プロローグ
俺は転生者だ。よくある感じに言ってみる。
通り魔でぽっくり逝って早14年。そんな俺も、一ヶ月後に転機を迎えることとなる。
そう、成人の儀を迎えるのだ!一ヶ月後は俺の15歳の誕生日!つまり、何が言いたいかというと
「よっしゃ、ギルドに直行じゃああああ!」
というわけである。
この世界は、俗に言う異世界だ。そこらかしこに魔物がいて、人間などの種族に少なからず害を与えている。
そんな中設立されたのが、そうギルドなのだ。最初はちょっとした自警団ほどの規模だったらしいが、依頼を受け、その依頼をギルドに入っているものならばだれでも受ける事が出来る制度や、依頼をこなせばこなすほど、ギルドの中で優遇されていくランクの制度などが興味をひかせ、今では全ての国に十個は必ずあるほど、大きい世界的有名なものとなった。
この話は日本で暮らしていた俺に、雷を落としてくれた。そのころからは、親に内緒でこっそりギルドについて調べたり、筋トレを繰り返したり、重い木の棒を剣と見立てて独学の剣術を頑張ってつくろうとしたり、色々努力したものだ。
しかし、俺は気づいた。そう、気付いてしまったのだ!
この世界に、魔物図鑑がないことに!
おかしい、おかしくないか?おかしいだろう!!どうして魔物図鑑がないんだ。魔物について情報があれば、初めて挑む魔物にだって、色々対処できるはずだ。
話を聞く限り、どうやらこの世界では、そういった情報は弟子や信頼できる仲間にしか伝わらないらしい。この話を聞き、その時点で絶望してしまった俺は、決めたのだ。
「なら、俺がつくればいいじゃない!」
一ヶ月後に迎える成人の儀。成人にさえなれば、ギルドにも登録することができる。そして、俺は……俺は、スライムとかそんな最弱モンスターから、ドラゴンなどの最強種まで、幅広く、何を食べるのか、どんな攻撃をしてくるのか、どういったところに住むのかなどなどを記した、そう
「俺による、俺の、世界の人々のための、魔物図鑑作りのはじまりじゃあああああ!!!!!」