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スカーレット

作者: 秋葉竹
掲載日:2026/10/17



 


悲しみばかりがみえる夕陽さ

だなんて

真っ赤に染まった空と街が

みえて来るだけじゃないかッ!



帰る場所もないヤツは

帰る場所を整えて生きて来なかった

だけのヤツさ


そんな祈りに似合わない悪態を

教会をみおろしながら吐く

タワマンの五階の中部屋から


現在を慰め

未来を諦め

むかしの可能性

だけが一番輝く

すこしおかしな世界のせいなのに


君は真っ赤な瞳を滾らせて

私をみくだすようにちいさく笑うのか

それならばそれで

私はただ陽光煌めく野の原っぱへゆき

すべてを棄てて

もちろんさ

君のことさえ棄てて

徐々に壊れてゆく筋肉で

懸命に草を掻き分けズンズンと進むさ


誰も何も知らないということだけは

ようやく知った私は

何も知らないままに闘いを挑みつづける君を

もはや眩しくて

直視することなどできなくて


それで生きている


それでも生きていると云えるのかッ!


とか

まるで詐欺に引っかかって全財産

奪い取られた気分さ


でも


それを受け止めるのは、私


スカーレット、

君は真っ赤な祈りをその全身で祈りながら

血まみれの刀一本引っさげて

闘ってくれていればいい


それでいい









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