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ニコイチ(2)
その次にはまた消えていた。
結果気のせいだったと言う事にした。
で半年位忘れていた。けれど次は町中で背中ファスナーに遭遇した。
高校生、俺と同い年位の女の子。
変なんだけれど、凄くドキドキして見知らぬ他人に話かけようと思った。
「あの……」
振り返る、至って普通の女の子。でもファスナーガール。
「この背中のさ、なに?」
「?」
「ファスナーみたいな奴……」
?
「気持ち悪いんですけど? ナンパですか?」
「?」
明らかに不審者を見る目だ。俺の聞き方が悪いのか。ひょっとしたら『これ』気づいていない。
んー。
「もう行っていい? ホント、キモいから」
「あっ」思わず肩に手をかけると、おもいっきり振り払われる。
「さわんな! バカ!」
ひぃ
それ以降ファスナーがトラウマです。