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5/10

cocoon

レビュー執筆日:2020/10/6

●面白い曲もあるが、全体的にやや地味な印象が。


【収録曲】


1.Prism

2.Arigato

3.Joker

4.Hanabi

5.Sorry

6.Catch Me

7.Sleepwalker

8.Kitakaze San

9.SOS! Feat. Creepy Nuts

10.Proust

11.Ao

12.Memento mori with Aimer


 ベストアルバムやミニアルバム『blue』を挟み、約2年半ぶりとなったandropのオリジナルフルアルバム。今作は、EDMの要素を取り入れた『Joker』やヒップホップユニット・Creepy Nutsとコラボした『SOS!』のようにアッパーな雰囲気の曲はあるものの、全体的に穏やかな印象を受けました。曲のテンポもさほど速くなく、そういう意味では『blue』と地続きになっている印象を受けます(もっとも、今作にネガティブな要素はほとんどありませんが)。


 今作の収録曲の中で特に興味深く感じられたのが、アルバムを締める『Memento mori』。左チャンネルから聞こえるボーカル・内澤崇仁うちさわたかひとの声と右チャンネルから聞こえるゲストボーカル・Aimerの声が8分を超える長い時間の中で曲を追うごとに次第に交ざり合っていくという実験性の強い曲になっているのですが、ただ単に奇をてらったものになってしまわずに、しっかりと楽曲として成立している点からは彼らの実力の高さというものがうかがい知れます。


 ただ、アルバムを全体的に見ると少々インパクトに欠けるように思えます、穏やかな楽曲が多いとはいえ、ゆっくりと跳ねたリズムで悲しげに聴かせる『Catch Me』だったり、カントリーの要素が強い『Kitakaze San』だったりとそれなりにバリエーションはありますが、曲中でのメリハリをあえて抑えたような曲が多く、そういう曲が続くと少しダレてしまったところも。先程挙げた『SOS!』ではクラシックを引用したイントロだったり、R-指定(Creepy Nuts)のラップだったりと、インパクトのある要素を色々と盛り込んでいますが、それゆえにアルバムの雰囲気から少々浮いてしまっているように感じられます(曲自体は面白いのですが)。


 前作のフルアルバム『androp』とは違う意味で「傑作までもう一歩」と感じられる本作。「アルバムとしての統一感」と「インパクト」の両立の難しさを感じられる一枚でした。


評価:★★★★

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