたり、ジャムにしたりもする。酒や酢にもなり、干した果実や種子は家畜の飼料にもなる。若芽は野菜として食べられるし、幹は建材にも燃料にもなる。非常に万能かつ有益な植物で南部では広く一帯で栽培されている。どういう経緯で伝播したのか、東方大陸の南部でも栽培が盛んだという。

 麦畑や野菜畑に囲まれたコレステルケは旅の途上で立ち寄ったアーウェンの諸都市よりもより帝国本土の都市に近いように見える。本土の多くの都市と同じように市の中心には大きな広場があり、広場に面して市参事会堂や教会、商業組合や職人組合の本部といった帝国風の煉瓦造りの建物が並ぶ。

 城門を潜り、大通りを広場まで歩いていくと時刻はちょうど夕食時で広場にはいくつもの食べ物屋の屋台が出て、美味そうな香りを周囲に振りまいている。

 豚や牛、羊などの焼肉、硬そうな肉が浮いた麦粥、くず野菜と臓物のスープ、薄っぺらいパンに焼いた肉を挟んだもの、川魚のフライ、混ぜ物がたっぷりと入った麦酒に葡萄酒、よくわからない果実酒。

 昼頃に食べた、もはや食べ飽きた石のように硬いパンと塩辛い干し肉の昼食もすっかり消化されていたレオポルドたちは屋台に並ぶ安っぽく粗野ではあるが、少なくとも温かく硬パンや干し肉よりは柔らかそうな料理の数々を食い入るように見つめる。肉汁が滴る焼肉にかぶりつき、ここ最近とんと食べていない魚を味わい、泡立つ麦酒を飲み干したいところだが、そうはいかない。

「夕食は宿を取ってからにしましょう。もうこんな時間だし、まともな宿が空いてるかどうかも微妙なんだから。余計な時間を使っている暇なんてないわ」

 一行の財布を握るフィオリアは断固として今夜休む宿の確保を最優先の目標としていて、その前に夕食を摂ることを許してはくれなかった。

 空腹を抱えたレオポルドたちは後ろ髪引かれる思いで渋々と屋台が集まる広場を後にする。

 宿が集まる通りへと向かうと手分けしてまともな宿を探す。旅の初めに酷い安宿に泊まって以来、彼らは、特にフィオリアは宿泊する部屋に大きな関心を持っていた。

 あれこれと宿を探し回って四人くらい雑魚寝しても平気なくらいの広さで環境がそれほど悪くもなく程々に安い宿を見つけ、彼らがそこを宿泊場所と決めた時には夕食時はとっくに終わっていて、広場の屋台は店じまいをしているところだった。一行はがっくしと落ち込みながら広場を後にする。

「久しぶりに魚が食いたかったんだがな」

 レオポルドが気落ちした様子で呟く。

 ここ数週間、いや、一ヶ月以上も内陸部を進んできた彼らの食糧は主に肉とパンで、その他、たまにチーズなどの乳製品、くず野菜のスープや干した果実を口にするくらいだった。ほとんど塩味の肉と硬いパンばかり食べていて、彼らはその手の食事にすっかり飽き飽きしていた。魚なんてもうずっと口にしていない。

「魚が食べられないくらいで、そんな落ち込まないの。若しかしたら宿の食堂で魚料理が食べられるかもしれないじゃない」

 フィオリアが励ますように言い、一行はそれに淡い期待を寄せた。

 併設された食堂で酒や食事を提供している宿は少なくなく、今晩、彼らが宿を取った「豚の尻尾亭」にも広々とした立派な食堂が備え付けてあった。

「せめて宿の名前が魚の尾っぽだったら魚料理が出そうなものだが」

 宿の看板を見つめて、レオポルドは呟く。

 「豚の尻尾亭」は非常に大きな宿で、部屋数は数十以上。収容できる人数は数百人にも及ぼうかというほどだった。宿泊料金は程々で中流以上の人間を客にしているようで、部屋も清潔で文句のない宿と言えた。

 一行が宿の食堂に入ると既に夕食時を過ぎているにも関わらず、結構な混み具合で席の多くが埋まっていた。客の多くが行商人のように見え、帝国人もいればアーウェン人もテイバリ人もいるようだ。キスカと同じように茶色いフードをすっぽりと被った連中の姿も見える。酒を飲んで、機嫌良さそうに騒いでいる連中もいた。店員たちはあっちへ駆けこっちへ駆けと忙しそうに立ち回っている。

 レオポルドたちはどうにか空いていた席を確保し、店員を呼んだ。

「はいはいはい。ただいまー」

 そう言って小間使いの小僧がテーブルに駆け寄ってきた。

「魚料理はあるか」

 レオポルドは真剣な顔で小僧を見つめて尋ねた。

「はいっ。川魚のフライとか鯉の煮付けなんかがあります」

 それを聞いたレオポルドは目を輝かせて財布の権限を握るフィオリアを見つめる。

「じゃあ、川魚のフライにパンをいくつかと、あと、何かスープと麦酒を下さい」

 フィオリアが注文し、レオポルドは満足げに頷いていた。

「そんなに魚が食べたいですか」

 小僧が立ち去った後、珍しくキスカが口を開いた。どういうわけだか微妙な顔をしている。

「暫く食っていなかったからな。肉も嫌いではないが、塩辛くて脂っこい肉ばかり食っていては魚の味が恋しくなるものだ」

 レオポルドの言葉にキスカはなんだか苦々しいような嫌そうな微妙な顔をしていた。

「何だ。その顔は」

「いえ、何も……」

 キスカはそう言って俯く。

 気になったレオポルドが更に追及すると、キスカは渋々とその理由を述べた。曰く、遊牧民にとっては魚なんてもんは上等な食い物ではないらしい。

 そもそも、遊牧民は水気のある場所を体に悪いと思っており、水辺に住む人間を見下し、川で魚を獲って食うなんて行為は軽蔑すべき行為というのが彼らの認識であるという。

 キスカ自身には水辺に住む人や魚を獲る行為を見下すような意識はないものの、それでも魚は上等な食べ物ではないという長年の認識は簡単には捨て去れないようだ。

「ふむ。古い貴族が四足獣の肉を食いたがらないようなものか」

 キスカの話を聞いたレオポルドが呟く。

 貴族の間には四足獣を下等な食べ物と見下し、肉は小鳥やアヒル、ガチョウ、去勢鶏くらいしか口にしないという一昔前の概念を未だに引き摺る者が少なくない。

 そこへ注文した料理がやってきた。テーブルの中央に置かれた大皿には一口で食べられるくらいの川魚のフライが山盛りになっている。あっさりした白身の川魚に小麦粉を麦酒で溶いた衣をつけて、からっと揚げ、塩を振りかけただけのいたってシンプルな料理だ。

「君の言い分はわかった。しかし、食わず嫌いはいかん」

 そう言ってレオポルドはフライを一つ摘まんでキスカに突き付ける。

「一つ食べてみるといい」

 キスカは非常に困惑した顔で突き付けられた川魚のフライをじっと見つめた。レオポルドの目を見て、彼に引く気がないと察し、観念したように口を開き、フライを口に入れた。

「味はどうだ」

 キスカは暫くの間、しかめっ面で口をむぐむぐさせていたが、表情の硬さは取れていく。

「……美味しい、です」

 そう言った彼女は信じられないという様子で川魚のフライを見つめた。初めて魚を食べて、その美味しさを理解したらしい。

 その様子を見たレオポルドは満足そうに麦酒の注がれたカップに口を付ける。

 と、そこでフィオリアが険悪な目で自分を見つめている、というより、睨みつけていることに気付く。

「な、何だ。フィオ」

「べ、つ、に」

 フィオリアは大変不機嫌そうな顔でつっけんどんに言うと、揚げ立ての川魚を口の中に放り込んでそっぽを向いてしまう。

「なんか、怒ってないか」

「べっ、つっ、にっ」

 フィオリアは明らかに怒った顔で麦酒を呷るように飲み干す。

 その様をレオポルドは唖然として見守り、同じように困惑するキスカと顔を見合わす。

 そんな三者三様をソフィーネは呆れ顔で眺めながら黙々とパンをスープに浸して食べていた。


 夕食の後、一行は部屋に戻った。

 部屋はいつものように一つである。彼らの部屋は最上階である三階の廊下から最も奥まった箇所にあった。

 ソフィーネは未だに異性と同じ部屋で寝ることに拒絶感があるらしく、レオポルドと同じ部屋で寝ることに遺憾の意を表し、今夜も両者は最も離れた位置で横になった。キスカとフィオリアはその間に寝そべる。

 すっかり旅慣れしたキスカとフィオリアは早々と寝入り、ソフィーネは寝ているのか起きているのかよくわからないものの、横になったまま微動だにしない。

 ただ一人、未だに安宿の硬い床に雑魚寝という就寝スタイルに慣れない貴族の倅のレオポルドはこの日も中々寝付けない夜を過ごしていた。幾度も寝苦しそうに体の姿勢を変えながら黙って目を瞑り続ける。眠れなくても目を閉じて黙って横になっていれば、やがては睡魔がやってくることを知っているのだ。

 まんじりともせず、一〇分、二〇分、三〇分と時間が過ぎ、レオポルドの意識がようやく夢の国に片足突っ込みかけた頃、ソフィーネがゆらりと音も無く立ち上がった。

 その気配を逸早く察したキスカも起き上がる。

「足音がします」

 ソフィーネは部屋のドアから視線を外さないまま、囁くような小声で端的に言った。

 その声にレオポルドも夢の中から現実の世界に引き戻される。

「足音だと」

 レオポルドが寝ぼけ半分で呟く。

「こちらに近づいています」

 ソフィーネは険しい顔で呟きながら寝るときでも常に傍らに置いている自身の長剣を手に取った。非常に長い両刃剣だ。柄が特徴的な形状をしている為、剣全体の形が十字に見えることから十字剣と呼ばれ、教会騎士団の騎士が好んで使う。極めて長く重い為、大変使い難いが、その威力は相当なもので手練れの騎士が振るえば鎧を着た兵士を縦に一刀両断できるとも云われている。

「誰かが便所にでも行ったのではないか」

 レオポルドが声を潜めて言ったが、すぐに便所は一階にしかなく、この部屋は階段から最も離れていることに思い至る。となれば、足音がこちらに近づいてくるのは、この部屋に用事があるとしか思えない。

「やましいことがなければ、このように足音を忍ばせたりしないでしょう」

 ソフィーネの言葉にキスカも頷く。確かに普段の生活で意識して足音を忍ばせて歩くことは少ない。

 しかし、どんなに音を立てないようにしても、太陽はとうの昔に地平線の向こうに姿を隠し、世界はすっかり黒に染まり、人々は家の中に引き籠り、ベッドで夢を見ているような、静寂に包まれた闇夜でその足音を隠しきることなど容易ではない。耳を澄ませば木の床がぎしりぎしりと軋む音が微かに空気を震わせる。

 十字剣を手にしたソフィーネは音もなく鞘から刃を抜き放ち、キスカも半月型の剣を手に取った。レオポルドはサーベルを掴み、部屋の真ん中に寝ているフィオリアを、なるべくゆっくりと荷物をまとめて置いている壁際の邪魔にならない場所に転がしておいた。それでも全く起きる気配もなくのんきに眠っているフィオリアの鈍感さに彼は呆れた。

 微かな足音はゆっくりと静かに近づいてきて、やがて、ドアの向こう側で止まった。

 何者かがドアを押し開ける。そこにいたのは茶色い布で全身を覆った男たちで、その手にはキスカのものと同じような半月型の抜き身の剣が握られていた。

 目が合った瞬間、布の隙間から見える男の顔が驚愕に一変する。

 次の瞬間、押し開けられたドアの死角にいたソフィーネが勢いよくドアを蹴倒した。先頭の男はドアの下敷きになり、体を起こそうとする前に、ドアごと重く長い十字剣で串刺しにされ、悲鳴を上げる間もなく絶命した。

 ソフィーネはドアを片足で踏みつけながら、十字剣を抜き、廊下に屯する残りの男たちに向ける。

 その間、数秒も経っていなかった。

 ようやく、事態を把握した男たちは半月刀を振りかざしてソフィーネに立ち向かうが、入口の狭さから同時に襲いかかることができず、一人ずつ挑む形にならざるを得ない。

 一人目は袈裟懸けに斬り伏せられて鮮血を噴き上げながら倒れ込み、二人目は横薙ぎに脇腹を斬られると同時に背骨を圧し折られ、内臓を潰されて、断末魔の悲鳴を上げながら廊下の隅に転がった。

 あっという間に三人がやられて動揺した男の腹を十字剣が貫く。男の腹を突き破った剣先が背中から突き出る。ソフィーネは一人を串刺しにした勢いのまま上手く体重をかけて更に押し出し、その後ろにいた男まで突き刺して、そのまま廊下の壁に打ち付けてしまった。

 最後に残った一人が横からソフィーネに向けて半月刀を振り下ろす。が、剣を握っていた右腕を振り切ったにも関わらず、ソフィーネは平然としている。男がふと自身の右腕を見ると手首から先がすっぱりとなくなって勢いよく血が噴き出ていた。半月刀を握ったままの右手は床に転がっていて、男は酷い痛みに悲鳴を上げながら尻餅を着いた。

 最後の男の右手を綺麗に斬り落としたキスカは血の滴る半月刀を持ったまま、男を見下ろし、短く問い質すと男は恐怖と激痛に身を縮めながら涙を流しながら何事が言い返す。レオポルドには聞いたこともない言語だった。

「何の言葉を話しているのだ」

 レオポルドが尋ねると壁に突き刺した十字剣を引き抜こうと死体を足で抑えながら引っ張っていたソフィーネが素っ気なく答えた。

「ムールド語です」

「ムールド人の言語か」

「ムールド語っていうんだから、そうに決まってるじゃありませんか」

 ソフィーネはキツイ口調でそう言いながら死体から引き抜いた十字剣を哀れな被害者の衣服のあまり血濡れていない部分で丁寧に血を拭き去り、鞘に納めた。

「ということは、こいつらはムールド人というわけか」

 キスカと同じ民族ということになる。ただ、話を聞くに部族社会であるムールド人は部族ごとに風習も様式も思想も帝国への感情も違い、部族間抗争も激しいという。おそらくはキスカの属する部族とは別の部族から送られた暗殺者か何かなのだろう。と、レオポルドは考えた。

「レオポルド様」

 生き残りの男からの事情聴取を終えたキスカがレオポルドに向き直る。

「彼らは金で雇われて、私たちを襲撃したようです。雇ったのはアーウェン人だったそうです」

「ほう。アーウェン人か。じゃあ、ガナトス男爵が黒幕か」

 いささか単純すぎるかもしれないが可能性としてはそれが最も高い。サーザンエンドのアーウェン人系領主ガナトス男爵は辺境伯位を狙っていると噂されていて、アーウェン地方の諸侯から強い支援を受けているという。

 レオポルド一行はアーウェン地方を抜けてきたので、何処かでレオポルドの存在が知られ、その情報がガナトス男爵の耳にでも入ったのかもしれない。

 サーザンエンド辺境伯位を狙う者にとって、フェルゲンハイム家の血を継ぐ者の存在は邪魔以外の何物でもない。多少手荒な手段を講じてでも亡き者にしてしまおうと画策しても全く不思議ではないだろう。

「しかし、俺のことなんか知っている奴がいるとは思えんがな。教会には挨拶して回ったが教会とアーウェン人は仲が良くないし」

 レオポルドは首を傾げ、ふと視界にソフィーネが入って思い至った。

 おそらくは彼女が原因だろう。

 ソフィーネがレオポルド一行に加わる原因となったのは彼女が帝国屈指の大貴族白亜公の子息ウィッカードルク伯を酷い目に遭わせてしまったせいである。彼女がそのまま修道院に残っていては厄介なことになろうから、その場から逃がそうというわけでレオポルド一行に加わったのだ。

 ここからは想像になるが、目を覚ましたウィッカードルク伯は自分をこっ酷く痛めつけた奴を呼び出すだろう。

 しかし、剣の修道院はそいつはもういないと答える。じゃあ、どこに行ったのか。レオポルド・フェルゲンハイム・クロスという帝国騎士と一緒に南へ向かいました。そのような会話がなされたことは想像に難くない。

 その後、ウィッカードルク伯はどのような行動を取るか。なんとかして、ソフィーネを見つけ出し、復讐しようとその近辺や南の方を探し回るだろう。その過程でソフィーネの話や同行者のレオポルドの話が出てもおかしくはない。

 そうして、レオポルドの情報は教会の中から外へ出され、あとはサーザンエンドやフェルゲンハイム家の事情に詳しく、察しの良い者の耳に入るのを待つだけだ。

 彼はレオポルドがサーザンエンド辺境伯位の継承を狙っていると推察するだろう。その情報は早馬でアーウェンからサーザンエンドのアーウェン人領主ガナトス男爵に届けられる。

 おそらく、事の真相は以上のようなものだろう。

 というわけで、ここから先は常に暗殺者の襲撃に警戒しながら進まねばならないのだろう。今まで以上に厳しい旅になりそうだ。

 それはともかくとして、今はこの現状をどうするかである。先程、物音を聞きつけて見に来た宿の人間がこの惨状を見て、悲鳴を上げて逃げていったのだが、どうしたものか。と、レオポルドは難しい顔で考え込む。

 部屋の中では相変わらずフィオリアが幸せそうな寝顔でぐっすりと寝入っていた。

『コレステルケ』

 サーザンエンド北部の都市。人口は約三万人で、サーザンエンドでは南都ハヴィナに次ぐ。

 ヴィデル川沿いに築かれ、サーザンエンドでは珍しく比較的豊かな水源に恵まれ、盛んに農耕がおこなわれている。小麦の他、乾燥に強いナツメヤシやオリーブ、葡萄、柑橘類などが多く栽培されている。

 古代ミロデニア帝国時代の植民都市として建設されたが、帝国崩壊後、北方からアーウェン人が侵入し、アーウェン人の町となる。神聖帝国とアーウェン王国が争ったアーウェン戦争の最中に帝国軍に包囲され、三年に及ぶ籠城戦の末に陥落。五〇〇〇人以上のアーウェン人が虐殺されたとされる。その後、帝国人が多く移り住み、現在は住民の大半が帝国人で、サーザンエンドでは最も帝国化が進んでいる。

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