間 第六章での主要な登場人物
・ムールド伯レオポルド・ウェンシュタイン・フェルゲンハイム・クロス
濃灰色の髪に切れ長の目に赤い瞳。背は高く痩せ形。
サーザンエンド辺境伯位の継承権を有し、辺境伯位を狙う。ムールド諸部族をまとめて、ムールドの支配権を握り、ムールド伯の叙任される。親類のウェンシュタイン男爵の家督も合わせて相続し、レウォント方伯の妹リーゼロッテと婚約する。
・キスカ・ナイフ・アリ
銀色の短い髪に漆黒の瞳。褐色の肌で背が高い。
ムールド人ネルサイ族の前族長の娘。
レオポルドをサーザンエンドへと誘った張本人。レオポルドと婚礼を挙げて、正式な妻となるも、表向きは相変わらず忠実無比な副官として振る舞っている。
・フィオリア
明るい赤茶色の髪に吊り気味の大きな緑色の瞳。大変な小柄。
アルベルトに拾われ、レオポルドと共に育ったフェリス人の少女。
レオポルドの義理の姉的な立ち位置でレオを唯一の家族と思っている。レイクフューラー辺境伯家の女中をしていたが、義弟の企みを知って半ば強引に旅に同行する。
・ソフィーネ
長い黒髪に吊り目の真紅の瞳。女性にしては長身で肌は新雪の如く白い。
剣の修道院の修道女。十字剣という重量級の剣を操る優れた女剣士。
悪魔の色と忌み嫌われる黒い髪を持つが、幼い頃に修道院に拾われ、匿われてきた。厄介事を起こして修道院を出ることになり、レオポルドたちの旅に同行する羽目になる。
・アイラ・オスライ・オンドル
栗色の長い髪に灰色の大きな瞳。褐色の肌で背が高く、女性らしい体つき。
ムールド人カルマン族の族長の孫娘。
レオポルドに恭順したカルマン族の族長が、レオポルドの第二夫人にと差し出した美女。ファディでレオポルドと婚礼を挙げる。
・リーゼロッテ・アントーニア・フライベル
長い銀髪に威圧的なな金色の瞳。すっと通った鼻筋に高い鼻、細い顎、桃色の唇の美女。
レウォント方伯の妹。ニーナの姉。感情的で行動的。建前や修飾が嫌い。ニーナを溺愛している。レウォント方伯とレオポルドの同盟の証として、レオポルドと婚約する。
・ニーナ・アレクシア・フライベル
ゆったりとカールした銀髪に金色の瞳。ふっくらとした林檎のような頬にミルク色の肌。
レウォント方伯、リーゼロッテの妹。大人しく人見知り。亡母が研究していた植物学に多大な興味がある。
・レイクフューラー辺境伯キレニア・グレーズバッハ
帝国公安長官兼保安長官にして帝国東部の有力諸侯である若い女貴族。レオポルドの後援者であり、莫大な資金援助を行っている。帝国一の情報通。
・クレメンス・レッテルゼーヒ・ロッセンダルク
バイデン伯。式部長官。前オリビア大使。レオポルドの伯父(レオポルドの伯母の夫)。貴族の派閥では中立無派閥に属している。
・テオドール・ゲオルグ・ヴァンリッヒ男爵
エスター伯ヴァンリッヒ大将の子息でバイデン伯の妹婿。銀猫王国国王顧問官や大蔵省顧問官等を歴任。レオポルドに仕える。
・キルヴィー卿
ウェンシュタイン男爵家の家令。レオポルドの家督相続に協力する。
・マルトリッツ卿
ウェンシュタイン男爵家の老臣。サーザンエンド銀行の設立に奔走する。
・ディーテル卿
ウェンシュタイン男爵家の財務官。アルヴィナで軍艦の調達を担当する。
・イレーヌ・リブル
ドレイク傭兵団主計長兼輜重隊副長。クライス人。レオポルドにドレイク傭兵団を売り込む。
・トマス・バーン
ドレイク傭兵団副長。グリフィニア人。
・エリーザベト・ウォーゼンフィールド
長く美しいブロンドに蒼い瞳。肌はミルクのように白く小柄。まだ幼い顔立ち。
ウォーゼンフィールド男爵の二女。
ブレド男爵との政略結婚が嫌で、城を抜け出し、クロス卿派に保護を求める。アルトゥールと婚約する。
・アルトゥール・フェルゲンハイム
短めの赤い髪に短めの顎鬚。彫りが深く精悍な顔立ちの背の高い若者。
フェルゲンハイム家の非嫡出子ロバート卿の子息。
ブレド男爵に臣従する父に反発してハヴィナを脱出。クロス卿派に加わる。サーザンエンド騎兵連隊の指揮官を務める。エリーザベトと婚約する。
・ゲオルグ・フライヘア・レッケンバルム卿
辺境伯宮廷の侍従長。宮廷の有力者。帝国人貴族の中では代表格。老獪な策士で、レオポルドを支持しているが微妙な関係。アルトゥールとエリーザベトの婚姻を画策。
・マクシミリアン・ゲオルグ・レッケンバルム大佐
元辺境伯軍第四連隊長。侍従長レッケンバルム卿の息子。極めて寡黙。サーザンエンド・フュージリア連隊の指揮官。
・カール・アウグスト・ジルドレッド卿
元辺境伯軍司令官。ジルドレッド家の当主。レオポルド軍の司令官。
・パウロス・アウグスト・ジルドレッド卿
元辺境伯軍近衛連隊長。カール・アウグストの弟。第一ムールド人歩兵連隊の指揮官。
・アルバート・バレッドール准将
辺境伯軍の指揮官。慎重で手堅い指揮を執り、レオポルドに好意的な将軍。ファディ北部の防衛線構築の任に当たる。
・オーラフ・ルゲイラ兵站監
辺境伯軍兵站監。レオポルドに好意的で少数民族の文化・風習に精通している。第二ムールド人歩兵連隊の指揮官。
・エリーゼ・エティー大尉
レッケンバルム大佐の副官。口煩くやかましい女性士官。考古学に造詣が深い。
・レイナル
ムールド最大の部族クラトゥン族の族長。ムールドの王を名乗り、他の諸部族を攻めて、一時ムールド南部を支配するがレオポルド軍に敗れ、南部奥地に敗走する。
・ラハリ
ムールド北東部「塩の町」を支配するサルザン族族長。ムールド人軽騎兵連隊の指揮官。
・アウグスト・ウォーゼンフィールド男爵
中部に領土を持ち、辺境伯家と縁戚にある帝国人領主。辺境伯傘下の中小領主の中では筆頭の家柄だが、事態の静観を決め込んでいたが、ブレド男爵と結ぶ。家中は自立を目指し、ブレド男爵に接近する独立派とフェルゲンハイム家に忠実な保守派が対立している。
・ブレド男爵
中部に領土を持つテイバリ人領主。辺境伯位を狙い、ウォーゼンフィールド男爵と結び、ハヴィナを含むサーザンエンド中部を支配している。その後、北部の動向に気を取られている隙にレオポルドのムールド制覇とファディ奪還を許す羽目になる。
・ガナトス男爵
北部に領土を持つアーウェン人領主。アーウェン諸侯の支援を受け、辺境伯位を狙う。ドルベルン男爵派と小競り合いを繰り返していたが和解。
・ドルベルン男爵
北部に領土を持つ帝国人領主。事態を静観している。ガナトス男爵派と小競り合いを繰り返していたが和解。