序章 開幕
開始のものすごく短いところです。オリキャラを複数出しますのでちゃんとできるかわからない・・・。あとエイヴィヒカイトの設定を弄りますので、正田卿崇高者は不快な思いをさせるかもしれないのであしからず
「素晴らしい。これはまだ見たことがない」
はじめに感じたのは珍しいことに未知の覇道。
正確にはその残滓なのだが、この際その大きさは関係ない。
重要なのはそれが未知であるということ。
回帰が始まった当初はまだ大いにありえたことだが、ここ最近は全くと言っていいほどなかったことだ。
この座が誕生してから数え切れないほどの年月が経過している。
千や万、億でも足りない時間の中で起こったイレギュラー。
「ここまで来たら、もう始まりにも未知はないと思っていたのだが」
座に居座りしはやせ細った枯れ木を思わせるような男だ。
何億、何兆もの回帰の中ですり切れそうな印象を与える。
しかし、その身に宿る力は計り知れない。
数え切れないほどの世界の神威をその内に秘めている。
これには歴代の神座であっても容易に太刀打ちできるものではないだろう。
真実この座は先代を討ち滅ぼしてここにあるのだから。
そんな遠い昔のことに目もくれず、永劫回帰を流れさせた水銀の蛇は今嗤っている。
久しく忘れていた未知の感覚。それに期待するなという方が無理な話だ。
「いやしかし、これが本当に未知かはわからない。ああ、嘆かわしい。この既知感は結果を見なければ越えられたかどうかわからない。原因が未知であっても結果が既知では意味がない」
しかし、それと同時に嘆いてもいる。
自らが流れ出させた既知という法則。1から10まで全ての事柄を決定づけてしまうその呪い。
たった一つの未知を経験したいがために創造した理。
その強制力は未知で始まったとしても一つの結末に至ってしまうほどの強いものだ。
「いい加減に飽いているのだ。私を彼女の手によって殺して欲しい」
たった一つの、女神との出会いという既知を逃さないための渇望。
この水銀は死にたがっている。
しかし、それは彼が心を奪われた女神によっての終しか認められない。
今回のイレギュラー、これらは黄昏の世界を生む礎となるか否か。
足りえないならば今までと変わらない。むしろ不確定要因は邪魔ですらある。
しかし、もしそうでないのなら・・・
「ならば役に立ってもらおうか。所詮この宇宙の総て、塵芥にいたるまでそのために存在するのだから。それはお前とて例外ではないぞ■■」
水銀は思い出す。
この宇宙に紛れる前、自らの世界で過ごした日々のことを
。殆ど何も覚えていないが、この未知の事象を見て蘇った記憶がある。
「お前も私と同じくここに至れるかもしれなかった存在だ」
遥か昔、別宇宙で座の法則に触れ、共にここを目指して凌ぎを削った友人のことを。
自分の回帰の法則に巻き込んでから、一度も確認できなかったかつての友の姿をスワスチカの場で見ることができた。
「お前ならこの法則を超越することができるのだろうか。お前が開発してきた秘法にも期待させてもらうぞ、別世界の親友」
期待はしているが楽観視はしていない。
この世界で自分を超えることができなければこの法則は塗り帰らない。
それでも微かな予感を胸に水銀は何度目になるかもわからない指揮を取る。
まだ見ぬ結末を夢に見ながら水銀の蛇、メルクリウスは未知の結末への幕を開けた。
出だしおかしいかも・・・。
いきなり原作と違うところが出ましたが、主人公にはエイヴィヒカイトとは少し違う法術を使ってもらいます。基本は変わらないのですが各位階での現象の起こり方が少し変わります。
原作崩壊必至かもですが頑張ろうと思います。