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13_俊介のトラのマーチ入団テスト

真一と渉が立ノ川のサガで固まっていた。シーンとなっているところに俊介が登場する。


「よっ、お疲れさん!」


反応がない二人にどうしたのか、と思う俊介だ。


「真一さん…」


かろうじて渉が真一の方を向く。



*************************************

YOU LOSE !!

真一 VS GAME・ユートピア(野日店) 

DATE 2011年7月8日

TIME 26:22


*あなたの成績*

真一((トラのマーチ)) 1050勝14敗

*************************************



真一は呆然としている。


「ん?負けたのか、真一」


「俺の攻撃が一回も当たらなかった…」


「信じられないですよ、GUNの動きハンパなかった…」


「しかも俺…GUNに遊ばれてなかったか…?」


渉も真一も固まってしまい、口しか動かないようである。


「とりあえず、小林さんに報告してくる…」


携帯を持ってフラフラと真一は歩き出す。その行動を俊介は不思議に思う。


「真一のやつ、何で小林さんに報告するんだよ?」


「『トラのマーチ』は、オンラインバトルで負けると小林さんに報告する決まりがあるんです」


めんどくさい決まりだな、と俊介は思い、手に持っていた缶コーヒーを開ける。


「GUNね~」


(強くてシャイニーを使うんだろう?もしかして…?)


ハッとなる俊介だ。


「なぁ、そのGUNって女って言ってたよな?」


「僕の勝手な想像ですけどね」


渉が頭に手をやりながらハハハと笑う。


(もしかしてGUNは…!?)


俊介が黙り込むので渉が話を始めた。


「かなり強いですよ、GUNは…」


それに、と渉は続ける。


「GUNが進化しているような気がするんです」


「進化?」


「はい、成長してるっていうか…」


真剣に話す渉に俊介は、ふーん、という顔をする。


「まぁ~これで広瀬優斗もGUNに負けたら面白そうだな…」


「なっ…全然面白くないですよ…」


俊介と渉が話していると真一が戻ってきた。


「小林さん、何て言ってましたか?」


渉が聞くと真一が難しい顔になる。


「俺の負けについては特に何も言わなかったんだけどさ…」


真一は俊介の缶コーヒーを取り一口くれ、と言って飲んだ。


「詳しいことは交流会の時に話すらしいけど…」


「…はい」


「GUNをトラのマーチに入れたいって…」


「GUNを…トラのマーチにですか??」


「あぁ、優斗の強い希望みたいだぜ」


顔を見合わせて真一と渉はまた固まってしまう。


「…なんだか、楽しそうだな」


沈黙を破ったのは俊介だ。


「おれもトラのマーチに入れてくれよ」


能天気に話す俊介にいやいや、と真一は物申す。


「トラのマーチに入るのは簡単じゃないぜ?」


渉も苦笑いだった。


「チームに入るのは、入団テストがありますからね…」


「トラのマーチに入りたいやつは結構いるけど、ほとんど入団テストで落とされてる」


「そうですね。僕は入団テストを三回受けて、最終的に小林さんのご厚意で入れてもらいました」


真一は入団テストを2回目で合格したと明かし、苦い顔になる。


「…俺もチームに知り合いがいたから、実力は足りてなかったけど、優斗も小林さんも善意で入れてくれたようなもので…」


真一と渉は、トラのマーチの入団テストをパスするのがいかに難しいか説明する。


「難しいのは分かったけど、とりあえず入団テスト受けてみたい」


「強気ですね、俊介さん」


「それじゃあ、俺が小林さんに連絡しといてやるよ」


こうして俊介はトラのマーチに入るため、特別に入団テストを受けさせてもらった。






後日、俊介は母親が働いているサガの会社のオープンカフェにいた。カフェの一番端っこでコーヒーを飲んでいると、母親の加奈がやってきた。


「おまたせ~俊介」


「遅いよ、母さん」


ゴメン~と謝る加奈だ。加奈はコーヒーとサンドイッチを買ってきた。


「はい、これあげる」


サンドイッチを俊介に渡した。ありがとう、と言って俊介はサンドイッチを食べ始める。


「それで…『トラのマーチ』には入れそうなの?」


「今日チームに入れるか入団テストをしてもらったんだ」


「まぁ、どんなテストなの?」


「うん、それがね…」


俊介は先ほどの対戦を思い出した。


――俺に勝てればチームに入れるから


俊介はトレジャーバトルの台に座ってチームマネージャーの小林と話をしていた。俊介の後ろには真一がいる。


――簡単に負けんじゃねーぞ、俊介


真一が笑いながら激を飛ばす。


――あぁ、分かってるよ


俊介は台に座ってトレジャーバトルをした。キャラクターはマリアを使い、小林はダニエルを使っている。バトルの最中に撃戦になった。


シュッ、シュッ!

ダニエルの攻撃、バラが飛んでくる。


(小林さん…たいしたことない)


操作しながら俊介はそんなことを考えていた。


(でもすぐに勝つのもおかしいよな…きっと)


あれこれ考えて俊介は適当に動かし適当な時間で勝利を収めた。


――負けたよ、宮永君


対戦が終わると小林が俊介のところにやってきた。


――いや~、小林さんに勝てて良かったです


いつもの調子で俊介は笑う。


――詳しいことはまた連絡します…それまで待ってて下さい


小林は感じ良く俊介に伝えた。




「ってな、感じだったよ~」


サンドイッチをパクパク食べる俊介だ。


「さすが、私の息子」


コーヒーを飲みながらフフフと笑う加奈だ。


「母さんにトレジャーバトルを仕込まれてるからね」


「まぁ、心外」


「だって、小さい頃はスパルタだったじゃん」


そうだったかしら~とコーヒーを飲む加奈だ。


「そうだ!GUNって母さんなの?」


「なによ、突然」


加奈は驚いたためコーヒーをこぼしそうになった。


「いや、今ね、ネットで強いプレイヤーがいて女って言うからさ~」


「GUNか…俊介も近いうちに分かるかもね…」


勝ち誇る加奈に嫌な顔をする俊介だった。





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