いなくなったセシリア(2)
ミサはセシリアの部屋に行きノックしたが返事がない。
(寝てる…?)
「奥様…?部屋に入らせていただきます。」
ミサは部屋に入ったが、セシリアは部屋には居なかった。
(庭園かしら…)
ミサは庭園に行きセシリアを探したが庭園にもセシリアは居なかった。
ミサはセシリアと先程別れた場所へ向かう途中地面にキラキラしたものが落ちていることにきづく。
(これは…メイドが盗んだ物…?もしかして…奥様は追いかけた…?)
ミサは走って執務室へと戻った。
息を切らしながら執務室へ入る。
「ミサ?どうしたんだ珍しい。」
ソクラテスが少しビックリしたように話しかけた。
「旦那様…奥様がいなくなってます。」
「なんだって…?セシリアは何処に!?」
アーヴィンがミサを睨む。
「恐らく…行方をくらましたメイドに会って追いかけたのではと…。盗まれたものが庭園に落ちてましたので。」
「そうか分かった。ソクラテス、仕事は頼んだ。俺はセシリアを探しにいく。」
「承知しました。」
ソクラテスを執務室に残し、ミサとアーヴィンは走りながら玄関へと向かう。
「旦那様、申し訳ありません。」
「謝罪は後だミサ。今はセシリアを見つけることが先だ。」
「承知しました。」
ミサは貴金属が落ちていた所へとアーヴィンを案内した。
「旦那様、恐らくメイドはこの辺りで貴金属を落として奥様と遭遇してしまったと思われます。花壇を踏んだ跡もあるので…。」
「一旦庭を探せ。もしいなければ…恐らく屋敷の外だ。」
「はい。」
アーヴィンとセシリアは広い庭園を走りながらセシリアを探した。
「旦那様!扉が…」
暫く探していたがなかなか見つからず、裏口の近くまで来ると裏口の扉が開いていることに気づく。
「裏口は鍵がかかっていたはずですが…」
「セシリア…外に出たのか!?ミサ行くぞ!!」
アーヴィンは急いで屋敷の外を出てセシリアを探す。
「セシリア!セシリアいないのか!?」
「奥様!!いらっしゃったら声を出してください!」
2人は大きな声でセシリアを呼び続けた。




