魔王との闘い
第三章 魔王との闘い
■魔王城
ディライガー「ここが魔王ラオムの支配する魔王城だ」
リュード「魔王ラオム……俺に勝てるかな」
ディライガー「大丈夫だ。リュードは私に乗っているだけでいい。問題は君だ、ザイル」
ザイル「私にはディライガーに乗る資格がない、ですね」
ディライガー「そう、人型形態のプレミアディフェンダーには一人しか乗れないのだよ」
リュード「そうなのか」
ザイル「リュード様、大丈夫です。私専用のノーマルディフェンダーを召喚できますから」
リュード「ノーマルディフェンダーかあ。ちょっとどんなメカか興味があるなあ」
ザイル「では、行きます。来い、トルース!」
空中に稲光とともにスマートな体型のロボットが現れる。そして着地する。
ザイル「さあ、私を乗せてくれトルース」
ロボットがハッチを開いた。乗り込むザイル。
ザイル「さあ、戦闘準備完了です。リュード様行きましょう!」
リュード「俺もディライガーに乗らなくちゃ」
ディライガー「ああ、乗ってくれリュード。ここが入り口だ」
人型形態に変形したディライガーが座り込む。胸のハッチが開く。乗り込むリュード。
計器類がびっしり並んでいる。操縦桿をしっかりと握るリュード。
■魔王城の中
沢山のモンスターが跋扈している。
ザイル「リュード様、ここは私におまかせください。こんな雑魚どもは私が蹴散らしますよ!」
ディライガー「そうか、ならば任せようかリュードよ」
リュード「うん、頼んだよ。ザイルさん!」
■魔王の玉座
魔王「ふ、やはりやってきたか。ディライガー」
待っていたのは巨体を持つモンスターだった。魔王の名にふさわしい巨躯だ。
ディライガー「ラオム、久しいな。貴様を封印しに来たぞ」
ラオム「そう簡単には倒れんぞ、仮にも私は魔王だからな」
ディライガー「リュード、こいつがラオム、魔王の一人だ。世界を支配しようとしている魔王軍の一員だよ」
リュード「俺に勝てるかな。魔王と戦うなんて英雄の仕事だろ? 難しくないかな」
ディライガー「私がサポートする。勝つぞ、この闘い。行くぞリュード」
リュード「ああ、ディライガー。行くよ!」
ラオム「この地獄の業火を浴びよ、ディライガー!」
ラオムが炎を吐き出した。ディライガーが炎に包まれる。
リュード「あ、熱い……いや熱くないぞ」
ディライガー「ああ。プレミアディフェンダーは五千度の熱に耐えられるんだ。ラオム、お前に勝ち目はないぞ」
ラオム「なにを! この爪で殺してやるぞ!」
両手の爪で攻撃してくるラオム。しかしディライガーは避けずに全て受け止めるが傷一つつかない。
ディライガー「ラオム、お前の力では儂には勝てんぞ」
リュード「ディライガー、こんなに強かったのか……」
ディライガー「リュード、貴公が乗っているから戦闘力が底上げされたんだ」
リュード「そうだったのか」
ディライガー「さあ叫んでくれ、ディライガーソードと」
リュード「わかったよ。ディライガーソード!」
ディライガーの背中から巨大な剣が飛び出した。それをがっちり掴むディライガー。
ディライガー「行くぞ。ディライガー十億斬り!」
ラオム「な、なにぃぃぃ!?」
ラオムが一刀両断された。しかし二つに別れてもラオムは死なない。
ラオム「く、くそっ。また封印されてしまうのか」
ディライガー「それが魔王の運命なんだよラオム」
リュード「封印ってどうすればいいの。ディライガー」
ディライガー「貴公が叫ぶのさ。魔王封印と。そうすればラオムは消える」
リュード「わかったよ。魔王封印!」
ラオム「そんなぁぁぁぁ」
ラオムは光になって消えた。
ディライガー「これで一人目だな」
リュード「まだまだ魔王がいるってこと?」
ディライガー「ああ。まだ敵は多いぞ。気を引き締めてくれ、リュード」
リュード「わかったよディライガー」
■魔王城の入り口
ノーマルディフェンダー・トルースに乗っているザイルがディライガーを確認する。
ザイル「リュード様無事でしたか。モンスター達が消えたので期待してました」
リュード「ありがとうザイルさん。助かったよ」
ザイル「もうこれで今回の戦闘終了ですね」
ディライガー「次の魔王討伐は休息してからだな」
リュード「俺なんもしてなくない?」
ディライガー「貴公がいないと魔王封印はできなかったのだよ。自信を持てリュード」
リュード「うん、わかった」
ディライガー「さあ、撤収だ」
■ユーシアン王城
人間サイズのディライガーとリュードが玉座前にやって来ている。
王様「よくやってくれた、ディライガー、リュード。魔王を封印したおかげであの周辺のモンスター達が消えたのだ。礼を言う」
リュード「王様……ありがとうございます」
王様「ところでリュード。君にも魔王たちの間で懸賞金がかかったようだぞ」
リュード「はい?」
王様「ディライガーの乗り手リュード、生死問わず懸賞金二億五千万プレミアだそうだ」
リュード「えぇー!?」
王様「喜ばんのか? 一人前と認められた証拠だぞ」
リュード「王様、俺は二億五千万の器じゃないですよ。市井のガキですからね」
ディライガー「私の乗り手だ。当然の結果だよリュード。もっと自信を持て」
リュード「ディライガーがそう言うのなら……」
王様「さあ、今夜は宴じゃ、魔王討伐を祝って宴会じゃあ」
リュード「王様……俺未成年ですから。酒飲めないっすよ」
王様「ならばジュースをお代わり自由にしてやろう、さあパーティーの始まりじゃ」
第三章了