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サーザンエンド辺境伯戦記  作者: 雑草生産者
第八章 南岸
136/249

一三〇

 レオポルドはバレッドール将軍以下幕僚たちと城外にあったムールド人軽騎兵連隊と砲兵隊を伴ってラジアに入城した。近衛大隊、第一及び第二ムールド人歩兵連隊、ドレイク連隊は既に城内に突入しており、抵抗する敵拠点を次々と制圧し、敗残兵や抵抗する住民を掃討していた。

 残された拠点は広場に面した町の一等地にあるアスファル族族長の館と港湾部にある東岸商人の商館であった。ラジアは半島東岸部エサシア地方の商人たちの拠点の一つであり、彼らはこの地に商館を設けていたのだ。高い壁に囲まれた三階建ての石造りの商館はちょっとした砦のようでもあり、迂闊には手を出せなかった。

 とはいえ、市内全域がレオポルド軍によって占領された現状において降伏は時間の問題だろう。あとは彼らの矜持と名誉の問題というものだ。恥を忍んで降伏し、レオポルドの慈悲に縋るか、悲劇的ではあるが無益な死を選ぶかである。

「二つの拠点は既に完全に包囲しておりますが、ある程度の物資の備蓄はあるでしょうから、場合によっては長期戦になるやもしれません」

 ジルドレッド准将の報告にレオポルドは頷く。

「強引に攻めるのは賢明ではあるまい。放っておけば餓え死ぬ連中だ。私の兵を道連れにしてやる必要はない」

「大砲で攻撃してはどうでしょうか」

 ムールド旅団の参謀を務めるヘンリック・ケッペン中佐が具申したが、レオポルドは首を横に振った。

「砲弾が勿体ない。これ以上砲弾を浪費すると私の軽い財布が更に軽くなってしまう」

 レオポルドが皮肉っぽく言うと幕僚たちは声を上げて笑った。

「恐れながら、閣下の財布ではなく、レイクフューラー辺境伯の財布ではありませんか」

 ジルドレッド准将がそう言うと、更に笑い声は大きくなった。レオポルドの財政がほとんどレイクフューラー辺境伯からの借金頼みなのは公然の事実で、レオポルド自身は常々それを笑い話にしていたから、彼の莫大な借金はムールド伯宮廷のお決まりの冗談であった。

「キスカやフィオリアには常々借金を控えるように言われているんだ。必要のない無駄玉を使ったと知れれば私は彼女たちからこっぴどく叱られてしまう」

 レオポルドの言葉に幕僚たちが笑い声を上げる。

 その近くをムールド兵に警備された敗残兵の群れが列を作っていた。

 ラジアにはアスファル族の戦士やエサシア商人が送り込んだ傭兵や義勇兵が二〇〇〇人程おり、その半数以上が戦闘や病気によって死に、船でラジア港を脱出し、運よくレオポルド軍のフリゲートに攻撃されずに逃げ遂せた者は一割にも満たなかった。降伏したり、怪我をしたりして、捕虜になった敗残兵は身包みを剥がされ、ほとんど下着だけのみすぼらしい状態にされると港湾地区の倉庫に押し込められることになった。

 煌びやかな軍服に身を包み、立派な毛並みの馬に跨ったレオポルドや将軍たちに捕虜たちは視線を向け、ムールド兵に容赦なく殴られ、さっさと歩けと罵倒されていた。

 捕虜以外にも町と部族の指導者たちも拘束された。その中にはレオポルドとの停戦交渉を担ったハルアクの姿もあった。ハルアクはレオポルドとの合意を部族に伝え、その履行を主張したものの、他の指導者たちから受け入れられなかったばかりか弱腰の軟弱者と非難されて、自宅軟禁の状態にあったという。ラジアの指導者たちがハルアクの言葉を受け入れていれば、これほどの惨劇は起こらなかっただろう。

 特に彼らが大人しく恭順を決断していれば、市民の犠牲はより少なかっただろう。元々三〇〇〇人以上いた市民は半数以下に減っており、その犠牲者の多くはレオポルド軍が市内に突入した際の市内戦に巻き込まれた者や敗残兵と間違われたり、敗残兵と同じ場所にいた為に殺された者、逃げようと乗り込んだ船が転覆したり攻撃されたりして溺死した者であった。

 抵抗もせず大人しく身を隠していた住民は、とりあえず、身の安全は保障されたものの、各戸の代表者は自宅にある武器を全て携行して広場に出頭するよう命令された。

 市民の前に現れたのはレオポルドによってラジア代官に任命されたフェルディナント・ディーテル卿であった。レオポルド艦隊の司令に任命され、囚われの身となっていたウィグラント・ディーテル卿は彼の兄である。

 ラジア代官ディーテル卿は市民たちに次のことを布告した。

 まず、ラジアを含むハルガニ地方は全て、いとも寛大なるムールド伯レオポルド・ウェンシュタイン・フェルゲンハイム・クロス閣下の領地となる光栄に恵まれ、広場に集まった市民とその家族を含む全ての住民はレオポルド閣下の臣下となる名誉に浴せられることとなり、ラジアはムールド伯領政府の統治下に置かれ、法律や税はムールド伯領政府によって決められること。

 これまでの彼らの抵抗、不服従、不敬などの本来ならば死に値する罪はいとも寛大なる閣下の御慈悲により恩赦されること。ただし、恩赦の対象は戦闘に参加しなかった者に限定され、ラジアの指導者層と戦闘に参加、或いは積極的な協力を行った者は含まれない。

 これまでの戦闘によって彼らが被った損失は一切補償されず、一切の武器は没収され、ラジアにはレオポルド軍の部隊と艦隊が駐屯すること。

 ラジア市民においては街区ごとに代表となる街区長を選び、街区長は統治に協力すること。具体的には街区民をとりまとめ、代官の招集に応じて指示を実行し、通達を街区民に伝え、レオポルド軍に物資を供給し、治安の悪化や火事等に十分に注意すること。

 ディーテル卿はこれらの布告を行うと広場の前に持ち出した武器を置くよう指示した。

 広場はレオポルド軍の兵に包囲されており、市民たちに抗議する術はなかった。


 囚われの身となっていたレオポルド軍の将兵は数十人が無事に解放されたものの、同数程度が遺体で見つかり、その中にはウィグラント・ディーテル卿の姿もあった。住民や捕虜の話によると、卿は一ヶ月前病に倒れ、外塁が陥落した翌日に亡くなったということであった。

 つまり、ラジア側は停戦を話し合う際の交渉材料となる最も重要な人質を失っていたのだ。ラジア側が停戦合意を履行しなかったのはディーテル卿の病死によって重要な人質を失っていたからかもしれない。

 しかし、ハルアクはそのことを伏せて交渉に臨んでいたが、停戦が合意し、いざ、人質を解放するときにこのことが露見したとき、彼はどうするつもりだったのだろうか。

 レオポルドはラジア代官ディーテル卿に、住民や捕虜とされたラジア兵、捕虜としてラジア城内にいたムールド兵たちを取り調べて、ラジア及びアスファル族の指導者たちのうち抗戦を主張した者、捕虜と虐待した者を特定するように命じた。

「人数は一〇〇人でもよい。ただし、一〇人未満にはならないようにせよ」

 選び出された者の運命は言うまでもない。自身に反抗した時、どうなるかをラジア住民とハルガニ地方の諸部族に知らしめなければならないのだ。その為には見せしめとなる生贄が必要である。半端な人数では問題であろう。

「港湾部の整備は最優先事項だ。大型船も停泊できる立派な港にする為、直ちに調査に取り掛かれ。必要な技術者や金はレンターケットに要望せよ」

 半島最南端に位置するラジアはハルガニ地方では数少ない良港であり、海上輸送の重要な中継地である。この地の港を押さえたことはレオポルドに大きな利益を齎すだろう。その為にはその港を整備拡充することが極めて重要である。

「ハルアクはまだ話が分かる奴だ。上手く使え」

「承知致しました」

 ディーテル卿は畏まって頭を下げた。

「ハルガニ地方の諸部族から続々と便りが来ております。いずれも閣下への恭順の意を示しております」

 バレッドール将軍の言葉にレオポルドは満足そうに頷く。

 ハルガニ地方では第一の勢力を誇っていたアスファル族が壊滅させられた今、レオポルド軍に対抗できる勢力はこの地方にいないだろう。となれば、アスファル族の二の舞を避けたければ、大人しくレオポルドに恭順する他に手はない。いくつかの部族は既に贈り物を持たせた使者を送り込んでおり、人質を提供を申し出る部族もあった。

 中にはレオポルドが女誑しであると何処かから聞き及んで部族で一番の美女を妾にと差し出す部族までいる始末であった。勿論、丁重に断ったことは言うまでもない。護衛として傍らに控えていたソフィーネの視線が痛かったから断ったわけではない。

「私は遠からずファディに戻るが、第二ムールド人歩兵連隊と艦隊をラジアに駐屯させておく。フェリオット大佐。ラジア駐屯部隊の指揮を執り、ハルガニ地方一帯の安定化に努めよ」

「了解いたしました」

 第二ムールド人歩兵連隊の連隊長エーリヒ・フェリオット大佐は畏まって頭を下げた。大佐はアルトゥールの側近としてサーザンエンド騎兵連隊の副長を務めた経歴の持ち主である。彼をラジアに残すことはアルトゥールの味方を遠ざける意味合いもある。

「ところで、レイナルの行方はまだ分からないのか」

「残念ながら、レイナルの所在は未だに掴めておりません。おそらくはアスファル族の族長らと共に族長の館に立て籠もっているのではないかと思われます」

 ムールド人軽騎兵連隊の連隊長ファイマンが答える。彼はネルサイ族の出身で伯領議会副議長を務めるイブラムの子息である。

「住民らに事情を聞いておりますが、具体的な所在を知る者はほとんどいないようです。族長の館に滞在していたという証言が多いですが」

 同連隊の副長ジルベール・タブラン中佐が補足するように言った。

「なんとしてもレイナルの身柄は確保せよ。それが遺体であっても構わないが、実際に本人であると確認できる状態で確保されねばならない」

 レオポルドはレイナルの身柄の確保を重要な目的と考えていた。レオポルドに反抗し、逃亡を続けるレイナルは反帝国の象徴と化しており、生きていれば反帝国派の指導者となることは間違いなかった。例え、死んでいても確実に死亡が確認されなければ、レイナルの名を騙る者や代理を名乗る者が出てきて、反乱を扇動しかねない。レイナルという反帝国の象徴を確実に始末することはムールドとハルガニの安定化に繋がる重要事であった。

「族長の館に族長とレイナルの身柄を引き渡せば他の者は助命すると呼びかけてみましょうか」

 ケッペン中佐の意見具申をレオポルドは却下した。

「族長の輩に立て籠もる者の多くは主戦派の指導者たちだ。連中を助命しては見せしめに処刑する者の数が足りなくなる」

 レオポルドがそう言った時、彼らが軍議を行っていた広場の天幕に第一ムールド人歩兵連隊の副長ヨハン・ブローゼル中佐が飛び込んできた。第一ムールド人歩兵連隊は族長の館の包囲を担当している。

「族長の館から呼びかけがあり、一緒に籠城している女子供の身の安全を保障するよう求めています」

「今、非武装で出てくるならば彼らの身の安全は保障しよう。女子供を殺す趣味はないからな」

 レオポルドはそう答え、席を立った。


 レオポルドと幕僚たちが族長の館の正門の前に到着し、先の呼びかけに対する答えが叫ばれると、族長の館の西側にある裏口が開き、女子供が顔を覗かせた。怯えた様子で周囲を取り囲むレオポルド軍の兵達や大砲を見つめ、泣き腫らした赤い目に布を当てている。

 レオポルドの位置からも裏口の辺りは視界に収めることができた。

「館を立ち退くのならば早々にせよっ」

 第一ムールド人歩兵連隊の連隊長ラハリが苛立たしげに怒鳴りつけると、女たちは余計に涙を流し、子供たちは怯えて泣き始めた。

「止めろ。怯えさせると余計に時間を食うぞ」

 レオポルドが言うとラハリは気まずげに口をへの字に曲げた。

「ハルアクを呼んで来い。今すぐ立ち退けば女子供を傷つけるようなことは神に誓ってないと言わせよ」

 レオポルドの指示により、ハルアクが呼び出された。

 ハルアクはレオポルドの使い走りになることを渋っていたが、今すぐに立ち退きが行われなければ女子供たちの命は保障できないと告げられると女たちを説得しに行くことに同意した。

 ハルアクが説得を行った結果、数十人の女子供たちが館を立ち退き、とりあえず、ハルアクら停戦派であった有力者たちの屋敷に分散して保護されることになった。

「女子供は全員退去したようです」

「連中も覚悟を決めたということでしょうな」

 幕僚たちの言葉にレオポルドも頷く、あとは残されたラジアの指導者たちが、自分たちの死に方を決めるだけである。

 しかし、説得を終えたはずのハルアクがいつまで経っても戻ってこない。

 何をやっているのかと呼びかけると、ハルアクは困惑したような顔で戻ってきてラハリに話しかけた。

「どうやら、まだ一人少女が残っているようです。族長の娘とのことですが、強硬に退去を拒んでいるとのこと」

 ラハリが通訳するとレオポルドは渋い顔をして舌打ちした。

「誰かその分からず屋の小娘を張っ叩いて物の道理というものを教えて来てやれ」

 苛立たしげにレオポルドがそう言った直後、裏口から一人の少女が現れた。

 年の頃は十代半ばほどか。多くのムールド人やハルガニ人がしているフードを被らず、長い黒髪を晒している。他の女たちのように泣き腫らした赤い目ではなく、攻撃的な鋭い目で周囲を取り囲む軍勢を睨みつけていた。緑色の上着に茶色い短いズボンという姿で腰に短剣を提げている。

「待てっ。武器を捨てろっ。その腰の短剣だっ」

 ムールド人士官が呼びかけるが、彼女は首を横に振って怒鳴り返す。

「何と言っているんだ」

 レオポルドが近くにいたムールド人将校に尋ねると、将校は彼女の言葉を訳す。

「父上の形見だからこれだけは手放せないと申しています」

 それを聞いたレオポルドは暫く考えた後、現場責任者であるラハリに声を掛ける。

「いい。時間の無駄だ。短剣の一本くらいは許してやれ」

 少女はハルアクの元まで歩き、両脇をしっかりとムールド兵が固めた。その間、彼女はずっとレオポルドの顔を睨みつけていた。

「閣下。煙が」

 ブローゼル中佐が指差す先、館の窓から黒々と煙が噴き出していた。

 直後、それまでずっと閉じられていた正門が開き、武装した男たちが飛び出してきた。手には彼らの伝統的な武器である半月刀を持ち、レオポルドを目がけて、喊声を上げながら突進してくる。その人数は二十数人といったところ。

「だいたーいっ。構えーっ」

 近衛大隊を率いるサライ少佐が号令をかける。

 レオポルドの前面を固めて整列していた近衛大隊の歩兵が一斉にマスケット銃を構え、突進してくるアスファル族の男たちに狙いを付ける。

「撃てーっ」

 サライ少佐が半月刀を振り下ろすと同時に怒鳴ると、百以上のマスケット銃が一斉に火を噴き、白煙が舞い上がる。

 アスファル族の男たちは鉛玉に貫かれ、血飛沫を噴き上げながら崩れ落ちる。半月刀を取り落とし、血が流れ出る腹を押さえながら俯せに倒れ込む。弾かれたように仰向けに転倒する。

 直後に彼らの斜め右からもムールド人歩兵連隊の中隊が一斉射撃を見舞い、更に別の中隊が斜め左から一斉射撃を浴びせる。止めとばかりに近衛大隊の二列目が前に出て、鉛玉の雨を降らせた。

 四度の一斉射撃によってその場に立っている者はいなかった。全ての男たちが地面に倒れ、突っ伏し、這い蹲り、既に動かない者もいれば、苦痛に呻き血を吐きながらもがく者もいた。

 目の前で惨劇を見た族長の娘が泣き叫び、両脇を固めるムールド兵に取り押さえられていた。

「止めを刺してやれ」

 レオポルドが言うとサライ少佐が兵たちに指示する。

 近衛大隊の一個中隊が前に出て、地面に転がるアスファル族の指導者たちの息の音を一人一人確認し、まだ息がある者を銃剣で突いていった。

 レオポルドはその様子を無表情に眺めていたが、不意に怒声を浴びせられ、そちらに視線を向けた。

「糞っ。この雌犬めっ」

 視線の先で罵声が響き、館から最後に出てきたアスファル族の族長の娘がムールド人士官に殴られる。

「何をしている」

 レオポルドが馬を寄せて尋ねると士官は敬礼して応えた。

「はっ。閣下の御慈悲により助けられたにも関わらず、無礼な言動がありましたので」

「そうか」

 その間、少女は二人の兵士に抑え付けられながらも顔を上げ、馬上のレオポルドを睨みつけていた。

「連れて行け」

「宜しいのですか」

 レオポルドが指示すると傍らのサライ少佐が確認するように尋ねた。

「恐れながら、こやつは閣下に呪詛の言葉を浴びせ、復讐を誓っておりました。後々、災いを齎す可能性がございますが」

 少女を殴った士官の言葉にレオポルドは無表情に応えた。

「子供の感情的な言葉だ。真面目に取り合う必要はない」

 レオポルドの言葉に納得したのか士官は兵に指示して少女を立たせた。

 彼女はまだレオポルドを睨みつけていたが、両脇を兵士に抱えられて連行されていった。


 東岸商人の商館はその後も一週間余に渡って抵抗を続けていたが、飲料水が尽きたところで降伏した。立て籠もっていた東岸商人やその家族はいくつかの屋敷に分散して軟禁され、傭兵たちは他のラジア兵と同じように捕虜収容所となっている倉庫に収容された。

 その後、ラジア及びアスファル族の指導者のうち抗戦を主導したと認められた者たち一八名が町の広場において多くの市民の前で処刑された。

 その他、軟禁されていた反抗的ではない指導者たちはレオポルドへの服従とラジア統治への協力を条件に軟禁が解除された。

 多数のハルガニ人を支配する為にはハルガニ人指導者層を残して、彼らを通じて支配した方が得策であるとレオポルドは考えていた。

 約五〇〇名に及ぶ捕虜はハルガニ地方に残すと反乱の火種となることが懸念された為、ムールドに連行することとなった。ムールドでは暫くの間、土木工事などの強制労働に従事させられることになるだろう。彼らの連行は第一ムールド人歩兵連隊が担う。

 これらの処置を終えたレオポルドは近衛大隊とムールド人軽騎兵連隊を率いてファディへの帰還の道に就いた。レオポルドがファディを出立してから約四ヶ月が経過していた。レオポルドとキスカの子は産まれてから一ヶ月半を過ぎている。

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