一三七
ムールド伯領議会において開戦が決議された翌週。総勢八〇〇〇ものムールド伯軍がファディを発した。
ハヴィナ遠征軍は歩兵四個連隊、騎兵二個連隊に近衛大隊と砲兵、輜重隊などによって編成されていた。遠征軍を構成するのは以下の諸部隊であった。
サーザンエンド・フュージリア連隊は最も早くに編成された歩兵連隊であり、帝国人士官と下士官に率いられ、ネルサイ族とカルマン族を中心とする精鋭部隊である。連隊長は伯領議会議長の子息フリードリヒ・マヌエル・ライテンベルガー卿である。
サーザンエンド歩兵連隊は昨年のブレド男爵によるムールド侵攻の際に離反したコンラート・ディエップ大佐が率いており、ブレド男爵の侵攻軍から離反した兵や捕虜のうちムールドに残った者が主体となっている。
ドレイク連隊はグリフィニア人の傭兵隊長ハワード・ドレイクに率いられた外人主体の傭兵連隊であり、ラジア遠征にも従軍していた為、大きな損失を被っており、定数をいくらか割り込んでいた。
第一ムールド人歩兵連隊は北東諸部族の兵によって構成されており、こちらもラジア遠征で甚大な損害を被っていたものの、ムールド人新兵による補充を受けていた。連隊長はサルザン族の族長ラハリ・ブリ・ルスタム。
サーザンエンド騎兵連隊は帝国人騎兵とネルサイ族を中心とした北部諸部族のムールド人騎兵によって構成され、胸甲を装備し、ピストルとサーベルや半月刀を装備した比較的重武装の騎兵連隊である。連隊長はサーザンエンド貴族のクリストフ・アイゲル卿。
ムールド人軽騎兵連隊は南部諸部族のムールド兵によって構成された軽装備の騎兵で、こちらもラジア遠征で損害を受けていたが新兵の補充を受けている。ネルサイ族の長老で伯領議会副議長の子息ファイマン・イブラム・ケトマンが指揮官を務めていた。
軍勢の先頭を進むのは見事な毛並みの白馬に跨ったレオポルドである。その後ろには実質的な総指揮官であるアルバート・バレッドール将軍やハヴィナ遠征軍の主力を担うサーザンエンド旅団を率いるマクシミリアン・ゲオルグ・レッケンバルム准将、その副官であるエリー・エティー少佐、兵站総監オーラフ・ルゲイラ大佐、近衛大隊長代理サライ少佐といった幕僚たちが続く。更にその後ろには近衛大隊副長兼第一中隊長のハイドリヒ・ハルトマン大尉、大隊旗手カール・ハルトマイヤー中尉といった近衛大隊の幹部。それに従軍司祭という名目ながらレオポルドの護衛役であるソフィーネが付き従っていた。
軍勢はファディの中心にある広場から街を南北に貫く街道を北へと進み、その道路脇には住民や兵士の親族が見送りに出ていた。歓声で兵を送り出すという雰囲気ではなく、各所で見知った兵士に野の花を差し出し、別れの抱擁や接吻を交わす姿が見られた。
これまで何度もファディから多くの若者が戦場に向かい、その内のかなりの兵が無事に帰って来ず、代わりに幾度もの合同葬が執り行われた。それが再び繰り返されることを彼らは知っているのだ。
彼らのその行動は隊列を乱し、行軍をやや遅らせていた。厳格なキスカがいれば隊列を乱すななどと厳しく言うところかもしれないが、レオポルドも他の士官たちも制止しようとは思わなかった。兵や残される家族の気持ちを思えば、別れを惜しむ気持ちは十分に理解できるし、住民の間に広がる厭戦気分と戦いに対する反発を鑑みれば厳しく言うわけにもいくまい。
そのような雰囲気であったからか、一人の初老の夫人がレオポルドの面前に飛び出しても誰かに制止されることはなく、彼女は鐙に乗せたムールド伯の足に縋りつき、涙ながらに喚き立てた。
「無礼者っ。控えよっ」
慌てて近衛大隊長代理のサライ少佐が怒声を浴びせながら馬を寄せ、乗馬鞭を振り上げた。
レオポルドが片手を上げて制止すると少佐は黙って乗馬鞭を下ろし、後列を振り返って兵を呼んだ。
「何かを訴えたいらしいが、何を言っとるのか分からん」
ファディに住むカルマン族には帝国語を話せる者が多いとはいえ、それは商業に携わる男たちに限られる。家族や親族、近所の人間以外と接することが稀な女性では有力者の親族を除けば帝国語を解する者は多くない。
「私にも分かりません」
サライ少佐の答えにレオポルドは眉根を寄せる。
「……この夫人はムールド語を喋っているのではないのか」
「ムールド語ですが、嗚咽混じりで聞き取れんのです」
「……………」
沈黙したレオポルドが足を引っ張られて馬上でがくがく揺らされていると群衆の中から中年の男が前に出て平伏して叫んだ。
「お恐れながら、その老婆の愚かな行為をお許し下さいっ」
「今すぐに手を放してくれれば寛大になれそうな気がする」
相変わらずがくがくと揺さぶられるレオポルドの皮肉を男は聞かなかったようだ。
「この老婆は錯乱しておるのですっ」
「お前はこの老婆の関係者か」
サライ少佐の問いに男は老婆の甥だと答えた。
「叔母は末息子が戦場に行くことに耐え切れないのです」
「戦場に赴くはムールドの戦士の名誉と義務であろう」
「叔母は先の戦いで息子を三人失っておるのです。この戦いに行く末息子は叔母の最後の息子なのです。まだ一三歳だというのに……」
男は涙を流しながら嘆き、少佐は渋い顔で黙り込んだ。
「男子が一人しかいない家は徴兵の対象外だったはずだが。それに一三歳は徴兵の対象年齢ではないぞ」
騒ぎを聞いて馬を進めてきたバレッドール将軍が言った。
「事務の手違いなどよくあることだ」
レオポルドが事も無げに言った。レオポルドはムールド伯になる前もなってからも人手不足の為に自ら事務仕事をすることが多く、事務に手違いや誤りが発生することを実感として認識していた。
とはいえ、少年はもう兵員名簿に名前が記入されてしまっている。兵員名簿に載せられた名前を取り除くのは容易なことではない。
ようやく現れた近衛大隊の兵が老婆をレオポルドから引き離すとレオポルドが声をかけた。
「ご夫人。亡くなられた御子息の忠節に感謝し、その勇気を賞す。また、その犠牲を深く哀悼するものである。今一人の御子息については亡くなった兄君たちの働きを鑑み、然るべき配慮を行うことを約束しよう」
兵に両脇を抱えられて連行されていく老婆を見送ってからレオポルドが視線を向けるとサライ少佐が口を開いた。
「閣下。私の従兵を一人増やしても宜しいでしょうか」
従兵は高級士官に仕え、事務仕事から給仕まで身の回りの様々な雑務を担うのが仕事である。当然、前線に出る機会は多くはなく、多くの兵に比べ安全な立ち位置にある。
「宜しい」
レオポルドは満足そうに頷くと馬腹を蹴った。
「ぜんぐーん。前へー。進めーっ」
号令が響き渡り、ムールド伯軍は何事もなかったように前進を開始する。
出立当日には予期せぬ騒動があったが軍事行動には些末な影響であり、ムールド伯軍は順調に北上を続けた。
ファディはムールドでも北に位置する為、軍隊の歩みでも一週間も北上すればムールドを出る。そこからナジカまでは更に一週間程の行軍を要す。
ナジカはサーザンエンドでは三番目に大きく、古くから東西貿易によって栄えた都市である。住民の大半はサーザンエンドの多数派民族であるテイバリ人だった。
テイバリ人は古からグレハンダム山脈以南の地、現在帝国南部と呼ばれる地域の東岸部から中部内陸部の範囲で広く定住生活を営んでおり、長く統一した国を持たず、無数の自治都市や中小領主の支配地域が割拠するような状態であった。その為、帝国の侵攻に抗する術がなく、その支配に屈することとなる。
しかし、無用な反抗をしなかった為に自治を認められた都市や中小領主が多く、中にはブレド男爵のようにある程度の地位を与えられる者も少なくなかった。
そのような民族性によるものか。ナジカはレオポルド軍が接近するや否や同族であるブレド男爵に忠誠を尽くすこともなく、レオポルドに使者を送って抵抗する意思がない旨を告げてきた。
ナジカにはブレド男爵指揮下の守備隊が駐屯していたが、ナジカ市の有力者が抗戦に乗り気ではないことを知ると撤退していったという。住民の協力のない状況での籠城は自殺行為というものだ。賢明な判断だろう。
ナジカは開城にあたって四つの条件を提示した。
第一にこれまで通りナジカの自治を保障すること。第二に住民の生命と財産を保障すること。第三にナジカに対する税を課す場合及びナジカに対する法を施行する場合はナジカ市参事会の同意を得ること。第四にナジカ市内にレオポルドの軍を常駐させないこと。
四つの条件をレオポルドが呑めばナジカは無抵抗で開城し、必要な資金や糧秣を提供する用意があるという。
ナジカにとって随分と都合の良い条件ではあるが糧秣に限りのあるムールド軍は行軍を急いでいる。交渉を長引かせ或いは交渉を決裂させて、ナジカを攻略すれば少なくない犠牲を出すだけでなく、多くの糧秣と時間を消耗しなければならない。
レオポルドはナジカの要求を丸呑みすることにした。
使者と面会した翌日にはムールド軍はナジカに入城し、レオポルドは市参事会の建物でナジカ市の有力者たちを引見し、恭順の意を示され、約束通りに兵一万が半月に消費する程の糧秣と一五〇万セリンの軍資金の提供を受けた。
レオポルドは約束通りナジカに今までと変わらない自治を許し、都市と住民の安全を完全に保障すると明言した。
レオポルドとその軍勢は半月程の行軍の疲労を癒すべくナジカに三日間滞在した。
ナジカ中の宿を借り上げ、それでも足りない為に全ての空き家、倉庫を借り上げて兵を入れ、軍馬と家畜を厩に押し込み、糧秣や物資は広場という広場に野積みされた。
兵たちはここで給金の支払いを受け、ナジカの居酒屋と売春宿は大いに繁盛した。
兵たちが連日連夜乱痴気騒ぎを繰り広げる中、レオポルドの元には先行させた斥候やレッケンバルム卿に通じる者からサーザンエンド中部の情勢に関する知らせが次々と舞い込んでいた。
レオポルドの意を受けたレッケンバルム卿に唆されたウォーゼンフィールド男爵家の保守派が占拠したクライセンバート城は目下家中の主流派である独立派の軍勢に包囲されているという。僅か三〇〇程度の兵しかいない保守派に対し、独立派の軍勢は一五〇〇は下らず、通常ならばこのままでは陥落は免れない。
ところが、保守派に組する男爵夫人や老臣たちが優柔不断な男爵をけしかけて独立派に反逆者の汚名を着せることに成功した結果、独立派に従う中立的な家臣や兵に動揺が広がり、攻防戦は膠着状態に陥っていた。
一方、ウォーゼンフィールド男爵軍に離脱されてしまったブレド男爵は独力で南下するガナトス男爵軍と反乱を起こしたカウラント家に対処しなければならなくなった。シュテファン・ブレド男爵自身は未だ病の床に就いており、弟のアルブレヒトが軍を指揮しているらしいが、その軍勢はハヴィナに留まったまま動きはない。
サーザンエンド北部のアーウェン人系領主であるラヨシュ・ガナトス男爵の率いる軍勢はアーウェン諸侯からの援軍、各地から掻き集めた傭兵と合わせて六〇〇〇余の兵力を誇り、その軍勢はさしたる抵抗も受けず順調に南下しており、あと数日でハヴィナに達するとの噂であった。
レオポルド軍はハヴィナまで更に半月程の行軍を要すると考えられていたからガナトス男爵に先んじられることになるだろう。
これらの情報を得て、レオポルドと幕僚たちは軍議を重ねる。
「ブレド男爵軍はハヴィナに籠って野戦に打って出ることはないでしょう」
レッケンバルム准将の副官にして今や夫人でもあるエリー・エティー少佐が言った。
「当主であるシュテファン・ブレドの身動きができない上、ウォーゼンフィールド男爵軍まで離脱してしまい、ハヴィナ貴族の兵を合わせても三〇〇〇程度といったところ。これで野戦に出るほど愚かではないはず」
ブレド男爵が聖オットーの戦いでハヴィナの帝国人貴族たちが主体であるサーザンエンド辺境伯軍を破った後、レッケンバルム卿らハヴィナ貴族の一部はレオポルドと共にムールドへと落ち延びたがハヴィナに留まった貴族も少なくなかった。彼らがブレド男爵を支持しているか否かはともかく、自分たちの居所を攻められればブレド男爵と協力してハヴィナを守る為に戦うだろう。
「そうなると、ガナトス男爵はハヴィナに手出しせず遠巻きに布陣して、ハヴィナと我々の動きを見るかと思われます」
六〇〇〇の兵で三〇〇〇もの兵が籠る都市を攻めるのは非常に難しい。その上、近くまで八〇〇〇の別の軍勢が近付いているのだ。ハヴィナに手出しをしてしまうと身動きができなくなってしまう。自軍よりも大軍が近付いているのに、それとは別の敵と戦い始める程、ガナトス男爵も愚かではあるまい。
「となると、我々とハヴィナとガナトス男爵軍はサーザンエンド平野のど真ん中で三竦みになるのか」
バレッドール将軍が渋い顔で唸った。
サーザンエンド中部は山や丘が極めて少ない平坦な地勢で、もっぱらサーザンエンド平野と呼ばれていた。ハヴィナはその中心近くに位置している。
「しかし、戦場の主導権は我々が握れるな。ハヴィナは城壁の外に出られない。ガナトス男爵は我々がいる限りハヴィナに手出しできない。我々は兵の数も多いから、ハヴィナの抑えを置いて、ガナトス男爵を攻めることもできるし、別働隊を編成して敵の後背を脅かすこともできる。ハヴィナに残っているレッケンバルム卿の協力者に内側からハヴィナを攻め崩すこともできよう」
慎重な態度を示すことが多いバレッドール将軍にしては珍しく楽観的な見通しを述べた。
「閣下。順調に事が運べば今月中にも我が軍はハヴィナに入城できるやもしれません」
眉間に深い皺を刻んだレオポルドは顎を擦りながら口を開いた。
「そう簡単に事が運べばいいが」
生来、どちらかといえば悲観的であった彼は実家の破産とその後の苦労の連続といった経験を経て、より悲観主義的な思考をする傾向にあった。
今現在は有利な位置にあっても何かしらの予期せぬ事象によって窮地に陥る可能性があるのではないかという疑念を彼は抱いていた。
果たして彼の抱く懸念はその通りになった。
ナジカを出立する日の早朝、市内は大変な喧騒に包まれていた。
ムールド軍の士官は下士官や当番兵に指揮下の兵を叩き起こさせ、自分の率いる隊の集合地である広場に整列させるよう命じるが、宿舎である宿や空き家、倉庫に戻っていない兵がいることが判明し、上官に事が露見する前に大慌てで街中を躍起になって探し回り、酔っ払って路地裏でひっくり返っている不真面目な兵を見つけて口汚く罵りながら蹴飛ばすという光景が市内の各所で見られた。
その近くの道路は厩という厩から引き出された軍馬や荷馬、家畜で溢れ返り、喧しい鳴き声が通りに面した家々の住民に早起きを強制していた。
広場に野積みされた物資は人夫と早起きの真面目な兵達によって馬車に積まれ、引かれてきた馬を繋いだ馬車は一足先に城壁の外に出ていく。広場に物資を野積みしたままでは兵が整列できないから物資と荷馬車は逸早く城外に出されなければならない。
街中が上へ下への大騒ぎとなっている中、レオポルドは宿としていた市参事会の建物でバレッドール、アルトゥール両将軍、それにレッケンバルム准将と朝食を共にしていた。
「将軍。昼前には予定通り出立できそうか」
「問題なくできるでしょう」
レオポルドの言葉にバレッドール将軍は胸を張った。その横でアルトゥールが眠そうに欠伸をする。彼は連日、兵に混じって居酒屋に繰り出していたという。将軍という地位の人間として如何なものかとも思ったが、レオポルドは彼をほとんど放任していた。言っても意味がないと考えたからだ。
「ところで、ナジカに兵を置いていかなくても宜しいのでしょうか」
「宜しいも何も兵を常駐させないことは約定の一つだ」
バレッドール将軍の言葉にレオポルドはゆで卵の殻を割りながら顔を顰めた。
「しかし」
「将軍の言いたいことは理解できる」
レオポルドは尚も言い募ろうとする将軍を制するようにぴしゃりと言い放つ。
ナジカはサーザンエンド中部とムールドの中継点にあり、南北を貫く街道の途上に位置する交通の要衝である。サーザンエンド中部へと北上するレオポルド軍とムールドの間にあり、万が一、ナジカが裏切るようなことがあればレオポルド軍は退路を断たれる格好になってしまう。
その為、通常であれば裏切りを防ぐ意味でもいくらかの兵を置いていくところだが、ナジカは恭順の条件として兵の常駐禁止を約定に盛り込んでいた。
「一時的な駐屯であると言い張っては如何ですか」
「将軍」
レオポルドはゆで卵を皿に戻してバレッドール将軍に視線を向ける。
「我々はサーザンエンドの中小領主や住民に一挙手一投足を注視されている。協力するに値する勢力か。礼節と規律を持った軍隊であるかどうか。その注目の中、約束を破るような、或いは無理を通すような行動を取れば、彼らに悪い印象を与えるだろう。約束を違え、無理強いをするような者に誰が協力するというのか。また、誰がその約束を信じるというのか」
「失礼を申しました」
将軍は頭を下げた。
「ナジカの忠誠を信じよう」
レオポルドはそう言ってからゆで卵の殻剥きに戻る。
その時、扉が叩かれ、サライ少佐が入ってきた。彼は近衛大隊の大隊長代理を務めているが、レオポルドの副官のような役割も担っていた。
「閣下。ハヴィナに潜伏している協力者より急ぎの知らせがありました」
ゆで卵を皿に置いてサライ少佐から書状を受け取ったレオポルドは報告に目を通して溜息を吐いた。
「ハヴィナからは何と」
バレッドール将軍の問いにレオポルドはしかめ面で答えた。
「シュテファン・ブレド男爵は弟のアルブレヒトに殺されたらしい。アルブレヒトはガナトス男爵に降伏し、ハヴィナはガナトス男爵軍に門を開くとのことだ」
バレッドール将軍とレッケンバルム准将、サライ少佐は唖然とした表情で黙り込み、アルトゥールだけは不敵な笑みを浮かべた。
「面白くなってきたじゃないか」
彼はそう言ってゆで卵を頬張った。