神の領域
「ヒャハハハハ、楽しませてくれる、これは30人以上を殺した価値があったかもなぁ」
絶対時間は指を鳴らす。
「俺とお前の違いを教えてやろうか、それは・・・能力の違いだ」
絶対時間は足元の小石を拾う。
野球ボール程のおおきさもない。
それを上に少し投げまた手で握る。
それを3回程繰り返し、陽一の方を見る。
「これが、俺の力だ」
小さく手を振る。
腕の振りは野球のキャッチボール程のスピードもない。
しかし絶対時間の手から放たれたのは、音速以上の速さで飛ぶ石。
それは、陽一の横を飛ぶと、遥か後ろにあったガスタンクにあたり爆発する。
陽一は一度驚いた様に目を見開いたが、またいつもの大きさに戻った。
「関係ねぇ、お前がどんな能力だろうと、俺はお前を倒さなけりゃいけないんだ」
すると絶対時間は言い終わったスグにこう返した。
「何の為に?」
どうしても、スグに返事を返す事ができなかった。
声を出そうとしても、口がパクパクと動くだけだった。
「ならその理由があるとしたら?なんでレベル9のあの女があの不良の中にいたのか、それは・・・
あいつらを俺から助ける為だ、自分の家族の様にならない様になぁ」
「なっ」
陽一は声をあげた。
何も言えない。
そして拳を固めて、ゆっくりと絶対時間を見据える。
「関係ねぇよ。俺が目指してんのは、ハッピーエンドだぜ」
拳を絶対時間に向ける。
陽一の顔には涙が視えた。
「犠牲は俺一人で充分さ」
そういって絶対時間に殴りかかる。
絶対時間は避けることはなかった。
拳が顔面に突き刺さる。
「何故だ。何で俺の能力が通じねぇ、テメェが俺に触れる事すら、敵うはずねぇ」
絶対時間は倒れる事はなかった。
陽一はゆっくりとポケットから石を取りだす。
「俺さぁ、願ったんだ、俺の周りの人が不幸にならない様にって、
神様も酷いですよね。
俺に力を与えて、自分で助けろってさ」
その石を投げる。
しかし、それは絶対時間に触れる事なく石は弾き飛ばされた。
それは陽一の手に高速で叩きこまれた。
「お前の能力は”反射”だろ。俺の能力は”干渉”
全く迷惑な能力だ。けどな・・・」
拳を握りしめ振り上げ振り下ろす。
「今回はお前に届く為の力の糧になるッッ!!」
「ザケンナァ、テメェ。テメェの力なんてレベル1程度下手すりゃそれ以下なんだよ!」
陽一の拳を受け止める絶対時間。
「「俺が勝つ」」
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