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サーザンエンド辺境伯戦記  作者: 雑草生産者
第一〇章 サーザンエンド辺境伯
164/249

一五八

 正式にサーザンエンド辺境伯の地位を継承し、名実ともにハヴィナ城の主となり、婚礼と一週間余に渡って続けられた祝宴が全て終わった後もレオポルドがハヴィナ城の宮殿に移ることはなかった。

 ハヴィナ城には大小いくつかの建物があり、通常ハヴィナ城と言えば城内の中心に鎮座する巨大な石造りの灰色の宮殿を指し、歴代の辺境伯はこの宮殿に住み、各種の行事、式典を催し、政務や会議も執り行われた。

 四隅に大きな塔を設けた長方形の無骨な建物で、数百人もの人々を収容することができる大広間や荘厳な雰囲気の謁見の間、いくつかの広間に数十もの部屋があり、図書室や聖堂も付属している。

 しかし、古く無骨で鈍灰色の巨大な岩の塊にしか見えない宮殿をレオポルドは嫌い、灰色の古い城と呼んだ。以来、宮殿は「灰古城」と呼ばれるようになる。

 また、灰古城はあまりに広く、部屋数が多すぎる為に、執務室と寝室、食堂、図書室、謁見の間、会議室、更には食堂、便所、浴室といった目的ごとの部屋が遠く離れ過ぎていて、移動だけで時間を浪費してしまうと感じていた。

 辺境伯位の継承と辺境伯政府の設立、それに自身の婚礼という大きな行事を終えた為、一時期よりは随分と仕事量が減ったものの、相変わらず多忙の身であるレオポルドにとって、別の用事を済ませる為だけに長時間の移動を強いられる生活は我慢ならぬことであった。

 そもそも、合理主義者である彼は使用する部屋は可能な限り少なく、尚且つ機能的にまとめて配置されているべきであると考えているのだ。

 そういうわけで、レオポルドはハヴィナ入城以来住まいとしている青い小宮殿から移動せず、灰古城には必要最小限の場合にだけ足を運んだ。

 主が居なくなってしまった灰古城にはサーザンエンド辺境伯領議会とサーザンエンド高等法院が入ることになり、それらに出席したり、或いは何かしらの式典、祝宴、晩餐などに顔を出すときだけレオポルドは灰古城を利用するようになった。

 侍従や女官といった多くの宮廷の高官は灰古城に居を与えられていた為、主君に用事がある場合、青い小宮殿まで行かねばならず、辺境伯が青い小宮殿に居を定めたことが甚だ不評であった。

 もっとも、レオポルドが灰古城を避けたのは儀礼や慣習に煩い旧態依然としたハヴィナ貴族たちを生活の場から遠ざけたいという思惑もあった為である。

 レオポルドが生活の場として選んだ青い小宮殿は灰古城よりも二回りも三回りも小さな三階建ての建物で、南部風の紋様が描かれた青いタイルで装飾されているのが特徴である。

 レオポルドは小宮殿の書斎を図書室兼会議室として使い、その隣にある本来は使用人の控室として用いられていた部屋を自身の執務室兼寝室にしていた。

 元々が書斎の主人に呼ばれるまで使用人が待機している部屋である為、寝台と机、椅子などを持ち込むと大変窮屈になってしまうのだが、機能性を重視するレオポルドは問題とせず、仕事をして眠くなったらすぐ横になれるので便利だとすら考えていた。

 もっとも、彼は常にこの狭苦しい部屋に籠っているわけではなく、別の寝室を用いることも多かった。

 三階建ての青い小宮殿には当然きちんとした寝室がいくつかあり、その内の一つずつがキスカとアイラに与えられている。

 二人はレオポルドとムールド式の婚礼を挙げているものの、それは教会法に定められた正式なものではない為、帝国及び教会の法の上では夫人として扱われていない。

 それでも、サーザンエンドにおいては二人の立場は公然のもので、キスカやアイラが小宮殿に部屋を与えられていることに表立って異論を申し立てる者はなかった。

 レオポルドは日によってはキスカやアイラの寝室で過ごすことがあり、若しくはその両方と閨を共にすることがあった。

 アイラはレオポルドとの間の子ソフィアの出産後、体調の回復が思わしくなく、暫くムールドの首都ファディに留まっていたが、年明け前には母子共にハヴィナ入りし、小宮殿の「薔薇の間」を与えられた。

 薔薇の間はその名の通り、壁紙に薔薇の紋様が描かれた部屋で、小宮殿の南側の最も居心地の良い部屋の一つである。

 一方、キスカには「半月刀の間」と呼ばれるレオポルドの書斎に最も近い寝室が宛がわれている。元は「桃百合の間」という壁に桃色の百合が描かれた部屋だったのだが、キスカが趣味に合わないと言い出し、壁紙を剥がしてしまった為、彼女がいつも腰に提げている半月刀からそう呼ばれるようになったのである。

 子供たちはアイラの一族出身の乳母が「白馬の間」と呼ばれる見事な白馬の絵が飾られた部屋で養育していたが、母親たちやレオポルドも頻繁に通い、子供たちの面倒を見ている。

 キスカが産んだ長子ルートヴィヒはもう一歳になろうという頃で、何か言葉めいたものを言い出しそうな気配があり、レオポルドは頻りと「父」と呼ばせよう試みていた。

 レオポルドの義姉と言うべきフィオリアと剣の修道院の修道女だったソフィーネも小宮殿に住んでおり、フィオリアには小宮殿付女官という宮廷の地位と「緑の間」という部屋を与えられ、ソフィーネは小宮殿に付属した小さな礼拝堂で寝起きしている。

 また、青い小宮殿にはレオポルドの直属機関である辺境伯官房の事務所も置かれていて、官房長レンターケットをはじめとする十数人の職員が主君の仕事を支えていた。

 レオポルドと四人の女性たちは何かしらの用事がない限り食事を共にすることが多く、通常はレオポルドの欠かせぬ習慣である朝風呂の後、共に食卓を囲んだ。

 小宮殿の食事を担当する料理人には多くのムールド人が起用されており、供される料理もムールド風のものが少なくない。

 この日の朝食は羊肉と豆に香草を加えたあっさりとしたスープ、肉詰めピーマンとジャガイモのトマト煮込み、ムールド風の平べったいパン、いくつかの野菜を酢で和えたサラダ、その他、いくつかの果実やヨーグルトという献立で、朝の入浴を済ませたレオポルドが食堂に入ったとき、キスカ、アイラ、フィオリア、ソフィーネといった面々は既に揃っていた。

「やっと来た。これでやっと食べられるわ」

 レオポルドを目にした途端にフィオリアが不機嫌そうに言った。

「レオ。前から言ってるけど、入浴は朝食の後にしてよ。そうしたら、お腹を空かせてあんたを待たずに済むんだから」

「朝起きたら風呂に入らないと気持ちが悪いんだ。それに寝間着から着替えて食事して、また服を脱いで風呂に入ったら面倒くさいじゃないか。寝間着を脱いで風呂に入ってその日の服を着る方が合理的だ」

「どうせ昼前になったらまだ風呂に入るくせに、着替えの手間が一回くらい増えてもなんてことないじゃない」

 言われてみればその通りなので、レオポルドは閉口して席に着く。

「それでは」

 全員が席に着くとソフィーネが瞑目し、祈りの言葉を唱える。

「主よ。私たちの父よ。寛大なる天よ。正義と奇跡が成ることをお祈りいたします。私たちに恵みを齎し給え。私たちの罪を赦し給え。私たちを悪の誘惑から救い給え」

 他の四人は黙ってそれを聞く。本来は唱和するところであるが、あまり信心深くないレオポルドとフィオリアは気分次第でぼそぼそ唱えたり黙っていたりした。正教徒ではないキスカとアイラはそもそも食事の前に祈りの言葉を唱える習慣がない。

 祈りの後、最初にレオポルドが料理に手を付け、食事が始まる。

「俺を待たずに先に食べて良いといつも言ってるだろう」

「旦那様に先んじて食事に手を付けるなど許されることではありませんわ」

 レオポルドの言葉にアイラがはっきりと言い、隣席のキスカも黙って頷く。対面に座るフィオリアとソフィーネは呆れたような諦めたような顔でレオポルドを睨む。

 何故か責められたレオポルドは苦笑いしながらパンをスープに浸す。

「そういえば、ソフィアの熱は下がったのか」

 尋ねるとアイラの顔色が曇る。

 長女ソフィアは生後間もなくから体が弱く、この頃も発熱や嘔吐、下痢といった症状を見せていた。

「医師の話では子供にはよく見られる不調のようで、特に大きな病ではないと。体を温め、水分と栄養を十分に摂れば回復するとのことです。ただ、元から体が弱いので、大きな病でなくても悪くなる場合もあると」

「医師はいつも悪いことばかり口にするものです」

 キスカが毅然として言い放つ。

「彼らに診せればどんなに壮健な人間でも何かしらの悪いところを見つけ出すでしょう」

 そう言って彼女はアイラを見つめる。

「ですから、そんなふうに気を落としてはいけません。病は気からです。また体調を崩しますよ」

「はい、キスカお姉さま」

 アイラは気丈に微笑む。

 ムールドの男は四人まで妻を持つことが許されていたが、その妻たちは姉妹のようなものであると云われている。実際に姉妹のように仲良くなるか、険悪な関係になるかは各家庭によって違うようだが、レオポルドの第一夫人と第二夫人は良好な擬似的姉妹関係を保っているらしい。


 朝食の後、レオポルドとキスカは執務室に向かう。レオポルドの狭苦しい部屋にはキスカの机も置かれていて、彼らはいつも同じ部屋に籠って二人きりで仕事をしているのだ。

 その間、アイラはレオポルドの副官としての仕事に係りきりになっているキスカに代わって、自身とキスカの子の世話をしている。

 フィオリアは小宮殿内の家政を担っており、辺境伯一族の衣装や装飾品の管理、食料品や日用品の補充、使用人たちの監督などもしなければならず多忙な日々を送っていた。

 ソフィーネはといえば、朝食の後はハヴィナ市内にある孤児院の手伝いをしたり、孤児たちに剣術を教えたりしている。

 レオポルドの執務室にはレンターケットやバレッドール将軍といった側近が頻繁に出入りし、様々な報告や相談ごとを持ち込み、レオポルドはその度に頭を悩ませていた。

 とはいえ、最近は悪い報告ばかりでもなかった。

「レッケンバルム卿はレオポルド様の税務官がサーザンエンド全域で活動することを認めらるとのことです」

 レンターケットの言葉にレオポルドは満足げに頷く。

 辺境伯がサーザンエンドを統治する為には多くの資金が不可欠であり、その主要な収入源は税収であるが、歴代の辺境伯たちは十分に税を徴収することができていなかった。

 それは未熟な徴税組織の問題もあったが、領内に割拠する中小領主たちの領地において十分な徴税事務ができなかった為でもある。領主たちには歴代の辺境伯たちから得た特権や慣習によって保護された権利があり、自領内で辺境伯の役人が活動することを許さなかったのである。

 辺境伯は自身の税を徴収する為には中小領主たちを通じるより他なく、その徴税の仕組みには不正や間違いが付き物であった。

 レオポルドはこの制度を改め、自身の役人が適切に税を徴収できるようにしたいと考えていた。

 レッケンバルム卿らハヴィナ貴族が容易くこれを認めるわけがないところだが、辺境伯政府の過度の弱体化は彼らにとっても望むところではない。

 ムールド諸部族を服従させることに失敗し、ブレド男爵やガナトス男爵といった異民族系の領主の台頭を招き、挙句の果てに辺境伯位を巡る紛争まで生じてしまった事態は辺境伯権力が貧弱であったことが主な要因であるとレッケンバルム卿らは認識しており、ある程度の辺境伯権力の強化には協力する姿勢を見せることとなった。

 その上、ブレド男爵やガナトス男爵に付いた少なくない数のハヴィナ貴族が恩赦されており、この借りも返さねばなるまい。

 そうして、レッケンバルム卿は辺境伯の役人による徴税を認めることとなったのだ。ハヴィナ貴族の領袖とも言うべき卿が頷けば、それに反対できる貴族は多くない。

「可能な限り速やかに税務官をサーザンエンド全土に派遣させられるよう努めよ」

 レオポルドの指示にレンターケットが頷く。

 辺境伯による徴税は主として二つに分けられる。一つは関税であり、これは既に組織化されており、領内を通過する商品に課税・徴税を行っている。もう一つは領内に流通する様々な品に課された税で、代表的なものは酒税などである。

 これを担当する徴税役人は計量官、徴税官、査察官といった三つの職務に分かれている。

 計量官は一日に何マイルも歩き(騎馬で巡回する場合は何十マイルも)、数十軒もの醸造所、酒屋や酒類の販売を認められている宿屋などを巡って、商品を計量し、帳簿を調べ、納税額を査定する職員である。

 徴税官は担当区を定期的に巡回して計量官の査定した額に従って業者から税を徴収し、ハヴィナに送金する。

 そして、査察官は何十マイルもの距離を巡回して、担当する数人の計量官の仕事に不正がないかを調査して、ハヴィナの会計調査官に報告するのが職務である。

 この仕組みによって効率的かつ正確に税が徴収されることとなる。

「辺境伯軍の再編はほぼ完了致しました」

 レンターケットに続いて宮廷軍事顧問官バレッドール将軍が報告する。

 レオポルドのハヴィナ入城、サーザンエンド辺境伯継承により、従来の辺境伯軍とレオポルドが率いてきたムールド伯軍は統合され、近衛歩兵連隊、近衛騎兵連隊の二つの近衛連隊の他、サーザンエンド・フュージリア連隊をはじめとする一二個歩兵連隊、三個騎兵連隊、二個砲兵連隊、一個工兵連隊が組織された。定員は十分に充足されれば総勢二万以上の軍勢となる計算である。

 兵士は志願制とムールド諸部族からの出仕による他、サーザンエンド全土に徴兵令が出され、多くの若者が軍隊に編入されていた。

 また、辺境伯軍には帝国本土や外国から来た傭兵も数多く含まれている。

 傭兵という連中にとっては戦場こそが仕事場であり、生活の場であり、戦場を求めて放浪する者は少なくない。

 数年に渡って戦乱が続いたサーザンエンドに傭兵が集まるのは必然というものであろう。

 特にここ数年は神聖帝国が恒例のように行う北部の蛮族討伐の為の軍事行動がなく、多くの傭兵が仕事場を探していたのだ。

 各勢力に雇われていた彼らをレオポルドは放置せず、自軍に編入することとした。

 というのも、未だに恭順する気配のないガナトス男爵とその背後に控えるアーウェン諸侯との対決に備え、レオポルドは軍勢を維持する必要があったし、何よりも物騒な傭兵どもを野放しにできなかった為である。

 職を失った兵士がやることと言えば、略奪や乱暴と相場が決まっている。取り締まりには多大な労力を要すだろう。

 そこで彼らを雇って管理下に置いた方が得策と考えたのである。

 傭兵が多く含まれたサーザンエンド第五、第六歩兵連隊はジルドレッド弟の指揮下に置かれ、ガナトス男爵領近くに送り込まれ、男爵に圧力をかけていた。

 ガナトス男爵軍は先の戦いで手痛い敗北を被っており、援軍もアーウェンに引き上げてしまっている為、身動き取れない状況にあるだろう。

 レオポルドはアーウェン諸侯の動きを警戒するとともにドルベルン男爵やレッケンバルム卿を通じてガナトス男爵を降伏させようと試みていた。その成否は未だ不透明といったところ。

 午前も終わりに近くなり、レンターケットとバレッドール将軍が退出するとレオポルドは風呂に入りたいと言い出す。

 昼の入浴は彼の習慣と化しており、当初は水や燃料が勿体ないと文句を漏らしていたキスカも何も言わなくなり、数度に一度くらいは一緒に入浴することもあった。

 入浴後はこれまた朝食の時と同じく五人が食堂に顔を揃える。レンターケットやバレッドール将軍といった側近が同席したり、天候次第では小宮殿の中庭で昼食を囲むのも良いだろう。

 この日は昼食の後、灰古城の謁見の間へ行き、ムールド南部諸部族の一つアイナン族の族長ヘルベルを謁見した。

 彼は帝国語に通じておらず、副官であるキスカが通訳することになっていた。

 ヘルベルはムールド南部の情勢を報告し、その言葉を聞きいたキスカは深刻そうに顔を顰める。

「ヘルベル殿が仰るにはムールド南部ではレオポルド様や帝国に反感を抱く不遜なる輩がおり、武器や資金を集める動きが見られるとのことです」

 ムールドの諸部族は全てレオポルドに服従しているものの、ハヴィナから遠いムールド南部の部族の中には未だ反抗的な態度を崩していない者も少なくないのである。

「何者かが武器や資金を援助している可能性もありますな」

 傍に控えたレンターケットが懸念を表明する。

 サーザンエンド辺境伯の勢力が確固としたものになることを望まない者は少なくない。

「反抗的な態度を示している者共に心当たりはあるのか」

 レオポルドの問いをキスカが通訳し、ヘルベルは少し躊躇った後、いくつかの名を答える。

「アイナン族のジルイ家、イコ家、クラトゥン族のヤッハ家、ハズバル族のナイバル家などの一部に怪しい動きがあるようです。また、ムールド南部では反乱を呼びかける声明が流布しており、どうやらその首謀者はレイナルを名乗っているようです」

 その名を聞いたレオポルドたちは一様に苦々しげな顔になる。

 レイナルはムールド南部で大きな勢力を誇ったクラトゥン族の元族長であり、一時はムールド全域を掌握せんとし、ムールドの王を僭称した男である。

 彼奴はレオポルドに敗れた後、帝国南部南岸ハルガニ地方に勢力を持つ縁戚の部族を頼ったと見られ、レオポルドはこれを追い南岸地域を制圧したものの、レイナルの身柄を捕えることは出来ずじまいとなっていた。

 ハルガニ地方の港湾都市ラジアを占領した後、当地の住民たちから聴取したところによれば、確かにレイナルは一時ラジアに滞在していたものの、その後の行方は判然としていなかった。レオポルド軍に包囲される前に逃げ出したとか、包囲戦の最中に病死したとか、街から船で逃げ出そうとして船から落ちて溺死したとか、燃え盛る屋敷の中で自死したとか。

 以後もムールドではレイナルに関する様々な噂が飛び交い、レオポルドたちの頭を悩ませていた。

 果たしてレイナルは生きているか死んだのか。

「ヘルベル殿。貴君の齎した情報は極めて有益なものである。甚く感謝する。引き続き貴君の忠誠と活躍を期待する」

 レオポルドの言葉にヘルベルは平伏する。

 ヘルベルが不穏な動きを逐一通報することにより、今後万が一にもアイナン族の一部が反乱に加担したとしても、族長ヘルベルや部族の大部分は罪に問われることはないだろう。

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