ぼくんち、ハンバーグかぞく
みんなは、ハンバーグすきかな? ぼくは、大すきだよ。9さいの たんじょうびにも、レストランで たべたよ。
ある日、ぼくは、おかしなことを かんがえちゃった。
もしも、おとうさんが ハンバーグだったら、どんな ハンバーグかなあ。
おとうさんは、からだも 大きくて、きんにくも むきっとしているから、うーん、たぶん、レストランの 大きな ハンバーグかな。にくじるが あふれでそう。
「しっかり やいてくれよ。おれが おいしくなるのは、コックの うでしだいだからな」
コックさんが やこうとすると、おとうさんハンバーグが えらそうにいう。
「ほらほら、こげちゃうぞ。火が つよすぎないか?」
「一流のコックなら、ここで うらがえすけどな」
「そもそも ハンバーグというものは……」
あまりにも おとうさんハンバーグが ぐちぐち いうものだから、とうとう コックさんも……。
「もう、うるさいハンバーグだな! 気がちるじゃないか!」
ほーら、おこっちゃった。
それでも、おとうさんハンバーグは、おさらの うえで ドーンとしてる。「さあ、おなかいっぱい たべるんだぞ」てね。
それじゃあ、おかあさんが ハンバーグだったら、どんな ハンバーグかなあ。
スーパーで うってる、チキンハンバーグかな。ふくろに はいっていて、おゆで あたためるやつ。おかあさんも、よく かってくるもんね。
ぐつぐつ、ぐつぐつ、おなべの おふろに はいって、おかあさんハンバーグは いいきぶん。
「ああ、あったまるわぁ。いいおゆねぇ」
でも、いつも いそがしい おかあさんハンバーグは、ついつい いそいじゃう。
「もう、いいんじゃない? はやく だして」
まだまだ、もっと あったまってから。
「もう いいと思うけど。ほら、おなかを すかせた こどもたちが 見てるわよ」
もうちょっと、もうちょっと。
「もう じゅうぶん! はやくしないと、とけちゃいそう!」
はいはい。あわてない、あわてない。
ふくろから だして もらった おかあさんハンバーグは、ゆげが ほかほか、ソースが とろーり、いいにおい。
「さあ、さめないうちに めしあがれ。あつあつが おいしいのよ。でも、やけど しないでね」
おかあさんハンバーグは、やっぱり いそがしい。
ぼくと いもうとの まいちゃんは、どんな ハンバーグかなあ。
おかあさんの 手づくり ハンバーグが いいな。
レストランの ハンバーグみたいに きれいじゃないけど、やさしい おかあさんの あじだよ。
「おいしくなーれ、おいしくなーれ、おいしくなーれ」
おかあさんが、おまじないを かけながら つくってくれる。
「おにいちゃんの ほうが 大きくて おいしそうだね」
ぼくが いじわるをいうと、5さいの まいちゃんが おこりだす。
「まいだって おいしいもん! ちっちゃくても、おいしいもん!」
ふふふ。もうちょっと いじわるしたくなっちゃう。
「まいちゃん、こげてるね。にがいよ」
「こげてないもん! きれいだもん! おかあさんが つくったもん! うえーん」
ああ、とうとう まいちゃんハンバーグが ないちゃった。ごめん、ごめん。
大きくても、ちっちゃくても、こげてても、おかあさんの 手づくりハンバーグは、げんきいっぱいだよ。
あー、そんなことを かんがえていたら、ハンバーグが たべたくなっちゃった。きょうの ばんごはんは なにかな?
そのとき、テレビを 見ていた おとうさんが いった。
「ようし、きょうは ハンバーグを たべにいくか」
「えっ、ハンバーグ? やったあ!」
ぼくは、とびあがった。
「やった、やったー」
まいちゃんも、ソファの うえで とびはねてる。
「ぼくんち、ハンバーグかぞくだね」
ぼくが いったら、おとうさんが わらった。おかあさんと まいちゃんも わらった。
ようし、おなかいっぱい たべるぞ。
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