43_YOUとGUNの再戦②
紗希と優斗の対戦は白熱していた。
一進一退の攻防が続くが、やはり紗希のほうが一枚上手のようだ。
(シャークは攻撃が終わると素早く動けないんだよね~)
バンッ!バンッ!バンッ!
攻撃をよけるシャークは、壁に隠れる。
シャイニーはジャンプして相手のいる位置までダッシュする。
(前回と同じ攻撃でも当たるかな…?)
シャイニーはシャークの真上を回転しながらジャンプした。
ヒュッヒュッ
(今だ…!!)
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
攻撃は当たらない。優斗は弱点を克服したようで、動きが違う、と紗希は思った。
(無駄がなくなってる…)
紗希は無謀だと分かりつつ、シャークに攻撃を仕掛ける。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
ダッシュで近づくとシャークからも攻撃が飛んでくる。
ヒュッヒュッ
シャイニーをスライディングさせてシャークの攻撃をかわすが危なかった。
だが、逃げてばかりだと負けると思った。
(チャンスは作るもの…必ずどこかでに弱点がある…)
当たらないと分かりつつシャイニーは攻撃を続ける。
シャークは攻撃をよけるため、階段を上って上に向かった。シャイニーも追う。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
スッー
シャークは攻撃をかわしながら三階から一階に落ちる。
着地させるタイミングを間違えると体力ケージが減り、なおかつ少しの間、動けなくなる。
シャークは見事に着地を決め走っていく。
紗希はシャークの行動を見つつ、直観でシャイニーを操作する。
(いける…ここだっ!)
シャイニーもシャーク同様、三階から一階に落ちる。その際、紗希は、ジャンプボタンを巧みに押しながら落ちるので、シャイニーはそのままクルクルと回転し、シャークの真上から攻撃を仕掛ける。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
バタッ…
シャークに攻撃が当たり、ムービーが始まる。
宝箱が開きシャイニーは宝を取り出す。手にしているのはハートだ。ハートに口づけすると大聖堂のエリアが消えて、路地裏に移動する。
「私の敵じゃないわね!」(シャイニー)
「負けたぜ、やっぱりオレは半人前だな」(シャーク)
『 YOU WIN !! 』
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YOU WIN !!
GAME・ユートピア(野日店) VS YOU
DATE 2011年12月25日
TIME 22:52
*あなたの成績*
GAME・ユートピア(野日店)((トラのマーチ)) 654勝1敗
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「…負けたよ、紗希さん」
優斗が紗希の台までやってきた。
「まさかの攻撃だった…。負けて悔しいけど、あんな攻撃、紗希さんにしかできないと思う。すごいよ、本当に…」
優斗は少し興奮している。
「いえ…私も…」
紗希は複雑な表情を浮かべていた。
「私…優斗さんに負けるかもしれないって思いました。だけど…無我夢中で…勝てて良かったですし、楽しかったです」
紗希は座ったまま、優斗を見上げる。
「僕も…楽しかったです…。それに…負けてスッキリしたんです。もしかしたら、前回も僕の負けだったかもしれないな…と。渉と真一さんに感謝です」
「そんなことないですよ…」
「あの…どうかしましたか?」
「えっ…?」
なかなか立ち上がらない紗希を優斗は不思議に思う。
「あっ…ちょっと…刺激が強すぎて…胸が…苦しい…です」
立ち上がりたいけど、足に力が入らないと紗希は続ける。
「それじゃあ…紗希さんが落ち着くまでトレバトしましょうか?」
優斗は紗希の隣に座ってオンラインバトルを始める。
「何かあればアドバイスして下さい。それに…トレバトしてれば紗希さんが元気になってくれるような気がします」
そう言って優斗はオンラインバトルを始める。紗希は静かに画面を見ていたが、だんだんといつもの調子が戻ってきた。
「…優斗さんのプレイってなんて言うか…美しいですよね…」
「はは、美しいですか?」
「はい、ずっと見ていたいですし、私の方が勉強になります…」
そうだ、と紗希は優斗にお願いする。
「私、シャークのストーリーバトルをずっと見てみたくて…お願いできますか?」
「…はい…もちろんいいですよ」
その後、二人は仲良くトレバトして遊んでいた。
奈々と渉はオンラインバトルを観戦した後、ずっとトレジャーバトルで遊んでいた。
「奈々さん、そろそろ何か食べに行きますか…?」
「もうこんな時間…?」
二人は立ち上がった。
「奈々さんの覚えの早さは、目を見張るものがあります」
「そんなに褒めても賭けは私の勝ちだからねー」
ゲームセンターから出ると雪が降っていた。
「うそっ、雪が降ってる」
「どうりで…寒いと思いましたよ…」
傘がない二人は雪の中を歩くしかない。
「うー寒くて手が凍るねー」
奈々は手をこすりながら歩いている。
「僕が奈々さんの手を握れば…温かくなると思います」
「渉君…。私、渉君に言いたいことがあって今日は来たんだ…」
立ち止まる奈々と渉に雪は降り続ける。
「この間の返事が聞けるってことですか…?」
「うん…。あの日…渉君に告白されてすごく嬉しかった」
奈々は本当に嬉しかったのだ。
「渉君を好きになれたらいいのにって思った…。考えたよ…渉君のこと…。だけど…やっぱり大輔のことが頭から離れない。いつも考えるのは大輔のことで…。叶わない恋だって分かってる…でも…簡単に諦めらることができないの…ごめんなさい…」
奈々は渉に頭を下げる。
「奈々さん…ありがとうございます…。僕の気持ちに答えてくれて…。振られちゃったけど、少しの間はまだ好きでいさせてください」
「うん…好きになってくれてありがとう」
奈々の鼻は赤い。
「奈々さんに風邪をひかせちゃいますね、ご飯食べに行きましょうか?」
「うん…」
二人は歩き出した。
「…私、渉君とは気まずい関係になりたくないな」
「僕も嫌です。仲のいい友人に戻りましょう」
「うん、すっごく仲のいい友達に…」
「…はい」




