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第5話 予感 中篇

刀剣博物館とか行ってみたいと思うけど、どっかでやっているんだろうか?


まだまだ続く原作プロローグ。

早く本編に追いつかせたいなぁ。

遠い記憶を見ている気がした。


しかし、この人生では絶対に経験していないと思う。


記憶をたどっても思い出せないなら、きっとこれは夢なのだろう。


目の前には一人の男がいる。中性的な顔立ちであり、長い髪を後ろで束ねているため、女性と見間違えそうではあるが正真正銘の男だ。


彼とはよく話をしていた気がする。己の将来に対する不安や昨晩の夕飯がどうだったかなど、そんな他愛もない会話をする仲だった。


そんなよく分からない設定を押し付けられたような感覚がする。他人の夢の中を見るのは、きっとこんな感じなんだろう。


「私の夢か?特コレと言ったモノがあるわけではないが・・・。ただ死ぬ瞬間だけは素晴らしいものであって欲しいと願っているよ」


夢の中の俺が投げかけた問いに男が答える。己の最後を飾る死だけは至高のものであってほしいと。


「そういう君はどうなんだ。期待ていた答えを返せた気はしないが、私が答えたのだから君も教えてくれていいだろ?」


そう言われて夢の中の俺は困っていた。


そもそも先の問いは、自らの未来像が想像できなかった故のものだ。当然答えを出すことは出来ない。


だが、自身が常に希っていることは存在する。




大きな戦いを経て、人々の罪が洗われた世界があった。そこでは全ての人が罪を持たず、恒久的な平和が約束されていた。


しかし、それと引き換えに人々のほとんどが神に管理されていた。それは命令を忠実にこなす機械のようなものだ。




そんな世界を見て、人々のあり方に不満を持った存在もいた。ここにいる彼らもその一部だ。


一方は至高の死を望み、もう一方は・・・


――――幸せを感じたい。当たり前に与えられたものではなく、自分で掴み取った幸せを


そのような渇望を抱えて、世界の異端児たちは自らの望みを叶える為に足掻き続ける。




・・・・・・・・・



・・・・・・



・・・






『世界の刀剣博物館』


諏訪原市の観光名所のひとつ、いわゆる博物館で全国の刀剣、つまり日本刀からナイフの類までの光物をかき集めた展示会がここ最近開かれているらしい。


10月7日の今日、俺たちは玲愛先輩からもらったチケットでこの催しを見に行くことになっている。


誘った内の宏和が午前に用事があるとかで、昼飯を食ったあとに集合ってことになっていた。そう、なっていた(・ ・ ・ ・ ・)のだ。


「何で俺は一人さみしく、休日の家族連れや、はたまたカップルなんかを見続けなければならないのか!」


待ち合わせは13時ジャスト。とりあえず遅れるのは申し訳ないと思っていたので10分くらい前には待ち合わせ場所でもある博物館前にはついていた。


そして現在13時27分。余裕で30分は待ち惚けをくらっている。


待ち合わせの相手が遅れているのなら、連絡を取ればいいのかもしれないが、こんな日に限って携帯を忘れてきてしまった。


今回早めに来たのも、いざというとき連絡が取れないままなのはまずいと思ったからだ。結果的にはもしもの報告を受けることができなくなっているのだが。


そもそも皆ばらけて再集合しようとしたのが間違いだった気がする。


俺たちは4人で4LDKの二階建て住宅を借りて生活している。つまり初めから一緒にでてくればよかったのだ。


そのことを提案したら、和宏からの用事ありの一言があり、朔夜がついでだから土曜活動の剣道部の様子を見てくるとか何とかで、早々に家を出ていた。祐一もこっちに付いていった。


このときの選択をミスったのかもしれない。俺も虎野姉弟に付いていけばよかったと、今更ながら後悔していた。


「5分前行動くらいしろってんだよ。こうなったら召喚の舞でも踊るぞチクショー」


何やらうまくいかないことが続いて、どうにでもなれな気分になって両手を大きく開いた瞬間・・・


「悠久、お前何やってんの?」


と後ろから声をかけられた。振り返ってみると和宏が立ってるではありませんか。


「おせぇぞこの野郎!」


「いや、遅れる連絡は入れたはずなんだが・・・」


なんてこった・・・携帯を忘れたことを、これこそ今更後悔していた。


まぁ、堕ち込んでてもしょうがないので、和宏に現状を報告した。


「お前にしては珍しいな。いつもならこんなミスしないだろ」


と、そう言いつつ、朔夜たちと連絡を取ってくれている。


「しゃーないだろ。こちとら一般民ですから。上手くいかないときだってあるんだよ」


今日なんて特にそうだろう。つーか俺の発言に和宏が残念そうな目で答えてくるが気にしないようにしよう。


ちょっと微妙な空気になったところで、和宏の携帯に返信が届いた。


「どうやら道中で氷室先輩と出くわしたらしい。つかまって話し込んでいたら遅くなったんだと来たな」


何やらあちらも大変そうなイメージが伝わってくる。


「あの人、休日に何やってるんだろうな。朔夜以外に友達がいるって聞いたことも・・・あれ?」


「どうした?」


話していると前方を派手な車が通っていた。


「アレはキャデラックか?かなり派手な車だな」


そう和宏が車を目で追いながら言った。しかし俺が気になったのはそこではなく・・・


(見間違えか?)


件の車に司狼が乗っているように見えたのだ。しかし、そもそもあいつは入院中のはずだ。先日見舞った際に絶対安静を言い渡されていたし。


そんなことを考えていると、前から朔夜と祐一が来るのが見えた。


「ごめ~ん。待った?」


この幼馴染最年長は一体何を言っているのだろうか?


「いや、俺は今来たところだ」


「もぅ、和宏じゃないでしょ」


「え?あ、す、すまない・・・」


「いや、何マンガみたいなことやってんの?それっぽくなっててびっくりだよ!?つーか俺についてなら待ったに決まってんだろ!」


「悠久、悪かったから落ち着いてくれ」


ちょっとテンション上げすぎて、祐一に諭される形になった。


「悠久、ごめんね・・・」


さらに追い打ちをかけるように、朔夜が上眼使いで謝ってくる。いつも年上ぶろうとしてるくせに何やら可愛らしくいや何でもない。


でもなんか、こっちが悪いような気がしてくるから不思議だ。


「悪い怒鳴りすぎた。まぁなんだ。俺も携帯忘れて連絡とれなかったのは悪かったから、お互いさまってことで」


「うん。ありがとっ」


こうやって沈んだ後に笑顔を見せるのは、女の子の最強の武器だと思う。朔夜なんか狙ってやっているわけじゃないから、余計に太刀打ちできない。


「とりあえず中に入ろうぜ。俺結構わくわくしてるんだからさ」


「そうするか」


祐一の促しと、和宏の同意で博物館の中に入る。



「――――――――」


「ん?」


博物館に入った瞬間に、何か聞こえたような気がした。


「朔夜、何か言ったか?」


「え?何も言ってないけど、どうかしたの?」


「いや、空耳か何かかな」


気のせいだったのだろうか、あまり気にしても仕方ないかもしれない。


「おぉ~すげぇーー!!」


「祐一、静かにしろよ」


考えで鬱向き気味だった顔を上げると、祐一と和宏が先行して進んでいくのが見えた。


この刀剣博物館は、刃物なら何でもというぐらいバリエーションが豊富だ。祐一は槍術を習っているから、槍の類には目がないだろう。そのせいでテンションが上がってるなあいつ。


「しょうがないな、あいつは」


そうつぶやくと朔夜に手を引かれた。


「私たちも行こ?」


そういう朔夜も、メインである刀や剣を見たくてうずうずしているみたいだ。


「そうだな」


俺もせっかく来たんだから楽しもう。


そう思いながら、朔夜と一緒に歩き出した。なんだかんだで俺も多少なりとも興奮していたみたいで、展示物にくぎ付けで朔夜に手を引かれたままなのに気付いていなかった。




・・・・・・・・・



・・・・・・



・・・






「ねぇ悠久、これすごい切れそう。西洋の剣なのにかなり鋭利だよこれ!」


「でも大き過ぎだろ、朔夜。この重量だとすぐに刃がだめになると思うぞ」


博物館の中を、一組の男女が歩いている。展示されている刀剣を目を輝かせて見ており、想いのままの評価を下す虎野朔夜と、自らの感想を述べている羽竜悠久。


「あ、あっちに日本の刀が!小烏丸とか置いてあるよ!」


「さすがにこれはレプリカか。まぁ本物があるほうが驚きだけどな」


悠久の言うように、展示品のほとんどが伝承を基に作られた、所謂模造刀だ。中には実際に戦場で使われたものもあるが、展示物として使われるためほぼ未使用という物が大多数を占めている。


「あ、この刀すごくいい」


そんな中、一振りの刀が朔夜の目に止まった。形はよくある日本刀のそれだが、刀身が軽く青みが掛かっているように見える。


「悠久、もうちょっとこれ見てっていいかな?」


「そうか、なんなら付き合うぞ?」


「ううん、いいよ。先に回ってて、後で追いつくから」


「分かった。ゆっくり歩いてるよ」


そう言って悠久は一人で先に進んでいく。朔夜は未だ刀に見入ったままだ。


その展示されている刀、その説明の欄にはこう書かれていた。


『立花道雪 千鳥』




朔夜と別れて歩いていると、不思議な感覚が襲ってきた。


「――――――――」


「また何か・・・」


博物館に入った時と同じく、誰かに囁かれるような感じがする。先ほどは気のせいかと思ったが、二度目となるとその線は薄くなってくる。


基本的には静かなのが博物館だ。時折幼馴染の興奮した声が聞こえてくるが、それとは明らかに違うものだ。


そもそも、今は周りに誰もいない状態なのだ。その状況で声が聞こえるのはやはりおかしい。


「こっちか?」


取り敢えず、声が聞こえたと思わしき方向へ歩いてみる。もしかしたら、迷子の子が泣いているのかもしれない。


そうしてたどり着いたのは、ほかの展示物とは隔離されたスペースだった。そして、その場にあったものは・・・


「これは?」


確かにソレは刃物の類だろう。しかしソレは戦いに使うものではなく、ただ人を殺すことに特化した道具だ。


『Bois de Justice』


正義の柱と謳われたソレは、罪人を処刑するためのギロチンだ。伝記を読んでみると、どうやら実物らしい。


それが本当ならば、一体どれほどの血をすい続けてきたのだろう。


ギロチンは古来より、最も慈悲深い処刑具だと言われている。計算された刃の角度、重さによる断頭のスピードは、刹那の苦しみをも与えることなく人を殺す。


一瞬の死。確実な終焉。それをもたらす刃を見ながら、俺は動くことができなかった。


そんな俺の耳に、今度ははっきりと聞こえてきた。




『血、血、血、血が欲しい


ギロチンに注ごう飲み物を


ギロチンの乾きを癒すために


欲しいのは血、血、血』



「っ!」


確かにその場には誰もいない。・・・一体どこから。そんなことを考えていると、突然視界が切り替た。


黄昏の浜辺。そびえ立つ断頭台。そして・・・


「血、血、血、血が欲しい


ギロチンに注ごう飲み物を


ギロチンの乾きを癒すために


欲しいのは血、血、血」


呪いのリフレインを口ずさむ金髪の少女。


呆然と立ち尽くしていると、眼前の少女と目が合う。


「あなたは誰?」


「!!」


声をかけられた瞬間、なんとも言い難い寒気が走った。まるで鋭利な刃物を首に当てられたような。


「・・・あれ?」


わけの分からない感覚に襲われた瞬間、気が付けば景色は博物館に戻っていた。


一体俺はどうしたんだ。何か幻覚でも見たのか?


その割には先ほど感じていたものは現実に近かった。海辺の磯の香り、降り注ぐ夕日の光。そして耳にした歌声と感じた寒気。


不思議な体験をしたものだと思い込むようにしよう。現実的に考えて、白昼夢を見たという方が説明がつく。


しかし、言い知れぬ不安は尽きないまま、何か予感めいたものが残っているのもまた事実だ。


とりあえず考えても仕方ないので、はぐれている朔夜たちと合流するために、俺はその場から離れることにした。







黄昏に染まる浜辺に、一人の少女が立っている。


「また、ね」


その言葉は一体誰に対するのもなのか。


「どうしたんだい、マルグリット」


「あ、カリオストロ」


ひとつの影が黄昏の世界に現れた。男なのだろう。しかし、その輪郭は揺らいでおり、はっきりと捉えることができない。


まるで影絵のような男は突然現れたにもかかわらず、少女は特に驚きもしなかった。


「今ね、あなた以外の人がやって来たの。あの人があなたが言っていたツァラトゥストラなの?」


「いいや、彼は違う。私の代替はまだ機能していないし、もし彼がそれだとしたら、接触することで君もなにか感じられるはずだ。君には確信がなかった、そうなんだろマルグリット」


「うん」


「ならば彼は君の番となる者ではない。最も・・・」


「?」


「この世界を感じることができたということは、彼も至ることができる存在かもしれない」


男は笑う。先ほどの彼はなんなのだろうか。自分が用意したわけではないことは確かだ。もしかするとこれは期待できるのかもしれない。そう思った瞬間


「ああ、ダメか。どうやら彼の登場も既知の範疇だったようだ」


「カリオストロ、あなたは何を言っているの?」


意味のわからない男の嘆きに、少女が問いかける。


「なんでもないよマルグリット。勝手に期待仕掛けて裏切られたというだけのことだ」


しかし、めったに現れないイレギュラーであることは確かだろう。


自らの想定の枠外にあるもの。これをうまく使えばもしかするのかもしれない。


そんな思いを抱きながら、男は静かに笑い続ける。


ところでオリキャラの強化はどうしようか


力が目覚めるタイプと、誰かに訓練をつけてもらうタイプ。


今のところ考えているのは前者。

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