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いぬのきもち
唇が離れると、彼女はふふっと笑った。
「キスはじめて?」
「うん」
3コ上の彼女はそういう事に、やたら慣れていると思え、とてもドキドキした。
キス、キス。その次はなんだ……。
「蒼くんピュアだよねえ、キスだけでそんなに可愛い顔できるなんて」
頭をよしよしと撫でられる。
ホントに撫でられたいのは股間なのだが、内緒だ。
「……どうして、俺にキスしたの?」
「君が綺麗な顔をしているからかな」
それって好きって事?
……。
チュ。
頬にキスをされる。
「またね。またしよう。ふふ」
俺から離れる彼女。
『おあずけ』をされた犬みたいだ。
俺の『しっぽ』は下を向いている。