androp
レビュー執筆日:2020/9/29
●様々なジャンルの楽曲を楽しめるのは良いが、「傑作」と呼ぶにはあと一歩か。
【収録曲】
1.Yeah! Yeah! Yeah!
2.From here
3.Shout
4.Answer
5.Paranoid
6.Star
7.Dreamer
8.Alternative Summer
9.Letter
10.Corna
11.Ghost
12.Run
13.Songs
14.You Make Me
いわゆる「セルフタイトル」であるandropのアルバム。彼らのインタビューによると、どうやら今作は「これまでよりも自由に作った」ようなのですが、確かに様々な音楽性にチャレンジしているような印象を受けます。冒頭を飾る『Yeah! Yeah! Yeah!』はこれまでに無いほど爽やかさを感じられる楽曲になっていますし、『Alternative Summer』はハードなサウンドと変拍子が印象に残るナンバー。『Letter』はラップ的な節回しがユニークですし、『Run』はサンバの要素を取り入れた陽気な楽曲になっています。ただ、彼らにとって「新しい音楽性を取り入れる」というのは今作に始まった話ではないので、そういう観点からすると「これまで通り」と言えるかもしれません。
ただ、アルバムとして上手くまとまっていた『one and zero』や『period』に比べると、今作はややとっ散らかっているように感じられ、パズルに例えるならば、「完成まであと数ピース足りない」ような印象を受けます。もし彼らがもっと明確な「個性」を持っているバンドならば、例えそうであろうとも傑作になり得るのですが、個人的には彼らにはそういう印象を持っていないので、だとすると、今作は「傑作」と呼ぶにはあと一歩に感じられました。もちろん、「様々なジャンルの楽曲を楽しめるアルバム」としては良くできた作品であることには違いないのですが。
評価:★★★★