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仕事が出来る人(1)

「アーヴィン様、此方の確認お願いします。」

「ああ。ありがとう。」

「次はこれをやればいいですか…?」

「ああ。」


私は今、アーヴィン様の執務室でお仕事の手伝いをしている。

何もする事がなく時間を持て余すのが嫌で、仕事を手伝いたいと言ったら二つ返事で返ってきた。断られると思ったから少しビックリしてるけど…。


簡単な作業を…という事だったんだけど、やり尽くしてしまってまた暇になりつつある。

ソクラテスも私が仕事をちゃんとしているかどうか確認しながら自分の仕事をしている。


「アーヴィン様、此方も終わりました。」

「ああ、置いておいてくれ。」


アーヴィン様は忙しいようで此方を見ずに返事をする。


少しだけ覗くと資料には税金に関しての抗議文が書かれていた。


「アーヴィン様…この領は税金高いんですか?税金も高くて物価高だと領民も困りますね…。税金の使い方も何に税金をかけるのかを考え直してはどうですか?例えばーーーーー。」


夢中になって喋っているとアーヴィン様とソクラテスはポカンと口を開けて私を見ていた。


「あれ…?私出しゃばりすぎましたね…ごめんなさい…。」

「いや!凄く良い案でビックリしてしまっただけだ…。セシリア、貴方はどこでそれを学んだんだ?」

「どこで……あ!以前ディミトリア家で部屋に閉じ込められていた時に本を読んでいました。」

「閉じ込め…?」

「あ、いえ少しの間だけです!その部屋に本棚があってずっと読んでました。」

「その本が経済学の本だったということか?それにしても…ここまで話が出来る人は珍しい…。」


ボソボソと独り言のようにアーヴィン様は呟く。


「あの、アーヴィン様?」

「あ、いや何でもない。ありがとう、セシリアの意見はとても貴重だったから参考にさせてもらうよ。」

「私の拙い意見を聞いて下さりありがとうございます。それで…次は何をすれば…」

「次は…次……。ここにあった資料は…?」

「あ、もう済ませましたので此方に置いてます。」

「そうか、じゃあ……ここにあった帳簿…」

「はい、そちらも日付順に並べ替えて彼方の棚に置いてあります。」


ソクラテスとアーヴィン様は目を合わせ、そのまま私の方を見る。


「あ、あの……何か不手際がありましたか…?」


「いや…こんなに仕事が早く片付くと思わず、つい驚いてしまった。セシリア色々手伝ってくれてありがとう。少しの時間休憩しておいで。また仕事が増えたら呼ぶから。」

「分かりました。お言葉に甘えて少しお庭に行ってきますね。」

「ああ、行ってらっしゃい。」


私は執務室を出て庭へ向かった。


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