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3月16日 月のワルツ②
月のワルツ
諫山実生様
なぜ神様は善い事も悪い事も目では見えないように創ったのだろう
今日は善い日でも悪い日でもなかった
いつもと同じバタバタと仕事をして、気が付いたら太陽が帰ろうとしてた
特段文句も記憶にも残らないなんでもない日だった
だけど善い事がわたしに触れ、そして気づくのだ。
月が太陽と触れ合う瞬間の美しさに
”あーきれいだあ”
なんて気の抜けたことを考えてたら
なんか今日は善い日だったかもって
確かに思い返してみれば、仕事合間の休憩に
春の存在を感じて深呼吸をしたし
炭酸もいつもよりおいしく感じたし
だけどいつもと違ってすべては赦せないし野草はただの背景だった
恥ずかしがりやな善い事がめずらしく私の肩をたたく
酸素の味と空の美しさを語ってくる
今日の終わりに気づくなんてちょっともったいない気がする
でも不思議と悪い気はしていない
善い事が私に触れ、気づく
今日はいつもより自分が愛おしいと
でも少し怖がってもいる
善い事のはずなのに、なぜか怖がっている
うまくいきすぎている気がして
愚かな私は貴重な善い日を普通に過ごすのだ。
そして、また寝て起きたらかくれんぼが始まって、
きっと私は見つけれずに息を吐く。




