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24_YOUとGUNの対戦①


次の日、紗希はさっそくトラのマーチのリーダーにメールを送った。


「緊張するけど、送信っと」


奈々と大輔は『GAME☆ユートピア』のテーブル席に座って、紗希のことを見守っていた。


「対戦する前にYOUの観戦ができて良かったよ~」


俺も見たかった、と大輔はコーヒー牛乳を飲みながら悔しい表情だ。


「メールの返信っていつ来ると思う?」


ドキドキしている紗希だ。携帯の画面には送信したメールが写っている。



****************************************

『バトルの申し込み』              2008/9/21 16:01


TO   YOU

FROM GAME・ユートピア(野日店)


対戦の申し込みをお願いします。


ただし私が勝った場合は、私の条件に従ってもらいます。

私が負けた場合は、あなたのチームに入ります。


条件:「トラのマーチ」を解散させること


GAME・ユートピア(野日店)

****************************************



「そんなすぐに来ないと思うけどな」


「そうね、今週中に返信がくるんじゃないかしら…?」


そっかぁ~と言って紗希は画面を戻そうと携帯にタッチしていた。



****************************************

GAME・ユートピア(野日店)


メールを作成する

受信ボックス・・・・・・・・・・1件(未読)

送信ボックス・・・・・・・・・・2件


*あなたの成績*

GAME・ユートピア(野日店)((NON TEAM)) 498勝0敗

****************************************



「あれ、またメール来てた」


奈々と大輔が反応する。


「まさかYOUじゃないよな?」


「開いてみて、紗希」


二人が紗希を急かす。ちょっと待ってね、と言って紗希が画面を操作する。



****************************************

『RE:バトルの申し込み』                  2008/9/21 16:15


TO    GAME・ユートピア(野日店)

FROM  YOU


メール拝見しました。

その条件で対戦をお願いします。


対戦はいつでも構わないので指定された日時を返信してください。


トラのマーチ

YOU

****************************************




「…うそーYOUからだよ!!」


「返信が早すぎるだろう…」


「メールが来たら着信が鳴るように指定してあるんじゃない?」


奈々は冷静だ。


「どうする、紗希…?」


「私、今からでも平気ってメールするよ」



****************************************

『RE:RE:バトルの申し込み』        2008/9/21 16:17


TO   YOU

FROM GAME・ユートピア(野日店)


<対戦日時>

日にち:2008年9月21日

時間 :16時30分


GAME・ユートピア(野日店)

****************************************



「ねぇ、こういう対戦の場合ってフィールドはどうやって決めるの?」


紗希が奈々に質問する。


「たぶんランダムにすると思うけど…?」


「そうだな、ランダムにするんだろうな」


奈々と大輔が確認する。


「私、最近いろいろなフィールドで戦っているから大丈夫だと思う」


「そうねー。でも油断大敵よ、紗希」


「うん」



****************************************

『RE:RE:RE:バトルの申し込み』             2008/9/21 16:20


TO    GAME・ユートピア(野日店)

FROM  YOU


承知しました。

フィールドはランダムでお願いします。


トラのマーチ

YOU

****************************************



「メールが来てる」


紗希が携帯の画面を見せる。


「やっぱフィールドはランダムだったな」


「YOUって人、いつも何のキャラクターを使ってるのかな?」


紗希が奈々と大輔に質問する。


「チャーリーをよく使うらしいわよ」


「一回フリオも見たことあるけど」


「フーン、なるほどね…」


うんうん、と頷く紗希だ。


「大丈夫そうか?」


「うん、私シャークってキャラと一回も戦ったことがなくてさ…」


「そうなの?」


「でもチャーリーかフリオなら武器とかも分かるし…」


平気そう、とピースする紗希だ。


「確かにシャークってあまり使われないよな」


「そうね、確か口から水を吐いてそれが攻撃になるのよね…?」


「え…気持ち悪い…」


「シャークは半漁人だからな…」


時間になりそうなのでトレジャーバトルの台に移動しながら、他愛無いことを話している紗希たちだ。



-----------------------------------------------------------------------------


『トレジャーバトル3』  ※コインをいれてね!

Now Loading・・・


『トレジャーバトル3』

○ 対戦バトル

○ ストーリーバトル

○ トレジャーバトル掲示板

○ 対戦成績


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(対戦バトル決定)


対戦バトルを選んで決定ボタンを押すと、チカッとゲームの中央に表示された。


『あなたに対戦の申し込みが来ています 56件』


対戦相手の表を見ながらYOUを探す。


『YOU とバトルしますか? YES OR NO』


「これだね」


紗希が画面を指さしながら言う。


「頑張れよ、紗希」


「うんっ!!」


YES、決定



『フィールドを選んでください』

方向キーを動かして、ランダム決定


『キャラクターを選んでください』

シャイニー、決定


ゲームはヒュンといって『Now Loading』が表示された。



YOUが選択したキャラはシャークだった。

ムービーが流れる。シャークは半漁人だが、スーツを着ている。テーブル席でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。病院の中なのか背景が白い。新聞を読み終わると、横においてあった花束を持って、個室へと入っていく。そこでムービーが終わる。


シャイニーのムービーが流れる。

シャイニーは、バスローブを着ながらクローゼットの前に立っている。ワンピースを着て耳に大きいイヤリングをする。ネックレスをつけてリップをつける。鏡に向かって強気に微笑むとジャケットをバサッと羽織ながら玄関へ向かう。ハイヒールを履いてドアを開ける。



「ウソッ…相手シャークだよ~~」


ショックを受ける紗希だ。


「落ち着いて」


「そうだよ、キャラなんて関係ねぇよ」


二人が後ろから励ましてくれる。



『BATTLE START!!』



シャークとシャイニーは走り出す。


フィールドは『廃屋の学校』だった。シャークは一階にいて、シャイニーは三階にいる。


シャイニーは廃屋の学校を飛び跳ね確実にシャークに近づく。シャークの方は逆に距離を取っている。


「何があるか分からないから注意してね」


「オッケー!」


画面を見るとシャークが近い。カメラの位置を変えてジャンプしながらシャークを視界に捕らえる。


(そこだ…!)


バン!バン!


シャークには当たらなかったようだ。左上にある画面を見ると距離が遠くなっている。


(YOUは攻撃してこないの…?)


シャークが逃げた方へ慎重にシャイニーを動かす。スライディングして机の上を通り抜けると三階に来ていた。窓の近くにいるシャークにシャイニーは攻撃する。


バン!バン!

スッー


攻撃をサラリとかわしながら窓の外に落ちていった。


(3階から落ちたら倒れるんじゃないの?)


シャイニーの方も急いで窓の下を覗き込む。シャークは、回転しながら着地したため、体力ケージは減っていなかった。


ヒュッヒュッ


着地した瞬間にシャークは口から液体を吐き出しシャイニーに攻撃をした。


(危ない…!)


かろうじて避けた。


(強い、このプレイヤー)


シャイニーが階段を使ってシャークがいる方へと操作キーを動かす。シャークの方は相変わらず距離を取り踏み込んでこない。



チャットの方も盛り上がっている。

(No.28)YOU vs GUNだよ

(No.29)なにこの最高な組み合わせ

(No.30)YOUのジャンプ見たかよ~

(No.31)なんでこんなことできるんだ?

(No.32)GUNを応援しています



シャイニーがどんなに距離をつめても、シャークはのらりくらりと逃げるばかりで消極的だ。そうこうしているうちに30分が経過した。



『Fird Change』


画面がチカチカして急に動かなくなってしまった。ゲームはヒュンといって『Now Loading』が表示された。


「…あれ、動かなくなっちゃった!」


「どうなってるんだ?」


大輔も驚く。


「30分経って決着が着かない場合は、フィールドが変わるのよ」


ゲーム画面が『ジャングル』へと移る。


「ジャングルに変更されたぜ」


「体力や銃弾はそのままなんだね~」



『BATTLE START!!』



シャークもシャイニーも飛び出す。


ジャングルは木や枝のツルや沼がありジャンプすることがシャイニーにとっては多くなる。

お得意の床をスライディングできるスペースはない。


シャークは、シャイニーに近づいてくる。


ヒュッヒュッ


下から攻撃が飛んできた。シャイニーは避ける。


(攻撃してきた…)


「このフィールドは、積極的に動くわけね」


「どういうことだよ、奈々…?」


後ろから見ている大輔が奈々に質問する。


「たぶんYOUにとって得意なフィールドなのよ」


「消極的だったのも、得意なフィールドに移動するためだったのか…?」


「…そうじゃなくて…紗希にとって不利なフィールドを待っていたんじゃないかしら…?」





その頃、優斗は、新宿西のゲームセンターにいた。後ろには小林が立っている。


(GUN…君がシャイニーを使うことは分かってた)


優斗はシャークを意のままに操作している。


(君にとって不得意なフィールドで戦うために…)


シャイニーが少し距離を取る。じわりじわりと動きチャンスだと思うと確実に優斗は攻撃を仕掛ける。


(ありとあらゆるシミュレーションをしてこっちは準備してきた…)


小林は腕組みをして熱中しながら画面を見つめている。


(さぁ…来いよ、僕が君に勝ってやる)






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