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第2話 姉弟

需要がなさそうなのに投稿するのは自慰行為みたいなのは言わない約束で

「ハァッ!!」


「ヤァッ!!」


剣道場で掛け声と竹刀の音が響く。

時間は放課後であり部活動の時間だ。

女子剣道部所属で、現在部長を務めている綾瀬香純(あやせかすみ)は気合と共に竹刀を振り下ろす。

香純は大会でも上位入賞を果たす実力者だ。

幼馴染からは「剣道バカ」などと言われているが、同年代には比べる相手があまりいないほどなので僻みにしか聞こえない。


しかし、その一撃を相手は事もなしに払い除ける。

流れるような自然な動きは、もはや学生の動きを凌駕している。

この日、香純はこの相手にまだ一本も入れていない。


対峙しているのは虎野朔夜(このさくや)という、香純のひとつ上の先輩で、剣道部の前部長である。

大会では、毎回優勝候補にその名を連ねるほどで、実力は香純をはるかに超えている。

しかし、朔夜は本来剣道ではなく剣術をその身に叩き込んでいる。型にはまったスポーツではなく、戦場などで役に立つ技術だ。

ルールが決められている剣道ですらこの実力なのだ、ルール無用の喧嘩の時に彼女が棒状の何かを持っていたらまず逃げたほうがいいだろう。


「フッ!」


香純が再び面を取りに行く。

しかし、朔夜は剣先を使って難なくこれを逸らす。返す刀で逆に香純の面に竹刀を打ち込む。




「そこまで!」




模擬戦が終了し、結果は朔夜のストレート勝ちとなった。


「「おつかれさまでした。」」


同時に挨拶すると、それまで張り詰めていた空気が緩むのがわかった。



「いやぁ、朔夜先輩強すぎますよぉ」


「これでも物心ついた時から剣術教えられていたからね。そう簡単に負けてあげることはできないかな」


会話を始めれば年相応の少女だ。二人とも美少女といっても差し支えない顔立ちである。

何もしなければ普通の男子よりも強いだなんて思えないだろう。


「私も結構剣道やってるつもりでしたけど、上には上がいるもんですね。10年位前の先輩に戦乙女なんて異名で呼ばれるほど強い人もいたみたいですけど、先輩も名乗ってみません?戦乙女って」


「それはちょっと・・・。ところで良かったのかな?一応引退した身で剣道場使わせてもらって」


この日、朔夜は引退後、久しぶりに剣道場に赴いてみると、香純が一人で練習していたので久々に模擬戦形式で相手をしていた。


「別に全っ然問題ないっすよ。むしろ久しぶりに先輩とやれて私嬉しかったし。もし何か言う人がいても部長権限でどうとでもしますよ」


人の上に立つ身としては不適切な言葉が聞こえる。


「バカスミが、それじゃただの独裁者だろ」


ここで、先ほどの試合で審判員をやっていた男子が口をはさんだ。


「誰がバカスミかぁー!」


「口が悪いわよ祐一」


虎野祐一(このゆういち)。朔夜の弟で香純とはクラスメイトになる。


「つーか誰だ教えたやつ!蓮!?司狼!?てか司狼でしょあの馬鹿ぁ!!」


「どっちも言ってたけどな。コロポックルがどうとかってのも聞いたことがある」


「あいつらぁ~、後でシメてやる!」


物騒な話になりそうな流れになってきた。


「あんまり香純ちゃんを刺激しちゃダメよ。それはそうと審判ありがとね」


「気にしなくていいよ姉ちゃん。どうせこのあと買い物とか付き合うんだろ?」


「そういえば祐一も剣道のルールとか知ってたの?やってるって聞いたことなかったけど」


「いや、ウチは家柄子供に何かしら武術を教えるしきたりになったるんだよ。姉ちゃんが剣術を覚えるときに一緒に剣道の勉強したんだ」


虎野家では剣術に限らず、柔術や弓術など、戦闘に関する技術を教え込まれる。

かくいう祐一も槍術をメインに教え込まれている。


「姉ちゃんは剣、俺は槍が得意なんだ。親戚には八極拳使う人とか弓道で確実に的の真ん中にあてる人とかいるな」


「すごいんだねぇ。そういうスポーツの大会とか結構親戚の人とか優勝したりするの?」


ここまで色々やっていると聞けば当然の疑問だろう。


「ううん、大会みたいに出ているのは学生の頃だけみたい。社会に出たらそういう催しにはさんかしてないわね」


「そうだな。さっきの弓の人も五輪出てくれみたいな誘いを断ったみたいだし」


虎野家では昔から変わらずこのしきたりが続いている。


そして決まっている(・ ・ ・ ・ ・)かのように世に名前を残そうとしない。


気に止めることもなかった。絶対の引力が存在するかのようにみんな同じような道をたどる。

当たり前だが、なるようになった偶然の結果だ。

祐一も今の世の中で槍術が役に立つとは考えていない。しかし同時に、それでも日々の修練は怠ることはないと思ってもいる。


「そんなことより早く帰ろうぜ姉ちゃん。買い物しなきゃいけないし晩飯の材料がなきゃまた悠久がぼやくぞ」


「それもそうね。香純ちゃんそれじゃね。今日は楽しかったよ。またやろうね」


「いえいえこちらこそ。先輩も遠慮しないでいつでも来てくださいね」



自分たちの存在理由を分かっている人間は少ない。そしてそれはこの姉弟も同じこと。

自分の人生を見直すことなどそうそうあることではない。

人は当たり前の日々を当たり前のように過ごせればそれで幸せなのだ。


しかし、この世の中は無常なのが心理である。次の瞬間ですら人は予測することができないのだから。


姉弟が夕暮れの黄昏の中を歩いていく。


何気ない日常の終わりがもうそこまで来ていることに気づく様子はない。

もう自分でも何書いてるのかわからない。

原作の主人公まだ出てきてないんだぜコレ。

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